貧乏老後にならないために今から考えるべきこと


平成24年の日本人の平均寿命は、男性が79・94歳(世界第5位)、女性が86・41歳(世界第1位)となっています。

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わが国は、治安の良さ、安全な食、衛生状態が優れていることや国民皆保険の医療制度があることなどから、世界でも最も長寿の国のひとつとなっています。その一方、一般的な日本人の職業定年は60歳~65歳であります。ということは、日本人は平均して15年~20年以上もの間、無収入状態になるのです。

将来に対する漠然とした不安を抱えている方は、潜在的にも多いように感じます。こちらの記事から引用します。(太字は筆者によるものです)

◆「貧乏じいさん」にならない自信、ありますか?

日本はかつて高い家計貯蓄率で知られていたが、近年はその顕著な低下が報告されている。2011年の経済開発協力機構(OECD)の報告によると、1993年に14.2%だった日本の家計貯蓄率(家計可処分所得に占める家計貯蓄額の割合)は、2009年には2.4%まで低下した。貯蓄率が低いことで知られる米国の家計貯蓄率でさえ、1993年には5.8%、そして2009年には4.7%である。

中略

金融広報中央委員会の「家計の金融資産に関する世論調査」によると、老後の暮らしについて非常に心配していると答えた世帯の割合は、1997年の20.5%から2012年には40.6%に上昇した。2012年の調査では、非常に心配あるいは多少心配と答えた世帯のうち70.4%が、老後が心配な理由として「十分な金融資産がないこと」をあげている。

また、42.0%の世帯が、現在の生活にゆとりがなく老後に備えて貯蓄していないと答えている。一方、年金に対する期待は低く、全体のわずか3.9%の世帯が年金で不自由なく暮らせるだろうと考えている。現在の日本では、年金だけでは老後の生活が不安だと思いながらも、充分に金融資産が蓄積できず、将来に不安を抱いている人々が多いことがわかる。

同調査の個々の世帯の金融資産(預貯金、生命保険、個人年金保険、株式、投資信託、その他金融商品)の保有に注目してみると、金融資産を全く保有していない世帯の割合は、1993年の10.5%から、2011年には28.6%に上昇した。2011年の時点で、20歳代の44.7%、30歳代の31.7%、40歳代の29.1%、60歳代の25.5%、そして70歳代以上の27.2%の世帯が金融資産を全く保有していなかった。40歳代、50歳代の世帯の4分の1以上が金融資産を全く保有していないこと、そして20代では40%以上が全く資産を保有していないことに対して、筆者は懸念を抱かざるを得ない。人生の早い時期から僅かでも金融資産を蓄積し始めることはとても重要であるといえる。

かつては「日本人は貯蓄性向が高い」と言われていましたが、なんと今では3~4人にひとりは全く金融資産を持っていないのが現実です。また今後、少子高齢化が進むことにより年金財政がいまより苦しくなるのは明らかで、もらえる年金額の引き下げが懸念されます。貧乏老後にならないために、これからますます「私的」年金の必要性が高まるでしょう。

◆国から支給される年金は、いくらもらえるか?

国からもらえる年金は幾つか種類がありますが、一般的には国民年金と厚生年金のどちらか、または両方を受給することになります。2つの公的年金から毎年いくらもらえそうか、という計算は、

●国民年金の場合
65才から毎年もらえる年金額の概算 = 国民年金加入年数※ × 2万円

※最高40年。一般的なサラリーマンとして勤務していた年数も含まれます。

●厚生年金の場合
65才から毎年もらえる厚生年金額の概算 = 会社員の生涯賃金※ × 0.55%

※「平均年収(予想)×サラリーマンとして勤務する年数」で概算を求めます。

で求められます。こちらのサイトから引用させて頂きました。

年金の試算例は、以下のようになります。

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現在、Aさんはサラリーマンで、奥さんは専業主婦。
現在40歳で、年収、生涯の平均賃金ともに500万円です。

▼Aさんが65才から毎年もらえる公的年金はいくら?
国民年金: 40年 × 2万円 = 80万円
厚生年金: 40年 × 500万円 × 0.55% = 110万円

▼Aさんの奥さんが65才から毎年もらえる公的年金はいくら?
国民年金: 40年 × 2万円 =80万円

▼夫婦2人の合計はいくら?
夫婦2人分を合計すると、80万円+110万円+80万円=270万円/年 となります。

正確には日本年金寄稿の年金ネットでご自身の年金状況の確認や、試算シミュレーションができます。

◆いくら貯めておけば、ゆとりある老後生活がおくれるか?

総務省統計局が発表した「平成25年生活保障調査」のゆとりある老後生活費の意識調査によると、その平均月額は35.4万円となっています。この35.4万円には、食費、居住費、光熱費、水道費、保険医療用、教養娯楽費などすべてが含まれています。

このことから老後20年間を計算してみると…
35.4万円×12か月×20年=8496万円
Aさん夫婦は65歳からの20年間で8496万円を使うことになります。
ではAさん夫婦の場合、65歳までにいくら貯めておけば安心できるのでしょうか?

