貯蓄性保険が相次いで販売停止へ


2015/1/11の日経新聞が、貯蓄型の生命保険の販売停止を報じています。

明治安田や第一、貯蓄保険の販売停止 低金利で運用難

最近は預金金利がほとんどゼロであることから、一時払いの年金保険や養老保険は相続税の増税、年金不安などを背景に、個人の退職金などのまとまった資金を運用する商品として人気を集めてきました。

ある生命保険会社は、一時払いの保険を個人向けの主力として売りまくり、年1兆円近い保険料収入を上げたとも報じられています。

ではなぜ、そのような主力商品を販売停止とするのか?

その背景にあるのは、長期金利の指標となる10年物の日本国債の利回り低下です。
日銀の金融緩和により、長期国債の利回りがここ最近、加速して低下しているのです。

どのように下がっているか。数値で見ますと、ここ3年ほどの長期金利の推移は以下のようになっています。
(参照元:財務省http://www.mof.go.jp/jgbs/reference/interest_rate/index.htm

WS000055


ここ数年ずっと低下傾向なのが分かりますが、今月はついに0.3%を割り込んで、0.28%と過去最低の金利水準となっています。

国内の金融機関は長期国債を主な運用先としています。生命保険会社も例外ではありません。

このまま国債に投資し続けると、運用利回りが契約者に約束した利回り(予定利率)を下回る逆ざやに陥り、売れば売るほど保険会社が損をする可能性が出てきてしまいます。

という理由により、今後は保険会社が貯蓄型商品が販売停止にしたり、販売は継続されるものの保険料が値上りする、あるいは戻り率(解約返戻率)が下がるといった、消費者にとっては不利になることが避けられなさそうです。このような低金利が続くかぎり、普通の個人保険で貯蓄性を求めるのは難しいと言わざるを得ません。見極めが非常に大切になります。

例えば2012年から資産形成を目的に、何らかの個人保険に加入したとします。

円建ての個人年金保険や養老保険などであれば上記の長期金利に準じますから、ほとんど資産は増えていないでしょう。だからといって中途解約すると、ほとんどの場合は元本割れしてしまいます。

これがもし外貨建てのタイプだったらどうでしょうか。

ドル建ての場合を考えて見ますと、2012年のUSドル/円の為替レート(年次平均)は約80円です。2015/1/15現在のレートは約117円となっています。為替差益だけでも大きな違いが生まれます。

日本株式に連動するようなタイプだったらどうでしょう。2012年の年次平均株価は10,395円、2015/1/15現在のレートは17,000円弱です。

保険に限りませんが、金融商品にはどんなものにも流動性・価格変動・金利変動・為替などのリスクがあります。その中で、目的に応じてどのような商品を選ぶのかは、ひとえに個人の判断です。

また、通常は契約者が運用先を決めることはできませんが、中にはあたかも401kのように自分で運用先や配分を指示することができるものもあります。そのようなタイプであれば、「いまはアメリカ経済が好調だから外国株中心」とか「今後の市場動向が不透明だから国債中心にしておこう」など、個人の裁量でポートフォリオを決められます。

同じ目的の貯蓄でも、運用先が違えば数年後、数十年後のリターンは全く異なってきます。自己責任の範囲で、慎重な見極めをしたいものです。

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