「エビデンスに基づいた比較」という考え方


医療の世界では、エビデンスベースト‐メディスンという言葉が盛んに使われているといいます。辞書を引けば、「エビデンス」とは、「明白に見えるもの」とか「証拠」などと出てきますが、この言葉の意味は、以下のとおりです。

「エビデンスベースト‐メディスン」

《「科学的根拠に基づく医療」の意》医師の個人的な経験や慣習などに依存した治療法を排除し、科学的に検証された最新の研究成果に基づいて医療を実践すること。

コトバンクより引用させて頂きました。

根拠・データの無い治療ではなく、”Evidence”すなわち”証拠”に基いて治療しよう、という考え方です。実はこの考え方、金融サービスを検討するときにも使えるという例をご紹介します。

◆事例:住宅ローンを検討する場合

住宅ローンの乗り換えなどを検討する場面を想定してみます。何をするでしょうか?

・比較サイトで情報チェック
・銀行などで行なわれている説明会に参加
・住宅ローン相談に強いFPに相談

「家を買うこと」は人生で最大級のお買い物ですから、取得資金を調達するうえで、これらの手段を使って住宅ローンを綿密に検討するのが当たり前と思います。然しながら、このような際に「費用対効果を定量的に分析してみる」ということは、やっているようでやってない方が案外いるのではと思います。
以下、具体的に見てみます。住宅ローンの金利については現在、史上最低水準と言われています。

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この表はこちらのサイトからからお借りしました。

2013/4/19現在、こちらの比較サイトで見ますと、固定型の住宅ローンで1位となっているのは住信SBIネット銀行さんで、30年固定の住宅ローン金利は2.0%(小数第2位以下切り捨て)。2位が新生銀行さんで、2.6%です。

以下の条件で融資を受けるものとしてみます。

・借入金 :3,000万円
・借入期間:30年
・金利種別:固定金利
・返済方法:元利均等返済
・ボーナス払い:なし

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この借入を行なった時の、金利の差による返済額のちがいですが、融資を受けたときの金利が2%の場合と2.1%の場合で、わずか0.1%しか違いませんが、トータルの支払額は約54万円違ってきます。2位の新生銀行さんで融資を受けるとします。こちらの2.6%という金利も歴史的にみると相当よい条件だと思いますが、1位の住信SBIネット銀行さんの破格とも言える2.0%と比較してしまうとトータルコストは約331万円高くなります。もし3.0%となれば、その差は約561万円もの違いになります。

単純比較以外にも、手数料や優遇金利を受けられるかなどによって、トータルコストが変わってくると思いますが、そういった要素も含め比較してみると驚きの結果になるかもしれません。あと、これから住宅ローンの新規借り入れや乗り換えを検討する際には、「変動金利」ではなく必ず「固定金利」を選ぶことがポイントだと思います。現在、歴史的にみて金利は最低水準ですし、住宅ローンで個人が返済に窮乏する理由の第1位は変動金利で借りていて、借りたあとで大幅に金利が上昇することですから。

◆事例:生命保険を検討する場合

わたしの本業は生命保険屋ですが、「消費者にとって有利な商品しか売らない」をモットーにしています。生命保険というのは面白いことに、(1)まったく同じ保障内容でも会社によって全然価格が違うということもあれば、(2)一見同じようにみえる保障内容でも種別がちがえば全然価格が違うということもあります。

こちらも事例をあげてみたいと思います。以下、40歳の男性が生命保険に加入するものとします。

(1)まったく同じ保障内容でも、会社によって全然価格が違う例

・保険種類:収入保障保険
・保障内容:月20万円×60歳まで
(初年度保障額4,800万円)

収入保障保険とは、定期保険の1種です。「60歳までの期間限定の保険」で、「その間に万が一亡くなったら、毎月20万円が遺族に支払われる」商品とお考えください。

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この表に書かれた3つの保険、保障内容は「月20万円×60歳まで」で、すべて同じです。加入できる身体に一定の制限があるかどうかという点(「リスク細分」と呼ばれます)や、最低保証額がいくらに設定されているかという点で、各社の商品設計に若干ちがいはあるものの、費用対効果をトータルでみると、会社によって実に150万円以上もの開きがあるのです。

(2)同じような保障内容でも、種別がちがえば全然価格が違う例

次にこちら。「40歳の男性に掛ける保険」という点は同じですが、保険種別を変えてあります。

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この3つ、保険金額は5,000万円程度とほぼ同じです。1番上は終身保険といいますが、一生涯有効な保障です。2番目は60歳までに亡くなったら5,000万円が払われる定期保険。3番目は(1)でも取り上げた収入保障保険です。このように保険種別が異なるとコストがどれくらい違うかといえば、実は20倍以上違ってきます

保険金額はほぼ同じですが、保険の種別が違うと、保険料はこれほどまでに違ってきます。これらはどちらが良い悪いということではなく、お客様の予算や家族構成、用途などによって向き不向きがあるということです。例えば「子どもが大きくなるまでの期間限定で保障が欲しい」という方でしたら一定期間だけの保険でいいですし、「相続税の納税資金対策として生命保険を検討したい」という方だったら、死ぬときに必ず保険金がでる終身保険を選ばなければいけません。このように、ひとによって活用すべきプランは異なるのですが、そういったプランを検討する際にも、このように、エビデンスに基づいて比較できれば便利だと思います。

◆エビデンスがあると選びやすい

品ぞろえなり、ランキングなりをきちんと確認したうえで、各商品のメリット・デメリット、それに定量的な効果まで把握出来たら、選ぶ側としても判断しやすいですよね。もちろん「預ける相手を信じられるか」ということが一番大切なことになろうかとは思いますが、
大切なお金を預ける訳ですから、費用対効果が他と比較してどうかを確認しておいて、損はないと思います。

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