国民保険料は、全国民均等に3割負担でいいと思う



◆高額療養費制度が見直しになる?

日本の社会保険には「高額療養費制度」というのがあります。3歳~70歳までの方だったら医療費の自己負担は3割が原則ですが、高額の医療費については国が保障してくれるという制度が「高額療養費制度」です。

例えば、1ヶ月に100万円もの医療費が掛かったとします。3割負担だと30万円が自己負担になるかと思いきや、「高額療養費制度」を使うことにより、負担の上限は87,430円で済みます(注:標準報酬月額が53万円未満の方の場合)。こういった国の制度が充実しているので、私は個人で民間の医療保険に加入することはあまりお勧めしていません。経済的なメリットがあまり感じられないからです。

ところが、現行の「高額療養費制度」が見直しの方向にあることが明らかになりました。

9月9日開かれた厚生労働省・第57回社会保障審議会医療保険部会で、現行の「高額療養費制度」を見直す方向でその具体的な検討作業に入ることが明らかにされた。現在、所得額によって3分化されてそれぞれの負担額が定められているものを、その区分を細分化し、所得の高い層ではその負担上限を高めることで制度全体の支出額の抑制を図ることを目的としている。2014年度以降の実施を目指し、今後その具体策を詰めていく運びである。

2013/9/16(月)新日本保険新聞より抜粋


この記事によると、2001年に8,312億円であった高額療養費の支出額は、2010年には1兆9,789億円と約2.4倍にも膨れ上がったそうです。このままだと制度の維持に支障をきたすので、見直しを図るのがねらいだとか。

こういう話題になると、「また負担増か」「しわ寄せはいつも庶民に」「弱者いじめだ」というような意見が出ますが、私の意見は少々異なります。そもそも国民健康保険料を全国民一律で3割負担にすればいいと思います。

◆あなたはいくら国保に払っているか、即答できますか?

とその前に、国民健康保険料って、いったい幾らぐらい払っているものなのか?を整理してみます。普通のサラリーマンだと自動天引きですし、会社経営者や個人事業主でも自分が国保にいくら払ってるか、あまり把握していないのが普通だと思います。実際にどの程度払っているのでしょうか?神奈川県茅ヶ崎市のホームページによると、このようになります。

モデル世帯

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この例だと、世帯合計の額面年収が500万円くらいです。この場合の国民健康保険料は、34,360円/月額になります。年額になおすと40万円超。厳密には住んでいる地域や年収などにより異なりますが、だいたい前年度年収の1割ぐらいを国民健康保険料として徴収されるものと考えてよさそうです。そんなに払っているの?!というのが一般的な感想じゃないかと思います。その一方で、日本の国民健康保険制度は財政上、崩壊の危機にあるといいます。額面所得の1割も払っているのに破綻寸前とは、なんとも不思議じゃないですか?

なぜそうなっているかと言えば、 老人医療に金を掛けすぎなんじゃないかと思います。厚生労働省が2012年にまとめたこちらの資料によると、国全体で掛かっている医療費の総額は38.4兆円ですが、何とそのうちの17.4兆円(45%)は70歳以上の方に使われているのです

実に徴収された国民健康保険料の半分近くは、70才以上の方の医療費に使われています。良い悪いではなく、老いればどこかしら身体にガタが来ますから医療費がかさむのは当たり前です。そして、権利を行使するのであれば、義務を負うのも当たり前だと思います。トータルの収支があわないのであれば、使う人にも相応の負担をしていただくのが筋じゃないでしょうか?だとすれば、全国民均等に3割負担とするのがいちばん公平なのではないかと。(もちろん保険料が払えない方のためのセーフティネットや経過措置は必要だとは思います)

国保の財政を立て直すのであれば、まずは保険料を負担していない人から正確に徴収すること、それに利用する頻度が多い人からの徴収を増やすことが必要なのではないかと思います。

◆増やすべきところは増やす、減らすべきところは減らす

もっと言えば、老人保障を減らす一方で、将来につながるところで負担軽減をするべきだと思います。一例を挙げてみます。

・配偶者控除の増額
・出産費用補助の充実化、あわせて産科と小児科の診療報酬を大幅アップ
・扶養手当の増額
・奨学金制度の充実化(将来の納税により返済可能な無利子融資の新設。実質、返済義務なしとする)

一言で言えば、老人福祉よりも現役世帯の育児と学費を、国を挙げて支援するべきだと思います。理由は簡単で、小子化対策につながるし、将来的に回収できる投資になるからです。

その結果、独身者や後期高齢者には今より少しつらい制度になるかもしれませんが、それは仕方のないこととして社会が容認するべきだと思います。小手先だけの増税や社会保険料のアップでどうにもならない状況なのであれば、現役世代や将来世代へプラスに働くような施策もセットで考えるべき課題ではないでしょうか。

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