【40歳のAさん夫婦の場合】
8496万円(将来必要なお金)-5400万円(公的年金でもらえるお金 270万円×20年)
3096万円(現役時代に貯めなくてはならないお金)

ここから保有している金融資産を差し引くと、現役時代にあとどれくらい貯蓄すれば、ゆとりある老後生活がおくれそうかが試算できます。

そしてどのように貯めるか?に関しては、様々なやり方が考えられますが、私はまずは確定拠出年金を使った積立を検討すべきだと思います。

じぶん年金を作るなら、まずは確定拠出年金の有効利用を検討すべき

確定拠出年金は給与天引きに近い形で積み立てができ、60歳まで引き出せません。つまり半強制的にじぶん年金を積み立てられます。それに支払い時にも受け取り時にも、税制上の優遇措置があります。私的年金をこれから作るなら、まずは確定拠出年金による積み立てをお勧めします。

公的年金の受給シミュレーションは、こちらから確認できます。ご自身、またはご夫婦で受け取れる年金額を知るのに役に立つと思います。

ご参考になれば幸いです。

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2013年版 生命保険料控除まとめ


生命保険料控除証明書


サラリーマンの年末調整や、確定申告に必要な「生命保険料控除証明書」が届く季節になりました。
今年は生命保険料控除のしくみが変って、2年目の年末調整です。

2013年の生命保険料控除のしくみについてまとめてみたいと思います。

◆生命保険料控除とは

所得税を計算するときには、所得金額から所得控除を差し引きます。所得控除には、基礎控除や配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除などがありますが、生命保険料控除もその一つです。

1月1日~12月31日までに払い込んだ生命保険料に応じて、一定額が差し引かれることにより、所得税や住民税の負担が軽減されます。加入されている保険の種類や契約日によって変りますが、最大で12万円までが所得から差し引かれて控除となります。

例えば、所得税で12万円の生命保険料控除を受けた場合、
・税率 5%(~年収195万円)の人は 6,000円
・税率10%(~年収330万円)の人は12,000円
・税率20%(~年収695万円)の人は24,000円
・税率23%(~年収900万円)の人は27,600円
の所得税が軽減されます。

このほかに、住民税でも生命保険料控除が受けられます。

◆2012年から生命保険料控除制度が変わりました

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(1)2011年12月31日までに契約した生命保険

は、生命保険料控除の上限が10万円です。

(2)2012年1月1日以降に契約した生命保険

は、生命保険料控除の上限が12万円です。

これだけだと2012年1月1日以降に契約した生命保険のほうが控除額が多いので優遇されているように見えるかもしれませんが、実は一括りにできません。旧制度と新制度について見てみます。

◆旧制度と新制度で何が違うか?

新制度の対象になるのは、2012年1月1日以降以後に結んだ契約です。従来の制度(旧制度)もそのまま存続していますので、2011年12月31日までに結んだ契約は、以前と変わりません。それでは、新制度で何がどう変わったのでしょうか?

1)控除の種類が3つに

旧制度では「一般生命保険料控除」と「個人年金保険料控除」に分類されていましたが、新制度では2つの控除に加え「介護医療保険料控除」が創設され、控除は3つになりました。

2)適用限度額(控除を受けられる上限額)

・旧制度の適用限度額は、「一般生命保険料控除」「個人年金保険料控除」
それぞれ所得税で5万円(合計10万円)、住民税で3.5万円(合計7万円)です。

・新制度の適用限度額は、「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」
それぞれ所得税で4万円(合計12万円)、住民税で2.8万円(合計7万円)です。
3つの控除を合計した場合の限度額は、所得税で12万円、住民税で7万円です。

合計額だと10万円⇒12万円となるので良くなったと思いきや、一般生命保険料控除(死亡保障など)だけでみれば、実は控除額は上限5万円⇒上限4万円と減っています。

◆旧制度と新制度が混ざっていたらどうなる?

加入している死亡保障の生命保険がすべて2011年12月31日以前の契約であれば旧制度の5万円が控除となります。すべて2012年1月1日以後の契約であれば新制度の4万円の適用限度額になります。

気になるのは旧制度と新制度の両方の契約がある場合ですが、実は両方で計算した場合は新制度の限度額4万円が適用となります。これを考慮すれば、あてはまる方は2012年1月1日以降の契約についての生命保険料控除証明書は出さないほうがトクになる場合があるかもしれません。

また、2012年以前の旧制度の対象となっていた契約でも、それ以降に更新や特約の中途付加等をすると、契約全体の保険料が新制度の対象となります。

まずは自分の加入されている生命保険料がいくら控除対象となるのか?をしっかり確認しておくべきと思います。気になる方は、以下のシミュレーションツールで算出してみましょう。

生命保険料控除額の試算シミュレーション

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「たくさん売りたい」があなたの目を曇らせる


栄枯盛衰という言葉があるように、商売がいつまでも順調にいき続けることはありません。

事業や商品の売り上げや利益がどんなに出ても、いつかはピークを迎えて衰退するときを迎えます。そんなときには、なぜ売れなくなったか。その原因をはっきりさせれば、顧客からの支持を取り戻すきっかけにすることができます。

「たくさん売りたい」があなたの目を曇らせる (プレジデント2013/11/4号の記事)

でも、実際には目先の売り上げや利益、これまでのビジネスモデルへのこだわりなどによって、儲からない方向にどんどん向かってしまいます。たくさん売ろうとするものの、顧客ニーズにあうものを提供できず、さらに業績が悪くなるという負のスパイラルに陥いることがあると思います。

