「2015年卒 就職人気企業ランキング」から中小企業の採用の難しさを考える


そろそろ2015年度の就職活動が本格化しそうな時期を迎えます。2015年卒 就職人気企業ランキングをみますと、例年どおり上位には大企業がずらりと並びます。

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この手のランキングが出ると、「今の学生は保守的だ」とか「これからはベンチャー企業に目を向けるべきだ」とかネガティブな評価がされがちですが、大企業が人気なのは今も昔も変わりません。その一方、中小企業の採用には優秀な人材が集まらない難しさがあります。

◆中小企業の採用の難しさ

大企業には有名大学をでた人材がたくさん集まってくるので採用担当者はその中から振るいにかけますが、中小企業にはそもそも人材がなかなか集まってきません。

有名な大学を出た人がすべて優秀とは限りませんが、まがりなりにも努力して競争を突破してきた人たちです。基本的な能力は高いはずです。

それに、学費もかなり掛かっています。そんな人が自分の社会人生活を託す就職先選びをいい加減にするわけがありませんから、名の知れた大企業の人気がなおさら高くなります。

◆本気で採用活動しなければ、優秀な人材は採れない

中小企業がそれなりの人材を獲得しようとすれば、新規の顧客開拓をするのと同じぐらい本気で採用活動をしなければなりません。

リクルートなどの企業を使って採用活動するのであれば最低でも100万円以上は掛かりますし、希望者と会って面接する時間も必要です。経験上、これはという人材に会える確率は数%です。採用に至る数は当然もっと低くなります。

それに、中小企業の給料は大企業と比較して安いことが多いです。そんな条件でも納得して来てくれる優秀な人材にめぐり合うのはなかなか大変です。

◆即戦力か新卒か

次に悩ましいのが即戦力の経験者を雇うか、新卒を雇うかです。本来は手間を掛けて新卒を育てて戦力化するのが理想的ですが、数年単位の時間とコスト、労力を必要とします。そこで、多くの企業では即戦力の経験者がもてはやされます。

わたしの会社では去年、2人の営業マンを採用しました。

Aさんは有名大学を出て大企業を渡り歩いた即戦力の営業マン。20年のキャリアがあるベテランで、幹部候補としての採用でした。一方のBさんは第二新卒で、将来性重視の採用でした。

経験者の難しさは、仕事の進め方や思考・行動パターンが長年のキャリアで習性になっていることです。その点、新卒は固定概念が無いぶん素直で柔軟です。

Aさんは顧客への対応、頭の良さなどは非常に優れていましたが、仕事に対する考え方・価値観の相違、業務の進め方の相違がどうしようもありませんでした。

その一方、Bさんには目立ったキャリアもなく優秀ともいい難いものの、持ち前の素直さで他の社員にもお客様にもすぐに溶け込み、非凡な結果を残し始めるようになりました。

そして残念としか言いようがないのですが、会社の価値観と自分のスタイルをあわせられなかったAさんは結局、自ら職を辞されました。

◆同じ価値観を共有できるか

どんなに優秀な社員でも、会社の目指す方向性や価値観とあわない場合は、往々にして幸せな結果になりません。中小企業は社員数が少ない分、一部で関係がぎくしゃくしてしまうと他の社員にも悪い影響を与えがちになってしまいます。

いまの採用市場では、入社後3年以内に約3割が退職するそうです。そうなってしまえばコストと時間の両面でお互いに不幸です。

しかし企業側も、採用される側も、たった数回の面接で、数年~数十年もの雇用を決めなければならないのが今の採用市場でもあります。そう考えると、変化が早い時代だからこそ「3年以内の3割退職」も無理はないように思えます。

斬新な採用を導入して有名な会社といえば、ライフネット生命の「重い課題」が有名です。採用時にものすごく手間のかかる課題をあえて出すことで、企業と採用される側のミスマッチを無くそうとしているのです。

採用の正解はもちろんひとつではないでしょうが、価値観を共有できる人材こそが、会社の最も重要な財産だと思います。

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