保険診療がガン難民をつくる 国民皆保険制度の限界


2012年秋頃、ドラマ化もされた人気マンガが全巻無料のアプリになって話題になりました。
「ブラックジャックによろしく」という作品です。2012.2.12現在、AppleのApp Storeでは2,000件を超えるほど沢山の評価がついていますから、ダウンロードして読んだという方も多いのではないでしょうか。

yumi minagawa

yumi minagawa
全巻無料!ブラックジャックによろしく(無料漫画)
★★★★★
2109件の評価
App Store



さてこのマンガ、ドラマ化されたりアプリ化されたりするぐらいですから、非常に反響を呼んだ作品なのですが、決してハッピーエンドで終わるような楽しかったり笑える漫画ではありません。むしろ医療現場の構造的な問題や非情な現実が次々に描かれる衝撃のマンガといえると思います。

一例をあげます。「保険診療の限界」という問題があります。

このマンガの中に、ある日突然に末期ガンと診断された主婦が医師の勧めで抗ガン剤の治療を受けて副作用によってボロボロになっていく、しかも抗ガン剤の効き目はまったくなく、苦しみながら死期を迎えていくというエピソードがあります。

日本のガン治療には「健康保険の適用範囲(標準治療)」というのがあり、一般的に初期のガンには外科治療や放射線治療(焼き切る治療)、ある程度進んだガンには抗ガン剤治療が適用されるようです。ですが、このエピソードで描かれているように、抗ガン剤で効き目がない場合には、緩和治療しか現実的な選択肢がないのが現実のようです。

つまり、「もう有効な治療法はありません。緩和治療に切り替えましょう」ということです。ドラマや映画などでもよく出てくるシーンですよね?患者やその家族からすると事実上の死の宣告のように聞こえるでしょう。その判断が適切なものかどうか、他の医師に診察を受けることをセカンドオピニオンといいますが、希望を求めて複数の医者のセカンドオピニオンを受ける、言わば「ガン難民」になっても、どこに行っても有効な治療は存在しないということも起こり得るといいます。

でも実は、これは「健康保険適用(=3割負担の標準治療)のなかでは、有効な手立てはありません」ということかもしれません。

というのも、日本では混合診療が認められていません。つまり健康保険適用の治療を受けた医療機関では、適用外の治療は受けられない仕組みになっているからです。
歯科医療では、保険の適用される治療法と適用されない治療法を患者が選択できるシステムになっていますが、ガンの治療などでは保険適用外の治療を受けたければ転院するしかないのです。

その一方で、末期ガンの患者さんでも、保険適用外の免疫治療などの方法を選択したことによって「劇的にガンが改善された」「ガンの進行が止まり共生の道を歩んでいる」という事例も少なからず存在するようです。末期ガンといわれるステージⅣの患者さんでも約3割の方に、完全にガンが消失したり、半分以下になったり、進行が食い止められたりといった効果がみられた、とする説もあるようです。

ただし、保険適用外ということは、治療にかかるお金は100%自己負担ということでもあります。ガンは治療によっては1か月に200万円かかることもザラだと言います。
これが健康保険適用なら3割負担で60万円、実際には 高額療養費制度などもありますから自己負担はもっと安くて済みますが、保険適用外の治療なら200万円全額が自己負担です。

そんなお金払えない!という場合は、健康保険が適用される標準治療を受けるしかありません。これは効果があればいいですが、効果がないときに自分で治療法を選ぶことができないという意味で、医者にお任せのベルトコンベアーに乗せられるようなものです。ある意味、とても怖いことだと思いませんか?医者が抗ガン剤の治療しかないと判断すれば、副作用でボロボロになる主婦のエピソードは決して他人ごとではなくなるのです。

こういうときのために、ガンに掛かったときに一時金で300万円が払われる生命保険に加入していたとしたら、少なくとも経済的な面では自分の生き方、治療の仕方を自分で選ぶことができるようになります。価値観は個人次第ですが、いざというときに生き方の選択肢が複数もてるような備えはしておきたいものだと思います。

高額療養費制度に関してご興味のある方は、こちらのエントリーを参考にされてください。

知らないと損する!高額療養費制度を知っていますか

このエントリーは、以下の書籍を参考にしています。保険診療という制度の限界と保険適用外の治療の可能性を分かりやすく解説されていて、オススメです。

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