海外に移住したら国民年金ってどうなるの?


最近、身の回りで海外移住する友人が増えています。
海外就職への挑戦、国際結婚など理由はさまざまですが、「日本はこのままじゃ危ない!いっそのこと飛び出して海外に住みたい!」という願望は、若者だけではなくてセミリタイア生活が視野に入った方にも多くあるように思えます。

事実、大型書店などに行くと海外移住に関する本が山のように積んであります。健康なうちにセミリタイアして海外に移住、年金で悠々自適生活。ゴルフ三昧、観光三昧・・・、幸せなセカンドライフ。素晴らしいことですね。

さて、いざ海外移住となったときに気になるのは、やはりお金のこと。
日本で払った国民年金はどうなってしまうの?ということです。来年アメリカに移住する予定の友人から質問されたので、少し調べてみました。

ご存じのとおり国民年金は原則的に強制加入ですが、加入義務があるのは「日本に住所がある20歳から60歳までの人」です。ですので、日本人でも海外へ転居届けを提出して海外で暮らせば、原則として国民年金に加入しなくてもよいことになります。

しかし、それでは何のためにこれまで年金保険料を払ってきたのか?と思う方もいるでしょう。いまは永住するつもりだけど、将来的に帰国する可能性もゼロとは言い切れない(熟年離婚とか増えてますしね・・)という場合もあり得ます。そのため、海外で暮らしていても、日本国籍のある20歳から60歳までの人は、国民年金に任意で加入することができます。

任意加入の手続きや保険料の納付は日本の家族を通じてもできますし、日本年金機構を通じて行なうこともできます。将来の年金の受け取りは、自分が最後に住んでいた日本の住所地のある市区町村で請求を行なうことになります。代理人が請求することも可能です。
支給された年金は日本の金融機関でも、海外の金融機関でも受け取ることが出来ます。

では任意加入しなかったらどうなるのか?
その前に、年金受給についておさらいをしておきましょう。

日本の年金制度は、年齢の要件のほか、年金をもらうために最低限必要な加入期間が決められています。この必要な期間のことを「受給資格期間」といい、原則「25年」と決められています(生年月日などによって特例有り)。つまり、最低でも25年の加入期間がないと、老後の年金は1円ももらえません。支払った保険料はムダになってしまいます。

海外で暮らした期間はどうなるかというと「カラ期間」と呼ばれ、老齢基礎年金の額には反映されませんが(保険料を納付してないから)、年金の受給資格期間にはカウントされます。ですので、海外移住以前に国民年金に加入した期間とカラ期間をあわせて25年以上になれば、納めた保険料に相当する老齢年金を受け取ることができます。

ただし、保険料を納付しない期間が多くなればなるほど、受給額は減ります。これは当然ですね。ただ個人的な意見を言うならば、日本の年金財政が破たんしそうな今、若い世代は将来年金など貰えるかどうかも分かりませんから、海外移住によって年金の加入義務がなくなるのはある意味羨ましくもあります。自分が幾ら年金が貰えそうなのか?に関しては、日本年金機構が簡易計算サイトを提供しています。ご興味がある方はコチラ。

ちなみに年金の支給開始は原則65歳からとなっていますが、繰り上げ・繰り下げという制度もあります。本人の希望によって60歳から支給されるのが「繰り上げ」。早くもらえる分、支給額は減額されます。反対に70歳まで待つのが支給額が増える「繰り下げ」。国民年金(自営の方など)で今の制度だと、ひとりあたりの支給額は65歳支給開始で年間約79万円。60歳支給開始だと年間約55万円、70歳支給開始だと年間112万円となります。厚生労働省のアンケート調査では早く受給したい人が9割、遅らせたい人は1割だそうです。
どうでもいいですが、私の父も今年60歳になりましたが、「いつ死ぬかわからん!」・・ということで、早速に年金貰いはじめました。

年金は職歴、パートナーの有無、支払履歴など個人差が多いので一概には言えませんが、既に年金を受給しているか受給開始目前でなければ、老後を過ごす予定の国の年金制度を主体に考えるべきでしょう。なぜなら、実際に年金を受け取るようになる数十年後の日本の年金財政は、少子高齢化の進行により悪化している可能性が高いと思われますし、将来の国際情勢などがどうなっているか誰にも分からないからです。海外に一生住むことになって日本の年金しか持っていない、しかも日本経済が破綻して1ユーロ=500円、1ドル=400円になったら実質的な年金額は1/5に目減りしてしまいます。

また、調べたところによると日本の年金の受給資格期間「25年」というのは異常に長いそうです・・・。住む予定の国の年金制度がどうなっているのか?入念にチェックして失敗のないようにしたいものですね!

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