日本の健保って実はメチャクチャ恵まれてる件


アメリカ在住の友人に「アメリカの病院での出産は日帰りが基本。費用はざっくりひと声100万円」と聞いて、びっくりしたことがあります。

 



実は、アメリカには日本の国民健康保険のような公的機関が運営する社会保険システムがありません。

個人がそれぞれ保険を民間企業から選び、保険料を支払うというシステムになっています。

その仕組みは自己責任のアメリカという国らしく合理的とも言えますが、とてもドライです。慣習的にも、保険証を持っていけば基本的に好きな医者に好きな時にいける日本人には馴染みにくいでしょう。

また保険料も日本の常識を超える金額のため、保険料が支払えないために無保険状態のアメリカ人は数多くおり、これがアメリカの社会問題となっています。アメリカ人の6人に1人は無保険というデータもあるそうです。この問題について興味がある方はこちら。

我が国では、まだ国民皆保険制度と高額医療費制度が機能しているので、多少の病気でいきなり中流から貧困へ転落ということは殆どないと思います。とはいえ、何日か前お会いしたお客様から伺ったお話しですが「がんの手術・1ヵ月程度の入院で80万円請求されてびっくりした」というようなことは実際にあります。将来的に健保や高額医療費制度が骨抜きになったら、日本でも貧困層に転落する人が大量に発生するかもしれません。

さて話を元に戻します。私にもふたりの息子が居ますが、冒頭の出産に掛かる費用(大部屋か個室かなどによって異なります)はトータルでだいたい50万円から60万円、お母さんが入院する期間は約1週間弱というのが一般的かと思います。で、国の制度で出産一時金というのがあり、赤ちゃんひとりあたり42万円の補助金がおります。更に、出産方法が帝王切開で任意の医療保険や生命保険に加入している場合は、手術入院費の給付金が払われます。ということで、日本国内での出産について、実質的な経済負担はかなり軽いと言えます。

もしもこの制度が無くなり、全額負担になったとしたらどうなるでしょうか?仮に3割負担で60万円とした場合とします。これが10割負担となりますから60万円÷3/10=200万円。出産に200万円掛かる計算になります。こんなに医療費が掛かるとなれば、お金が無いひとは入院すらできません。自宅出産が急増しそうですね。

また、一般的に生命保険は大きな病気をされると新たに入れなくなります。国民皆保険が無い世界だと、自己加入の医療保険に入っていないということは大変なリスクです。例えば上述したがん治療に掛かった金額は、3割負担で80万円の治療費でした。これが10割負担だったら270万円になります。突然、これだけの出費を迫られたとしたら払えないという方も(特に若い世代では)多いでしょう。

ちなみに、アメリカでは医療費負担が原因の破産は、クレジット負債破産についで自己破産の直接原因の第2位です。中流層でも大きな病気を患ってしまったら貧民層まっさかさま。だから大きなケガや病気をしても、治療を拒否する(本当は治療してほしいけど拒否せざるを得ない)というようなことが現実に起こっていると聞きます。

こういったところから見ると、日本の国民皆保険制度は財源の問題を抱えてはいるものの、弱者を社会全体で相互扶助する理想の医療制度と言えると思います。TPPによって日本の国民皆保険制度は崩壊するのではという議論がありますが、少なくともアメリカの健康保険システムだけは輸入したくないですね

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