誰が音楽を殺したか?


音楽は大好きだけど、最近CDってほとんど買ってないという人は多いのではなかろうか。

music


個人的な話で恐縮だが、10年ほど前までは年間20枚以上のCDを買っていたが、ここ数年は一切CDを買った覚えがない。気になる曲があればyouTubeでチェックしてTsutayaでレンタル、もしくはiTunesで購入だ。マイカーにもiPod接続端子はあるが、CDオーディオは積んでいない。

ソフトバンクの孫正義社長はこの本で「紙ほど不便かつ、非効率な物はない。近い将来、出版物は殆ど無くなる」と予言していたが、CDも一緒だと思う。容量が少なすぎるし、何よりかさばる。余談ですがこの本、とってもおもしろいです。

ソフトバンク 新30年ビジョン (単行本)

先日、イギリスのHMVが自力再生を断念というニュースがあった。HMVといえば、イギリスで最大のCD販売チェーンだった。なんでHMVが倒産したの?というのはこちらのブログに詳しいが、要は音楽の人気はそれほど減ってないのにHMVは惨敗。アップルのひとり勝ちということだ。

さて日本ではどうか。誕生から30年経ったCDの市場は、ピークの1/3と壊滅状態にあるそうだ。
1998年に、およそ6000億円だった日本のCD市場は、今ではわずか2000億円日本レコード協会調べ)。これはyouTubeやネットでの音楽配信の普及、デバイスの進化など外部的要因はもちろんあるだろうが、それ以外の要因が大きい。利権の問題だ。

なぜCDの売り上げが減ったのか。音楽を聞かない、或いは音楽が嫌いなひとが増えたのか?
絶対に違うだろう。
youTubeなどでは、音楽関連のコンテンツはダウンロード数上位の鉄板中の鉄板。
それに老若男女問わず、日本人は基本的にカラオケは大好きだ。

音楽レーベルに勤める友人から聞いた話だが、アルバム1枚の定価3000円あたりの半分以上は、レコード会社と販売店の利益だという。利益率が非常に高い、儲かるビジネスだ。ということはCD販売にこだわってるのは、結局のところ売り手が儲かるからという理由だけなんじゃないか。

利益率の高いCDにこだわる→iTunesの躍進などで売れない→儲からない→新しいミュージシャンの発掘・育成に繋がらない→手っ取り早くアイドルブームに乗っかる→アイドルのCDしか売れない→音楽市場全体が廃れていく・・・という、まるでデフレスパイラルみたいなことが起こっている。これが音楽が死に掛けている原因なんじゃないか?

ちなみに、オリコンの2012年CD売上ランキングトップ10はこうなる。

***1位 : 182.0万枚 … AKB48 「真夏のSounds good !」
***2位 : 143.7万枚 … AKB48 「GIVE ME FIVE!」
***3位 : 130.3万枚 … AKB48 「ギンガムチェック」
***4位 : 121.5万枚 … AKB48 「UZA」
***5位 : 107.3万枚 … AKB48 「永遠プレッシャー」
***6位 : *64.9万枚 … 嵐 「ワイルド アット ハート」
***7位 : *62.0万枚 … 嵐 「Face Down」
***8位 : *59.3万枚 … SKE48 「片想いFinally」
***9位 : *58.8万枚 … SKE48 「キスだって左利き」
**10位 : *58.2万枚 … SKE48 「アイシテラブル!」

別にAKB48がどうのということを言うつもりはない。タレントの卵を50人以上スカウトしてきて、何年もかけて育成、維持するのも大変だっただろう。結果として大ブームが起きて売れたんだから、それはそれで良い。

けど、このランキング見て思うのは何で音楽配信数もカウントして人気ランキングにしないんだろ?ということだ。AKB商法と言われるように、この数字には握手券目当でひとりで何枚もCD買っているのもあるから、そもそもこのランキング自体が本当の意味で人気ランキングの体をなしていないというのもあるが、ヒット曲の人気ランキング付けるのであれば、CD枚数+音楽配信ダウンロード数の合計で、はじめてヒット曲のランキングになるんじゃないか?

CDがもう全然売れてないし、今後も売れる見込みは無いんだから、新しい儲けの仕組みをつくならないといけない。ということで次に出てくるサービスは「定額で聴き放題」というヤツだろう。事実、海外では総ユーザー数2000万人を超えるSprtifyというサービスがある。ソニーはすでにMusicUnlimitedというサービスを去年夏から開始している。このようなサービスが徐々に普及していったらどうなるか。

結果として、CDの売上ランキングというのはますます意味を為さないものになっていくだろう。2013年の音楽業界、これからますます混沌としていくような気がします。

今回の投稿を見て、音楽業界の動向に興味を持った方は、
コチラ↓のダイヤモンド紙に詳しく掲載されています。

週刊 ダイヤモンド 2013年 1/12号 [雑誌]

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