日本郵政とアフラックが提携強化 全国2万の郵便局でがん保険発売へ


やや旧聞に属しますが、2013年7月26日、日本郵政とアフラックの提携強化が報じられました。

日本郵政・アフラック提携強化-がん保険で巨大販売網、“民業圧迫”業界警戒

業務提携を強化する日本郵政と米保険大手のアメリカンファミリー生命保険―。日本郵政はアフラックのがん保険を販売する郵便局数を1000から2万に拡大し、アフラックは日本郵政向けがん保険を開発する。両社の企業価値を向上できる「ウィン・ウィンの関係」(チャールズ・レイクアフラック日本代表)と強調するが、巨大な郵便局ネットワークを一民間企業が活用することに「やりすぎだ」(同業他社)との声もあがる。


かんぽ生命のラインナップにがん保険がないこと、それにTPP参加が生命保険業界にどのような影響を及ぼすかについて、以下のエントリーに書きました。

「かんぽ新商品認可見送り」に見る、TPP参加が失敗するかもと思う理由

がん保険は、日本がTPP交渉に参加する前段階の条件として、アメリカから「かんぽ生命」には売らせるなという要求が入っていました。これに応じて、麻生財務大臣は2013年4月、「かんぽ生命にはがん保険などの新商品は数年間認可しない」との方針を示しました。

この事態に困ったのは日本郵政でしょうが、このたび日本市場への参入を強化したいアメリカと手を組み、新たにがん保険の販売体制を作ることに成功しました。今後はアフラックとかんぽ生命が連合となって、新たながん保険を共同開発する方向のようです。

表面的には「かんぽ生命のがん保険認可見送り」を受けての提携ですが、額面どおり受け取るひとはいないでしょう。何らかの政治的な思惑を感じざるを得ません。実質的な国営企業のかんぽ生命が、アメリカの民間企業と手を組んで日本の民間保険会社とライバル関係になったわけですから、民業圧迫という意見も一理あるように思えます。

「ゆりかごから墓場まで」で有名なイギリスの国民皆保険制度は、財政難と民間医療保険の普及により空洞化しているそうです。イギリスでは、「国民健康保険制度で診療を受けようとすると医者の予約は2、3ヵ月後になり、手術が必要となってもその半年後まで順番待ち」だそうです。こちらのサイトの記事では、民間医療保険の自由化がどのように健康保険制度の空洞化に繋がるかについて詳しくレポートし、警鐘を鳴らしています。

わたしは中立の立場で複数の保険を販売する者ですから、「ユニークな新商品が売られるようになる」「変なバイアスなく、たくさんの選択肢の中から消費者有利な保険が選ばれるようになる」のであれば、自由競争自体は良いことだと考えます。ですが、行き過ぎた自由競争が日本の健康保険制度をあやうくするということであれば、それは別の問題として危機感を感じます。今後のTPP交渉の行方に注目したいと思います。

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