医療保険を見直すときに抑えておくべき5つのポイント


いきなりですが、わたしは「100万円程度の貯蓄があれば、基本的に医療保険は不要」と考えています。

理由はいくつかありますが、
・費用対効果を考えると元が取れるかどうか疑問であること
・高額医療費制度により、医療費はそこまで深刻な額にはならないこと
・特約などによっては支払い条件が厳しく、保険会社が定める「所定の状態」になるには
 ハードルが高すぎること
などがあります。

これがどういうことか?を説明するには長くなり過ぎるので、気になる方は過去エントリーの医療保険は今すぐやめて、タンス預金したほうがいい?をご覧ください。

こちらのデータによると、医療保障(医療特約含む)の世帯加入率は92.4%となっています。これはかんぽ生命を除いたデータですから、実際の世帯加入率はもっと高いはずです。データだけ見ると、医療保険と無関係の人はほとんどいないと言えます。

医療保険なんて加入した覚えはないよ、という方でも、実は「医療特約」という形で加入されているケースが案外多いのです。そこで今回は、「医療保険を見直すときに抑えておくべき5つのポイント」をまとめてみます。


(1)そもそも必要か?を考えてみる

医療保険は「入っておいたらなんとなく安心だから」「大した出費じゃないから」という理由で入っている方が多いものです。

たとえば今、40歳の男性がA社の終身医療保険(60歳までの払い込み・入院日額5000円)に入っていて、毎月5000円払っていたとします。同じ条件で、別のB社で見積ってみると、以下のようになりました。

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※1入院60日型

一見、同じ保障内容の保険でも切り替えることによって120万円-78万円=40万円以上の節約になるように思えます。

しかし、別の見方でみたらどうなるでしょうか。

入院給付日額5000円で、30日間の入院をしたときの給付金は15万円です。60日間で30万円。単純計算ですが、B社の総支払い保険料78万円の元をとるには6ヵ月弱の入院が必要です

これ以上の入院をすれば元が取れるという訳です。そして、この保険は被保険者の方だけに有効で、家族の医療保障には一切なりません。

6ヶ月も入院しないだろう、それよりも流動的に使えるほうがよい。と思うのであれば、78万円を貯蓄しておけばいい、という考え方もできるのです。


(2)「短期払い」か「終身払い」か

上であげた例は、「短期払い」という加入の仕方です。60歳までに保険料を全額払い込んでしまうということで、保障は一生涯有効です。それに対して「終身払い」は保障も一生涯だけれども支払いも一生涯という払い方です。

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どちらが良いかは加入者の判断ですが、「終身払い」は契約を続けるかぎり、ずっと支払いが続くことに注意が必要です。


(3)医療特約は避けたほうがいい?

よくありがちなのが、死亡保障性の定期保険に医療特約がついているパターンです。定期保険は一定期間の保障です。たとえば70歳満了の定期保険だったら、70歳で保障はおしまいです。この保険に医療特約をつけている場合、医療保障も70歳で切れてしまいます

一般的に年を重ねるごとに病気などのリスクは高まりますから、高齢になってから意図せずに医療の保障が切れてしまうのは困ります。もし終身の医療保障が欲しいのであれば、特約ではなくて主契約とすることをお勧めします。


(4)「掛け捨て型」か「積み立て型」か

2014年1月現在、販売されているほとんどの医療保険は「掛け捨て型」か、積み立て部分(解約返戻金)があってもごく僅かといったタイプが主流になっています。

しかし数年前までは、解約すると支払った額の8~9割が戻る医療保険が販売されていました。

実はいまでも、少数ですがそのような「積み立て型」の医療保険は販売されています。支払った保険料が100%戻ることをウリにしている医療保険もあります。見た目の安さだけで判断しないことをお勧めします。


(5)サラリーマンか、個人事業主か、法人経営者か

どのような立場で働いているかによっても、医療保険の必要性や使い方は異なります。

◆サラリーマンの場合

会社によっては「傷病手当金制度」を導入している場合があります。

傷病手当金とは、会社員が病気や怪我などで就業できない状態になった場合に支給される給付金のことです。だいたい会社を休んで4日目から1年半までが支給期限で、その間は手取り額の約7割が毎月支給されます。

この制度があれば、勤めている間は収入が止まることは避けることができますから、最悪の事態はまぬがれます。ただし退職後はその限りではありませんから、老後になってからの医療費を貯蓄で賄うのか、それとも医療保険などを使うかがポイントになります。

◆個人事業主の場合

個人事業主の場合、病気やケガなどによって仕事ができなくなると収入に直結します。この対策としてはまずは貯蓄、次に所得保障保険の活用が考えられます。

医療保険の優先度はその次ですが、サラリーマンのように恵まれた会社制度があるわけではありません。検討してみる価値はあると思います。

◆法人経営者の場合

会社を経営していたら、法人契約で医療保険に加入することができます。支払い保険料を経費にできるという点で、サラリーマンや個人事業主とは違った意味合いを持たせることができます。

例えば、契約者を法人、被保険者・受取人を社長として60歳払い済みの終身医療保険に加入した場合です。

この場合、支払う保険料は全額が経費扱いになります。給付金は社長に直接支払われますし(給与扱い)、60歳になり保険料を払い終わった段階で法人から個人に名義を変えれば、保険料は経費扱いで全額会社で支払い、一生涯の医療保険は社長個人で受け取るといった活用法が考えられます。

このような仕組みを使えるのは法人経営者ならではと言えます。

まとめ

冒頭で、「基本的に医療保険は不要だと思う」と書きました。しかし、これは現在の公的社会保険制度が維持されることが前提です。

将来的に健康保険や介護保険がどうなっているかはわかりませんし、高額療養費制度も見直しの方向といわれています。社会保険の深刻な財源不足が指摘されている情勢ですから、今より自助努力が求められるようになるのが確実でしょう。

いま充実した公的制度があるからといって、なんの備えもなしに身を預けるのはリスキーです。基本は貯蓄ですが、それに加えて不安であれば、ご自身の置かれた環境・立場にあった、コストパフォーマンスが高い保険をうまく活用したいものです。

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