最近読んで共感したのが、セブン&アイホールディングスの鈴木敏文会長兼CEOが説く「売り続ける発想法」です。特に共感した5つのポイントをご紹介します。

1.値段を下げて売らない、品質の良いものを売る

顧客は初めて見た価格に期待値を設定するため、高価格であればあるほど価値があるものと認識します。

金の食パン


例えばセブンプレミアムで大ヒットとなった金の食パンです。一斤6枚入りが250円。その隣に100円の食パンが売られていたら、100円の食パンに対して顧客は「きっと値段なりの味なんだろう」と認識します。一方の250円の食パンに対しては、顧客は「そんなに高いんだったら、きっとおいしい食パンなんだろうな」という期待値を設定するのです。

これまでプライベートブランドの商品といえば、ナショナルブランドより安い価格帯で販売されるのが常識でした。金の食パンは、あえて手でこねる工程を導入して、専門店レベルの味を引き出すことに成功したそうです。

来年からは消費税が上がります。その影響から、来年からは消費の落ち込みが予想され、その対策としてつい値段を下げる発想に傾きがちです。しかし本当は逆で、価格競争には乗らないで上質な物を提供することが、消費者の財布のヒモをゆるめることにつながるのです。

2.ライバルがいない状態を作る

いま日本でいちばんコーヒーを売っているカフェはどこでしょうか。実はマックでもドトールでもスタバでもなく、セブンイレブンの「セブンカフェ」です。

去年までは日本マクドナルドの「マックカフェ」が年間3億杯を売ってトップだったそうですが、セブンカフェは開始1年足らずでマックカフェを追い抜き、日本一のコーヒー販売店の座に就くのは確実な状況ということです。

セブンカフェ


今でこそ、どのコンビニチェーンでも淹れたてコーヒーが買えるカフェ戦争状態になっていますが、実は「セブンカフェ」は最後発だったそうです。先行する他のコンビニやコーヒーチェーンの味・値段などを徹底的に研究し、コーヒーサーバーまで自社で作り直した結果、今年の流行番付に乗りそうな大ヒット商品となりました。

最後発なのになぜ大ヒットになったか?といえば、味に徹底的にこだわったことに加えて、100円ワンコインに価格設定したことが大きかったと思います。他のコンビニチェーンのコーヒーは150円~180円が中心の価格帯ですが、セブンカフェなら100円と缶コーヒーより安く、本格的なドリップコーヒーが楽しめます。ついで買いもできるお手軽で、上質です。私も、缶コーヒーを買わずにセブンカフェを利用するようになりました。

手つかずの「空白地帯」を埋める商品を作ったことによって、ライバルがいない状態になり大ヒットにつながったのです。

3.ネクタイの役割は「首に巻く布」ではなく「新しさ」

ひとむかし前まで、ネクタイの役割は「首に巻く布」で奥さんが買ってくるものでした。ビジネスマンは毎日、仕方なしに首に巻いていたのです。しかし今、ビジネスカジュアルやクールビズが広まったことによって、ネクタイを締めるシーンは一般的にかなり減りました。「ネクタイは特別なときだけにつける」層が急増したのです。

ネクタイ


これに関連して、少し前に面白い体験をしました。とある経営セミナーに参加していたときです。出席者はほぼ全員男性でした。司会者の「この中で、今日締めているネクタイを自分で選んで買われた方?」という質問に対して、男性の7割ほどが挙手しました。これがどういうことかと言えば、ネクタイを買う購買層と動機がすこし前と全然違うということです。

そもそも本質的に、ネクタイの需要がどこにあるかと言えば「新しさ」にあります。これまで着ていた黒いスーツに合うネクタイの色・柄と、新調したベージュのスーツに合う色・柄は違います。それに加えて、ネクタイの位置づけが「特別なシーンでしか着用しないもの」になっていたら、売れるデザインや単価なども変わってくるでしょう。

モノ余りの時代であっても、顧客は常に新しいものを求めているのです。

4.未来から現在を逆算する

少子高齢化と言われて随分たちます。たいていの方は、その言葉の響きからネガティブなイメージを受けます。

しかし、本当にそうでしょうか。少子高齢化だからこそ伸びるビジネスモデルや、売れる商品は必ずあるはずです。セブンイレブンでは、セブンミールという食事の宅配サービスを2000年からいち早く始めたそうです。今は全国のイトーヨーカドーでも宅配サービスを展開しています。

2013/10/23の日経新聞には、「ネット通販が高齢者に好評」という記事が載っていました。小売の市場規模は2000年の135兆円から現在まで、ほとんど変わっていません。その一方で、ネット小売の市場規模は4兆円から10兆円と倍増しています。これから先、リタイアを迎える方はパソコンの利用に抵抗がない人々が多いと思います。ITリテラシーを持つ方が高齢者にも増えていくことが確実だと考えると、リアル店舗におもむかなくても届けてくれるネット通販の市場規模はますます拡大しそうです。

だったらリアル店舗は全てだめになるか?というとそんなことはなくて、例えば2013年度決算だと三越伊勢丹は過去最高益を達成していますし、コストコやIKEAなども大人気です。ネット市場だけがひとり勝ち、というわけではありません。顧客は次にどんな新しいものを求めるか?という潜在ニーズを察知し、一歩先の未来から発想することで新しい商品、売り方が生まれるのです。

