25年度「生活保障に関する調査」 将来に対する不安傾向が明らかに


いよいよ10月1日(火)が近づきつつあります。この日が何の日かといえば、安部総理が消費税率の5%から8%への引き上げを表明する予定の日です。

そもそも消費税率の引き上げ議論は、「税・社会保障一体改革」の一部としてスタートされたものです。「消費税の増税分は、社会保障分野に使う」とされたために、老後と健康のためなら仕方ないかとして増税を受け入れた納税者は数多いのではないかと思います。

社会保険体系

社会保障制度(年金・医療・介護)を維持するために、増税とともに医療費の削減と、現役世代・将来世代への投資を進めるべきだと以下のエントリーで書きました。

国民保険料は、全国民均等に3割負担でいいと思う

意見はいろいろあれど、将来に希望がもてる持続可能な社会保険制度への転換は必要です。消費税引き上げによる景気への悪影響が懸念されていますが、その代わりに年金・医療・介護などの将来不安がなくなるのであれば、個人的には増税もやむなしと思います。

◆国民の意識はどうか?

生命保険文化センターという機関が、平成25年度版の「生活保障に関する調査」を公開しました。18歳~69歳までを対象に、全国で無作為に調査した結果となっています。これを見ると、人々の生活保障意識がどのようになっているかが分かります。以下、抜粋します。

Ⅰ.依然として高い生活保障に対する不安意識
 ①医療と介護に対する不安の割合が9割台に
  (死亡に対する不安の割合は7割弱)
 ②公的保障に対する不安など経済的不安が高割合

Ⅱ.老後保障と介護保障の「充足感なし」は7割台
 ①自助努力による準備割合は増加傾向
 ②生活保障準備に対して「充足感なし」は老後保障と介護保障で7割台

Ⅲ.依然として高い自助努力意識と追加準備意向
 ①「生活を切りつめても私的準備必要」が約7割と高割合
 ②生活保障に対して「準備意向あり」がすべての保障領域で増加傾向

Ⅳ.老後生活に対する意識と入院費用の実態
 ①ゆとりある老後生活費は1ヵ月あたり35.4万円
 ②直近の入院時の1日あたりの家計負担費用は28,000円

この調査結果を全体的にみると、いまの日本人の多くは自分が死ぬリスク(死亡リスク)よりも、無事に生き長らえたときの経済的なリスク(生存リスク)のほうが大きいと考えていると言えそうです。

◆だから生命保険に入る、はマチガイ

例えば、個人で加入する民間の医療保険を挙げてみます。40歳の男性が、入院したら5000円の給付金が受け取れる医療保険に加入するとしましょう。60歳までに払い終わるような形で契約するとして、トータルでいくら払うことになるでしょうか?いま販売されている医療保険だと、最安値のもので45万円程度、高いものだと100万円を超えるのです。

仮に、トータルで50万円払い込む医療保険に加入した場合を考えます。分かりやすく入院給付金だけで、この保険のモトを取ろうと思ったら、何日入院する必要があるでしょうか。単純計算ですが、50万円÷5000円=100日以上入院する必要があります。だったら、タンス預金しておけば医療費以外にも使えるし、より柔軟な使い道が考えられそうです。

将来に対する年金不安に対応する商品として、年金保険というのがあります。商品によっていろいろなバリエーションがあるのですが、金利が高い時代の年金保険というのは、消費者にとても有利な商品がありました。民間の年金保険に入っていれば、支払った額の2倍、3倍が戻ってくるような商品があったのです。

でも、今はそんな戻りが保証されている商品はありません。せいぜい元本に数%から、どんなに良くても10~20%程度の利息がついて戻ってくるだけです。通常は短期間で解約すると、元本割れします。もちろん、そういった商品であることに納得されて加入される分には問題ない場合もあると思います。ただ、「そのリスクは本当に生命保険でカバーするべきか?」という点は必ず検討して、納得のうえで加入するべきと思います。

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