先進医療特約ってどうなの?


医療保険につけることができる特約のひとつに、「先進医療特約」があります。その特徴を一言で言えば、「公的保険の適用外となる先進医療費を補填してくれる特約」です。

仮に総医療費が100万円で、そのうち先進医療に掛かった費用が50万円だった場合、先進医療費の50万円は患者が全額自己負担しなければなりません。貯蓄で賄えればいいですが、そうでない場合は治療の選択肢を狭めることにもなりかねません。

そんなとき、あらかじめ先進医療特約付きの医療保険に加入していたら、先進医療費の出費を大幅に軽減できます。そこで今回は、先進医療特約のポイントをまとめてみます。


◆先進医療特約の保証範囲は?

「公的保険がきかない治療になら、どんな治療でも対象になるの?」と誤解されがちですが、そうではありません。先進医療の対象となる医療技術、および実施医療機関は、厚生労働省の以下のページで明確に定められています。

(参考)厚生労働省ホームページ 先進医療の概要について

2014年9月1日現在、対象となる医療技術は58種類、実施医療機関は807※となっています。

※先進医療特約の対象となる【先進医療A】の術式に限る。


◆年間どの程度おこなわれる?

先進医療に指定されている術式のひとつに、重粒子線治療という術式があります。
重粒子線治療は前立腺がんなどに対する放射線治療にとても適していると言われており、通常の手術に比べて患者さんの身体・精神への負担が圧倒的に少なく、5年粗生存率が90%超と優れた治療法であることが確立されているようです。

(参考)重粒子医科学センター病院ホームページ

良いこと付くめのように思えますが、この術式の実績はどの程度あるかというと・・、厚生労働省のデータによれば、2012年7月1日~2013年6月30日の1年間で1,286件とあります。国内で重粒子線治療を実施している医療機関は、2014年9月時点で4箇所です。

そもそも重粒子線治療施設は世界的にも希少であり、また消化管のがんや広く転移したがんなどには適さないとされています。さらに、重粒子線治療にかかる平均技術料が約303万円(全額自己負担)と非常に高額です。そういった事情もあり、国内の実績数は決して多くありません。

その一方、1年間に新たにがんにかかった人は、2010年の推計値で80万人を超えたというデータがあります。上記の重粒子線治療を例に単純計算すれば、1,286/80万=0.16%となります。この例をみれば、先進医療のお世話になるケースはごく稀と言えそうです。


◆医療保険に加入するなら付けておきたいかも

このように先進医療が適用される事例はごくわずかです。保険代理店の弊社に先進医療費のご請求があるのも、年間1件あるかどうかといったところでしょうか。

使わない特約だったら割りきって追加しないか、それとも万一の備えとして加入しておくかの二択になるでしょう。

医療保険の見積もりを取った方ならお分かりかと思いますが、先進医療特約の保険料は月額100円程度と少額です。確率的にはごく僅かとはいえ、先進医療特約に入っていたからこそ重粒子線治療などを受けられて生命が助かったという人もいる訳です。

月額100円程度の上乗せですから、医療保険に加入するなら付けたいオプションだと思います。


◆付けられない場合はどうするか

既に医療保険に加入している方がこの特約を知って後から追加したいと思っても、先進医療特約は基本的に追加できません。これを逆手に取って、医療保険の乗り換えを勧めるセールス手法があるようです。

保険ショップなどで保険の見直しについて相談した際に、
「先進医療費に300万円も掛かる場合があります。レアケースとはいえ、万が一に備えておいてはいかがでしょうか?月額負担はたった100円程度です」
と言われれば、なんとなく乗り換えを検討したほうがいいような気がするのは人情でしょう。

しかし、よく考えていただきたいのは先進医療保険にかぎらず、そもそも医療保険って必要か?ということです。トータルで見たら何百万円もの出費になります。ご自身のご年齢、家族環境、貯蓄などを総合的に考えてみてから加入を検討すべきと思います。

気になった方は、以下のエントリーがお勧めです。

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