5.誰もしないことに挑戦する

時代劇にでてくる「おぬしワルよのう、越後屋・・」というワンシーンはよく知られています。この越後屋がのちの三越であることはよく知られていますが、なぜワルの越後屋というレッテルを張られたのでしょうか。

越後屋


これがなぜかといえば、実は越後屋が画期的なイノベーションを巻き起こして儲かりまくってたため、という説があります。要は嫉妬です。ではどんなイノベーションだったのか。以下、こちらのサイトから引用させていただきます。

新参ならではの創造と革新

かつて江戸では「伊勢屋 稲荷に 犬の糞」といわれるほど、伊勢商人の活躍が目覚しかった。その代表的人物が、越後屋の三井高利である。

当時、呉服物は高価な商品であり、着ることができたのは裕福層や一部の武士などに限られていた。それゆえ老舗の呉服屋では、屋敷を訪ねて品物を売る「屋敷売り」、注文を聞いて後で届ける「見世物商い」が一般的であった。

だが、新参の越後屋が老舗と同じ事をしていても勝負にはならない。そこで「諸国商人売り(地方商人への卸)」「店先売り(店頭販売)」「現金正札販売(現金廉売)」「はぎれ売り(少量販売)」「即時仕立て」など従来なかった商法に転換、顧客満足の視点から創造と革新に挑戦し、自らの活路を切り開いていった。

とりわけ薄利多売を旨とした。「現金掛け値なし正札商法」は、「呉服物は紛い物多く、素人目には品定めが難しい」といわれた時代に、「遠国の田舎者、女童も値切らずに買って喜ぶ正札商法」と大評判を呼び、「お客様が遠くからみえて、朝から昼まで買い物をしていただいたほど」(商売記)だったという。

新しいことに挑戦するのはリスクも伴いますが、顧客ニーズに的確に応えることができれば大きな成功を得られます。これからは毎年人口が減りますから、何もしなければマーケットは萎みます。今の時代、何も挑戦せず変化もしないほうが、むしろリスクはあるのかもしれません。

挑戦するから分かることがあるはずです。大い脳に刺激を受けました。

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健康状態によって生命保険に入れる、入れないはどうやって決まるか


生命保険の営業をやっていて、悩ましいことの一つが被保険者の健康状態です。

一般論としては
「生命保険は健康な方がご加入いただけるもの。大きな病気をしてしまってからでは保険には入れません。」
ということになりますが、中には大きな病気をしたことがなくても意外な理由で生命保険の加入を断られたり、逆に病歴があってもきちんと健康状態を告知することで加入できる場合もあります。

よくありがちなのは、「健康診断結果については何ら問題ない」と事前にお客様から伺っていても、実際に健康診断書や人間ドックの結果を拝見すると「要経過観察」「要精密検査」「要治療」など医師からの指摘事項があるようなケースです。こういった場合、指摘事項について告知義務がありますので、精密検査の結果や治療内容の詳細などを正しく生命保険会社に伝えないと保険に加入できません。

意外なところだと、180センチ、55キロといった理想的なモデル体系の方が、保険加入を見送られたり、割り増しの保険料が必要となってしまうこともあります。保険会社や商品によっては「痩せ過ぎのためにリスクが大きい」と判断されてしまうためです。

また、どんな病気・ケガであれ、入院中の方は生命保険の契約を断られてしまう場合がほとんどです。たとえ退院後でも、通院中だったり医師から処方された薬を飲んでいる場合、完治していないとみなされて申し込みを断られてしまうケースも多くあります。完治していても、病気によっては数ヶ月から数年経過していないと加入できないこともしばしばです。

これらの健康状態に関しては、生命保険会社が各社独自に加入に関する基準をもっています。病気の罹患暦などによっては、A保険会社には問題なく加入できるのにB保険会社には加入できない。ということが起こりえます。持病をもっていても、医師の診察に基づいてどのような治療を行なっているかを詳細に告知することで、加入できる場合もあります。

どの保険会社も、申し込み前に問題なく加入できるかどうかの目安を事前に確認できる仕組みを持っています。せっかく手間をかけて検討したのに、いざ申し込んだらダメでした、となってしまっては意味がありません。生命保険への加入を検討する場合、健康状態を事前に営業マンや代理店などに相談したうえで、加入できそうかどうかを予め確認するのが得策といえます。

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高齢化が都市交通に与える影響は?


先日の通勤途中で、車両の中で70歳代と思われる方が貧血と思われる症状で倒れこみ、10分ほど電車がストップしました。

首都圏の電車は,毎日1000万人に近い人たちの通勤通学をはじめとする移動に利用されていて、乗客が集中するラッシュ時間帯では激しく混雑します。多くの路線でラッシュ時間帯では電車の運行間隔は安全上の限界まで狭められ、超過密ダイヤで運行されています。わたしの自宅最寄り駅からの乗り継ぎ駅では、ほぼ毎日ホームへの入場制限が掛かるほどです。

首都圏とくに都内のJR、地下鉄、私鉄などの路線は網の目のように張り巡らされており、ある駅から別の駅まで移動するとき、複数の路線を乗り換えたり、単一の路線内で普通と急行を乗り換える場合も多くなっています。移動する際の経路の候補がいくつも存在することも多く、パソコンや携帯電話などの経路探索情報がないと目的地への移動もままなりません。

