委託型募集人の廃止 一般消費者にも計り知れない影響が?


先日書いたこちらのエントリーの続きです。

保険業界激震 委託型募集人が廃止へ

全国に5~6万人いると言われる「委託型募集人」という営業マンの形態が保険業法違反と判断されました。こちらの記事によると2015年3月末までに是正が必要になるそうです。

14年度末までの是正を要求=保険代理店の販売再委託―金融庁

金融庁は10日、保険代理店による販売の再委託の実態を2015年3月末までに保険業界に是正させる方針を固めた。保険会社への監督指針を改正し、禁止を明確化する。保険会社や代理店による教育や指導が行き届かない再委託先の募集人が、販売手数料の高い保険を薦めるなどの不適切な販売を防ぐ。今月15日にも生命保険と損害保険各社に対し、保険業法に基づく報告命令を出し、改善状況を是正後に提出するよう求める。 

◆消費者への影響は?

2015年3月末までに委託型募集人が禁止されるとあります。是正とは具体的には、保険代理店が雇用形態を正社員や派遣などに変更するか、営業マン自身が独立して法人化するか、営業マン自身が諦めて廃業するかなどを指します。

保険契約は保険会社と直接結ぶものですから、加入時の営業マンが変わろうが、辞めようが、保険契約は当然有効です。ですので自分自身が納得して加入した保険だったら大きな問題はないと思われます。契約内容を照会したい、保険金を請求したいなどの場合は、契約者が直接保険会社のコールセンターに問い合わせれば済む話だからです。ところが、そう簡単に割り切れないケースが考えられるのです。

◆委託型募集人が廃業してしまったらどうなるか?

一般的に、保険は保障額や仕組みが消費者からみて難しいことが多いため、「いま加入している保険ってどんなプランだったっけ?」となりやすい商品です。加入時の営業マンや、キチンと引継ぎされた後任の営業マンがいれば、加入当時の資料や現在の状況などを再確認することができますが、ロクに引継ぎもないままに廃業されてしまったらどうでしょう。自分が加入した保険が何のメンテナンスもされないまま放置されてしまうことが起こり得るのです。

積み立て部分(解約返戻金)があるタイプなどでは、ピークのタイミングから数年間で急激に積立額が目減りしてしまう商品もあります。こういった商品に加入している場合などでは特にメンテナンスや適切な出口戦略が不可欠ですが、何もしなければそもそも何のために保険に入ったのか、という結果を招きかねません。

先日当社に保険見直しに来られた方のケースでは、義理で保険に加入したまではよかったけれども、数ヵ月後その営業マンに辞められてしまい大変困っているという話しを伺いました。このケースは分析の結果、いま加入しているものより有利な保険があることが判明したので躊躇なく切り替えられたのですが、客観的に分析してみたところ効果の高い保険であり切り替えは不要と分かる場合もあるでしょう。このようなときの対応としては、代理店制度を導入している保険会社の商品であれば、「代理店変更」という手続きを取ることができる場合があります。

◆あなたが加入している保険は大丈夫ですか?

本来であれば「不適切な販売を防ぐこと」が目的の委託型募集人の廃止です。しかしこのことが何千人、何万人といった規模の営業マンの退場を生み出すことになれば、どうなるでしょう。その人たちがこれまで管理していた何十万といった膨大な数の契約を誰がどうメンテナンスするのか?という問題が発生しかねないのです。ほとんどの保険会社も、対顧客、対代理店それぞれ大幅な管理体制強化を求められそうです。

適切なときに保険をうまく活用するためにも、この機会に見直しを兼ねて信頼できそうな代理店、営業マンに相談してみることも、自衛のひとつと言えるかもしれません。

カテゴリー: 個人保険, 法人保険, 生命保険, 生命保険募集人 パーマリンク

2 Responses to 委託型募集人の廃止 一般消費者にも計り知れない影響が?

  1. 名無しですが のコメント:

    業界人です。適正な募集をするために社員化とはまったくおろそかな判断でしょう。記載記事のように社員化に伴い会社の負担は莫大なものになる一方、募集人は基本給が設定されそれに伴う今まで以上のノルマが化せられるのは明らか。結果自身のノルマ達成のための無理な契約の発生や廃業などによって保有契約の保全不備などで消費者にとってはまったく無意味な結果になると予想。しいて言えば個人事業主だった募集人がサラリーマンとなり、給与からの源泉徴収と社会保険料徴収、見た目の就業率が大幅に上がることぐらいしかメリットはない。

  2. 名無しのコメントを拝見して のコメント:

    今の形態で何年も何年も消費者に不利益な契約が莫大なことは解決されていない。
    おまけにきっかけになった大型代理店のやり方は、それをますます助長させるものであることは明白

    真面目にやれる法人代理店だけが生き残ればよい話。
    そもそも本当の個人がやっていけるほどのキャパだと収入が足りない
    収入を上げようと思えばキャパを超えた顧客管理が必要
    と、個人代理店なんて言うほどお客様に真摯に対応していないのが現実。

    今回の金融庁の判断はあながち間違いではない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です