子どもや孫の学費が無税で贈与できる、教育費1500万円控除枠が新設に


少し前の話ですが、今年4月から教育費についての税金の掛かり方が変わりました。

具体的には、祖父母(親)から孫(子)へ、教育資金を一括贈与した場合、目的を学校・塾・予備校・海外留学の費用など、教育目的に限定するのであれば、1500万円までは非課税となりました。

以下、分かりやすくまとめてみます。

◆祖父母・親からの贈与が1500万円まで非課税に

この制度、正式には「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」という名称の措置です。30歳未満の子ども・孫に、直系尊属(祖父母、親、義理の親)から教育目的の資金を贈与する場合、受け取る人1人につき、1500万円まで贈与税が掛からないという制度です。

ポイントは、以下4点です。

・有効期間は、平成25年4月1日から平成27年12月31日まで。

・受け取る人の年齢は、30歳未満限定。

・30歳を超えて、贈与されたお金を使い切らなければ、残った部分には贈与税が課税される。

・教育の範疇に入らないものに支払った場合、その費用は贈与税の対象になる。

◆教育資金の範囲は?

この特例措置ですが、かなり広い範囲に使えます。

【どんな学校が範囲になるか】
・幼稚園
・小中学校
・大学、大学院
・専門学校
・保育所
・海外の学校
・国内のインターナショナルスクール
・障害児通所支援(児童発達支援・放課後等デイサービス)事業
・職業能力開発学校

などです。上記の学校であれば、制度上の上限である1500万円まで非課税です。
海外の学校とありますから、海外留学に掛かる教育費も基本的にOKということですね。

【学校以外でも使える】
・学習塾、家庭教師、そろばん塾などの「学習」
・スイミングスクール、野球チームでの指導などの「スポーツ」
・ピアノの個人指導、絵画教室、バレエ教室などの「文化芸術活動」
・習字、茶道などの「教育の向上のための活動」

これらの4分野が対象になります。500万円までが非課税となります。

◆具体的な手続き方法と注意点

贈与を受けた場合、2ヶ月以内に以下の2点を行なう必要があります。

金融機関に・・・教育資金口座の開設と預入
税務署に・・・・教育資金非課税申告書の提出

教育資金口座から、教育費を支払うときには、領収書が必ず必要となります。
詳細な流れは、こちらのサイトに詳しく開設されています。

注意が必要なのが、この契約を取り交わしたあとは、
「贈与の権利を他の人に変更すること」「解約すること」「権利を譲渡すること、担保に入れること」
などが出来なくなるということ。

つまり流動性がほぼ無くなるということですので、学資目的の金融商品を買うようなイメージでは使えない、ということになります。
それじゃ意味ない?いえいえ、そんなことはありません。むしろ、「三~四世代で子ども、孫を育てる」という観点に立てば、非常に使える制度だと思えます。

◆若年者層への資金移動には、相当効果があるのでは?

今の世の中、金融資産の分布はどうなっているのでしょうか。
気になったので少しデータを調べてみますと、

WS000059




こちらの金融庁ホームページから引用させて頂きました。

なんと、60代以上が日本人の家計金融資産の60.7%を持っているのです。
50代以上にしますと、驚きの81.1%もの割合になります。このデータは平成21年のデータですので、もしかすると実態は、更に上の数値かもしれません。

このようなデータを参照すると、若い世代ほどつい悲観的になりがちですが、果たしてそうでしょうか。
子どもの高等教育や、これからの孫の成長を楽しみにする祖父母、親からすれば、絶好の機会のような気がしますし、次の世代に資金が移るには、このような制度がとても有効だと思います。

事実として某信託銀行では、この制度が始まった4月1日の1日だけで約600件もの問い合わせがあったそうです。このように「どうせ税金で徴収されるくらいなら、その分を無税で次の世代の教育資金に投じる手もある」と前向きに考える方は案外多いと思います。それに非課税で資金移転できるのですから、贈与者としても相続対策としての効果があります。

まとまった資金がないと出来ない手続きではありますが、直系尊属のなかで家族会議されてみるのもいいのではないでしょうか。子育て世帯が自力でコツコツと資金を積み立てることもモチロン必要でしょうが、せっかくできた制度ですから使わない手はないと思います。払うほうの中高齢層からしても、ヘタな相続税対策を打つよりよっぽど有意義な使い方だと喜んでくれるかもしれません。数少ない税負担軽減措置ですので、有効に利用したいところです。

ご参考になれば幸いです。

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