2020年には東京オリンピックが開催されますが、くしくも20年ごろには東京の人口は減少に転じます。それとともに首都圏の高齢化はさらに進みます。ライフネット生命の出口社長は、実は大都市部ほど高齢化による影響を受けると指摘されています。

高齢化が首都圏等大都市部を直撃する

こちらの指摘によると、今後30年以内に増加する高齢者919万人の内、実に388万人が首都圏に在住することになるのだそうです。意外にも、すでに高齢化してしまっている地方はそれほど影響を受けないということです。

そうした予測から、「大量の高齢者を首都圏等の大都市部は、本当にスムーズに吸収できるのだろうか?」ということについては今後、医療・介護などの分野を中心にあらゆる都市生活に影響を及ぼしそうですが、都市交通にも影響するものと思います。

乗降客の高齢化によって車イスを利用される方が増えるでしょうから、エレベーターの増設、段差をなくす、車イス用のトイレの設置などバリアフリーへの大幅な対応が求められそうです。また車イスを使われる乗降客が駅で列をなすような状況になれば、相応のサポートと乗降時間を必要とするでしょう。超過密ダイヤとなっている公共交通機関が今のままであれば、遅れも増えそうです。

高齢化による影響は、意外にもそんなところにも現われるのかもしれません。

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図表の出典:首都圏における高齢化の動向 – 国土交通省

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消費税増税8%に 保険への影響は?


2014.4.1をもって消費税が現行の5%から8%に上がることになりました。

このとき、消費税が保険に及ぼす影響はどうなるのでしょうか。保険会社に支払う保険料には?また、保険事故が起こったときや満期を迎えたときに支払われる保険金や、解約したときの戻り金には影響があるのでしょうか。そこで今回は消費税と保険についてまとめてみます。

◆保険会社に支払う保険料には消費税がかかる?

保険契約を結べば、保険料を保険会社に支払うことになります。支払った保険料については、消費税では非課税扱いとなっていますので、消費税はかかりません。 よって、契約者からみればもともと消費税が掛かっていないワケですから、消費税が8%、10%とあがっても直接的な影響はないといえます。

◆保険会社から保険金を受け取った場合には?

保険事故が発生したり、契約が満期となった場合には保険会社から保険金が支払われます。商品によっては、解約したときに解約返戻金という戻り金が支払われる場合もあります。この場合に受け取る保険金等に関しても、生命保険、損害保険を問わず消費税の課税対象外となっていますので、消費税はかかりません。

◆将来的に変更になる可能性はあるか?

いまの制度上は、支払う保険料にも受け取る保険金等にも消費税は掛かりません。これは契約者からみた場合の話しです。

しかし、保険会社側からみた場合はどうでしょう。生命保険会社の場合、不動産への投資や代理店などへの手数料、顧客から預かった保険料を運用して得た利益などには消費税が課されています。損害保険会社からみても、保険金支払いの多くを占める自動車や建物などの修理費用には消費税が課されています。

つまり生保、損保問わず保険会社からみれば、税率引き上げの分だけ保険会社の収支は悪化してしまいます。当然そのままでは困りますから、その分を保険料等へ反映させて、実質的な保険料等の値上げを行なう可能性はあるかもしれません。

ところが、それを行なってしまうと契約が減って、収益減となってしまうことが考えられます。保険会社からすれば、どっちに転んでも困ってしまう事態です。そのようなことを背景に、大手損保のトップが保険料が非課税となる制度自体を見直すべきだと発言したという報道がありました。

◆結論

今のところ消費税の上昇が保険に及ぼす影響は「契約者にはない」と言えます。「消費税の課税の対象とならないもの(不課税)」は、以下のリンクのとおり、国税庁のサイトで具体的に定められています。

http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6157.htm
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6201.htm

上記のサイトに記載があるように、保険が非課税であることにはきちんとした理由があって定められています。仮に保険への非課税が「見直し」になるのであれば、然るべき理由がないといけません。

もし消費税が保険にも掛かるようになれば、一時的なものではなく将来に向けて長く掛かり続けることになりかねません。経済への影響もそれだけ大きくなりますから、しっかりとした制度にしてもらいたいものですね。

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「いつかはゆかし」のアブラハム6ヶ月業務停止へ? 顧客への対応はどうなる?


このブログでも紹介しておりました、アブラハム・プライベートバンクに業務停止命令が出る方向と、日経新聞が報じました。以下、少々長いですが引用させていただきます。(※太字は筆者に寄るものです)

アブラハム業務停止へ 金融庁検討、監視委が勧告

金融庁は投資助言大手のアブラハム・プライベートバンク(PB、東京・港)に6カ月以内の業務停止命令を出す方向で最終調整に入った。証券取引等監視委員会が3日、無登録で金融商品を販売していたなどと正式に行政処分を勧告。反論していたアブラハムも同日夜、監視委の勧告を受け入れる方針を公表した。

アブラハムは金融商品取引法上の投資助言業者。積み立て投資サービス「いつかはゆかし」を提供しており、監視委の調査では投資助言残高は170億円、顧客の数も少なくとも2792人に上る。

監視委は3つの行為を金融商品取引法違反と認定した。第1に、金融商品販売業者の登録をせずに海外ファンドを販売する「無登録販売」だ。投資助言業者は投資家からアドバイス料をもらい、最適な金融商品を紹介する。だが、監視委の認定によると、アブラハム側は金融商品の運用会社側からも「広告料」などの名目で事実上の販売手数料を受け取っていた。

金融商品の運用会社から報酬を受け取ると、投資家の立場から最適な商品を選ぶ助言業に中立性がなくなる。監視委によると、アブラハムの販売手数料収入は顧客から集めたアドバイス料の何倍にも上り、「助言業」と「金融商品の販売」の間で利益相反の懸念があったという。

第2の違反は「誇大広告」だ。アブラハムは自社のサイトで「金融機関や運用会社から販売手数料等をもらっていません」と虚偽の説明していた。加えて、他社よりも運用実績を高く見せるような広告を掲載していた。さらに、同社は特定の顧客に利益を提供することを禁じる金商法にも違反していた。重要な顧客が助言報酬を免除するよう求めたところ、アブラハムは900万円超の免除に応じていたという。

2007年の金融商品取引法施行後、無登録販売で行政処分の勧告を受けたのは15件目。アブラハムのように海外の金融商品を販売するケースが目立つ。国内で低金利が長引くなか、投資家の海外投資への関心が高いことが背景にある。個人マネーが国際化する一方で、海外の金融商品には金商法が及ばない。資産の大半が消失した米金融業者のMRIインターナショナルのように実態把握が遅れることも多いのが現状だ。

自分としては、アブラハム社のサービスには好意的な立場でした。「年金不安を抱える現役世代向けに、画期的な金融サービスを提供したい」という理念には共感できたからです。とはいえ、年金資産を預かるということは10年以上の長期契約になる可能性が高く、新興の金融業者に多額の資産を預けていいものかどうか?月々5万円で1億円も本当に貯まるのか?というと、これは理念とは別問題です。

このご時勢、個人マネーが国際化しているなかで、一般投資家の海外投資への関心が高くなっていることは事実でしょう。そして年金不安も依然としてあります。そんな状況下で、日本にいながら高いリターンが望めるような、海外投資サービスを提供しようとする試み自体はアリだと思う!(ただし売り方には問題アリ)ということを以下の記事で書いて参りました。

いまの30代、40代は年金もらえないってホント?直ちにやっておくべきことまとめ

「いつかはゆかし」に関する考察

その矢先・・・、懸念が現実となってしまったのかアブラハム社が業務停止の報道です。理念には共感していただけに、実に勿体無いと思います。自分も「いつかはゆかし」と契約していただけに、今回の報道を受け、一契約者として以下の事柄が気になります。早速にアブラハム社に問い合わせしてみました。

(1)6ヶ月以内の業務停止ということだが、「いつかはゆかし」のサービス継続性はどうなるのか?

⇒新規募集は停止になるかもしれないが、既存の顧客契約は有効。

(2)実質は海外ファンドと契約しているけれども、その契約自体は有効なのか?

⇒同上。

(3)解約したらどうなるか?預けた資産は保護されるのか?

24ヶ月以内に解約すると、一切戻ってこない。また30年契約なので、年金の受給開始は30年後になる。

という回答でした。まじですかそうですか・・・

アブラハム社のビジョンは(アブラハム社のサイトより引用)
日本人の金融リテラシーをグローバルスタンダードに近づけることで、将来不安を抱えるすべての人を安心へと導く。
バリューは
正々堂々と、誇りを持って、王道を歩むこと。
とあります。

そのとおりに、やましいことが無いのであれば、堂々と自社サービスの健全さをアピールして頂きたいです。それに加えて、30年間は払われませんよ。ということも明言して頂きたい。期待が大きかった分、今回の報道は本当に残念に思います。

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「いつかはゆかし」に行政調査


「いつかはゆかし」のアブラハム・プライベートバンクに行政処分勧告

証券取引等監視委員会は投資助言大手アブラハム・プライベートバンク(東京・港)を行政処分するように金融庁に勧告する方針を固めた。金融商品販売業者の登録をせずに海外運用会社の商品を実質的に販売し、金融商品取引法に違反したと判断した。金融庁は、業務の一時停止を軸に業務改善を求める構え。一方、アブラハム側は「投資助言業は逸脱していない」と見解の相違を強調している。

電車の中吊り広告やテレビCMなど、俳優の塚本高史さんを起用した「いつかはゆかし」が販売され始めて、1年以上が経ちました。海外の金融商品には、日本国内で運用するよりはるかに大きいリターンが狙える商品が存在することは事実ですが、「いつかはゆかし」は海外でしか買えなかった金融サービスを日本人向けにパッケージ化した商品です。

自分もお試しに「いつかはゆかし」に契約していますが(お客様に勧められる金融サービスかどうかを確認するためです)、このような取り組み、海外の金融サービスを提供しようとする自体はアリだと思うのです。富裕層向けの金融サービスを月額5万円から、日本にいながら(日本語サポートつきで)購入できるということは消費者からみて選択肢が増えますし、いまや日本人の平均年収が400万円少しとなり、将来の年金不安も解決の見通しがありません。そのような状況下で、画期的と思われる金融サービスを市場に投入したことには意味があると思うのです。

もちろんアブラハム・プライベートバンク社が法律などに抵触していた事実があれば然るべき処分を受けるべきと思いますが、日本の年金不安に対して新たな金融サービスを始めた、その取り組みそのものには個人的に期待していただけに、今回の報道は大変残念です。

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じぶん年金を作るなら、まずは確定拠出年金の有効利用を検討すべき


前回のエントリーの続きです。

<前回エントリー>
25年度「生活保障に関する調査」 将来に対する不安傾向が明らかに

前回のまとめで、公的年金が足りなくなりそうだからといって、民間の生保会社が販売している個人年金保険を使うことは必ずしも正解とは限らないと書きました。なぜなら、いま日本国内で売られている生命保険の予定利率(よていりりつ)は1%代の商品が中心で、歴史的に見て最低水準だからです。予定利率とは、生命保険の契約者に対して約束する運用利回りのことです。

予定利率が高ければ高いほど契約者にとってお得ですが、残念ながら今売られている生命保険はそうなっていません。しかも生命保険の利率というのは、特殊な商品を除いて加入時の利率がずっと適用されます。短期解約すると元本割れしますし、じぶんで運用先を選んだりすることもできません。このことから私は、いまの情勢だと個人で加入する生命保険は積み立てには不向き、保険本来の保障メインで買うべきだと考えています。

とはいえ年金不安に関しては、いま大変な注目を集めていることも確かです。以下の参考リンクにあるように、「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社/9月14日号)は「ここまで減る! あなたの年金」という特集で衝撃的な予想を書いていました。

<参考リンク>
恐ろしい老後~年金受給額半減、あと20年で積立金枯渇?消費増税も加わり…

(以下、一部抜粋です)

平均月収が35.8万円の男性単身の場合、09年度に65歳を迎えた男性の受け取り額は15~16万円だ。25年度に65歳を迎える1960年生まれの場合は試算では12.7万円、85年生まれの場合には、7.7万円まで下がってしまうのだ(厚労省の試算は13.1万円となっており、大きなズレがある)。

すでに制度は破綻している。だからこそ、抜本的な社会保障改革が必要だったのだが、後回しになってしまった。

消費増税とセットで行われていた自公民の社会保障改革の三党協議も、抜本的な改革を主張する民主党と現行制度の手直しを主張する自公の間で議論は平行線をたどり、結局、消費税率10%への引き上げと必要加入期間の短縮、厚生年金の適用拡大といった制度の充実案だけが決まった。抜本的改革への道は、ますます険しくなりそうだ。

このような状況だからこそ、危機感を覚えて早くからじぶん年金を作るべきだと考える人は、増えて当然です。その受け皿として、月額5万円を積み立てて1億円のじぶん年金を作ろうというような新しい金融サービスも出てきています。しかし年金の積み立ては一般的に超長期の運用となるからこそ、新興の金融サービスは不安、と考える方も多いでしょう。

そういった方向けの有効な手段が何かといえば、確定拠出年金だと思います。以下、サラリーマンでも自営業でも使える確定拠出年金の特徴をご紹介します。

◆確定拠出年金とは?

公的年金や企業年金は、国や企業などの責任で資金を運用するのに対して、確定拠出年金は、将来受け取る年金を個人ごとに区分し、自分で運用する仕組みです。運用は自己責任ですので、将来の年金額は増えることもあれば減ることもあります。

確定拠出年金


※この画像はこちらのサイトからお借りしました。

公的年金は今も確定給付型ですが、かつては企業年金も確定給付年金が中心で、将来もらえる年金額がある程度保証されていました。しかし企業年金の運用責任は企業にあります。実質利回りが約束した利回りを下回ってしまう「逆ザヤ」が発生してしまうと、会社の財政が逼迫してしまいます。AIJ投資顧問による年金の消失問題も、確定給付年金だったことが原因といわれています。そんな背景から、いまでは企業型の確定拠出年金を導入する会社が増えています。

確定拠出型の年金であれば、将来支払う年金額の責任を企業が負うことはありません。個人が責任を持ちます。「自己責任で自分で積み立てた分が、将来自分に払われる(積立方式)」点が、賦課方式の公的年金、企業年金と大きく異なる点です(積立方式と賦課方式の違いはこちら)。

自分で積み立てるため、個人ごとの年金資産持分が明確で、転職しても持ち運ぶことができるというポータビリティがあるのが大きな特徴です。なお、確定拠出年金として運用する商品は幅広く用意されていて、預貯金、公社債、個人年金保険、各種投資信託などの中から自分で選ぶ仕組みとなっています。ですので、例えば定期預金50%、投資信託50%など、年金運用先のポートフォリオを自分で設定することが可能です。

◆確定拠出年金に加入すれば税金が減る

確定拠出年金の掛金は、全額所得控除の対象となります。仮に、課税所得金額400万円の人が、1年間に24万円の掛金を払ったケースを考えてみます。こちらのページで計算しますと、所得400万円のひとの所得税と住民税の合計は363,500円となりますが、確定拠出年金を利用することによって、24万円分の課税対象金額が減少します。

所得が400万円なら所得税率は20%。住民税の10パーセントと合計30%ですから、

 ・24万円×30%=72,000円

72,000円分の所得税と住民税が浮くことになります。つまり

「本来はらうべき363,500円の所得税・住民税から72,000円が浮く」
もしくは、
「毎年24万円を確定拠出年金に預けているが、実質の掛金は16万8000円」

と考えることもできます。なお日本は累進課税ですから、課税所得が多くなればその分、所得控除の額も大きくなります。

さらに受取時においても、確定拠出年金は有利です。年金として受け取る場合には公的年金控除が、一時金として受け取る場合には退職所得控除がそれぞれ適用されるためです。

◆確定拠出年金のメリット、デメリット

以下、こちらのページからの抜粋です。

【メリット】
・転職先への資産移管が可能
・積立金残高がすぐに把握できて明確
・運用次第で老後の収入がアップする

【デメリット】
・運用のリスクを負う
・運用次第で老後の収入がダウンする
・現在支給開始年齢まで現金化できない

このなかで「運用のリスクを負う」点に不安を感じる方もいるかもしれませんが、前述したように年金の運用先を自身で選ぶことができるので、元本割れなどの運用リスクを防ぎたいのであれば、預貯金や公社債を中心としたポートフォリオを組めばよいと思います。

意外と注意が必要なのが、「現在支給開始年齢まで現金化できない」という点です。原則60歳までは引き出すことができなくなります。確定拠出年金の運用期間は長いので、余裕資金の範囲内でバランスよく運用先や額を決めることが大切です。さらに勤務先に確定拠出金制度があるか、ないか、自営業か、中小企業経営者か、などによって運用先や上限額などが変わってきますし、金融機関によって手数料にもかなり違いがあります。勤務先や証券会社などに確認したうえで、慎重に検討するべきだと思います。

【参考リンク】
優遇内容が知られていない「選択制確定拠出年金」による「じぶん年金」
投資家、フリーランス、自営業、中小企業社長に節税メリットがある「確定拠出年金制度」とは
選択制確定拠出年金制度の3つのデメリットとは?

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25年度「生活保障に関する調査」 将来に対する不安傾向が明らかに


いよいよ10月1日(火)が近づきつつあります。この日が何の日かといえば、安部総理が消費税率の5%から8%への引き上げを表明する予定の日です。

そもそも消費税率の引き上げ議論は、「税・社会保障一体改革」の一部としてスタートされたものです。「消費税の増税分は、社会保障分野に使う」とされたために、老後と健康のためなら仕方ないかとして増税を受け入れた納税者は数多いのではないかと思います。

社会保険体系

社会保障制度(年金・医療・介護)を維持するために、増税とともに医療費の削減と、現役世代・将来世代への投資を進めるべきだと以下のエントリーで書きました。

国民保険料は、全国民均等に3割負担でいいと思う

意見はいろいろあれど、将来に希望がもてる持続可能な社会保険制度への転換は必要です。消費税引き上げによる景気への悪影響が懸念されていますが、その代わりに年金・医療・介護などの将来不安がなくなるのであれば、個人的には増税もやむなしと思います。

◆国民の意識はどうか?

生命保険文化センターという機関が、平成25年度版の「生活保障に関する調査」を公開しました。18歳~69歳までを対象に、全国で無作為に調査した結果となっています。これを見ると、人々の生活保障意識がどのようになっているかが分かります。以下、抜粋します。

Ⅰ.依然として高い生活保障に対する不安意識
 ①医療と介護に対する不安の割合が9割台に
  (死亡に対する不安の割合は7割弱)
 ②公的保障に対する不安など経済的不安が高割合

Ⅱ.老後保障と介護保障の「充足感なし」は7割台
 ①自助努力による準備割合は増加傾向
 ②生活保障準備に対して「充足感なし」は老後保障と介護保障で7割台

Ⅲ.依然として高い自助努力意識と追加準備意向
 ①「生活を切りつめても私的準備必要」が約7割と高割合
 ②生活保障に対して「準備意向あり」がすべての保障領域で増加傾向

Ⅳ.老後生活に対する意識と入院費用の実態
 ①ゆとりある老後生活費は1ヵ月あたり35.4万円
 ②直近の入院時の1日あたりの家計負担費用は28,000円

この調査結果を全体的にみると、いまの日本人の多くは自分が死ぬリスク(死亡リスク)よりも、無事に生き長らえたときの経済的なリスク(生存リスク)のほうが大きいと考えていると言えそうです。

◆だから生命保険に入る、はマチガイ

例えば、個人で加入する民間の医療保険を挙げてみます。40歳の男性が、入院したら5000円の給付金が受け取れる医療保険に加入するとしましょう。60歳までに払い終わるような形で契約するとして、トータルでいくら払うことになるでしょうか?いま販売されている医療保険だと、最安値のもので45万円程度、高いものだと100万円を超えるのです。

仮に、トータルで50万円払い込む医療保険に加入した場合を考えます。分かりやすく入院給付金だけで、この保険のモトを取ろうと思ったら、何日入院する必要があるでしょうか。単純計算ですが、50万円÷5000円=100日以上入院する必要があります。だったら、タンス預金しておけば医療費以外にも使えるし、より柔軟な使い道が考えられそうです。

将来に対する年金不安に対応する商品として、年金保険というのがあります。商品によっていろいろなバリエーションがあるのですが、金利が高い時代の年金保険というのは、消費者にとても有利な商品がありました。民間の年金保険に入っていれば、支払った額の2倍、3倍が戻ってくるような商品があったのです。

でも、今はそんな戻りが保証されている商品はありません。せいぜい元本に数%から、どんなに良くても10~20%程度の利息がついて戻ってくるだけです。通常は短期間で解約すると、元本割れします。もちろん、そういった商品であることに納得されて加入される分には問題ない場合もあると思います。ただ、「そのリスクは本当に生命保険でカバーするべきか?」という点は必ず検討して、納得のうえで加入するべきと思います。

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