保険会社も営利企業

厚生労働省が毎年発表している『生命表』

突然ですが、わたしは大のプロ野球ファンで、例年5月ごろに始まるセ・リーグとパ・リーグの「交流戦」を毎年本当に楽しみにしています。初夏のさわやかな天候のなか、スタジアムで観戦するプロ野球は、いつ行っても最高に気持ちよいものです。

さてこの「交流戦」、正式名称は『日本生命 セ・パ交流戦』と言います。ご存知のとおり、民間生命保険会社のなかで「かんぽ生命」に次ぐ大手企業が「日本生命」です。その日本生命がプロ野球 セ・パ交流戦の特別協賛スポンサーとなっています。なぜ生命保険会社が、プロ野球の試合のスポンサーになっているのでしょうか。

もうひとつ、考えてみていただきたいことがあります。それは「なぜ生命保険会社は駅前などの一等地に自社ビルを構えることができるのか?」ということです。

生命保険会社が、スポーツイベントのスポンサーをしたり、駅前の一等地に自社ビルを構えたりすることができるのはなぜでしょうか。

厚生労働省が毎年発表している『生命表』の中に、その答えが隠されているように思えます。

生命表とは、「各年齢の者が1年以内に死亡する確率や平均してあと何年生きられるかという期待値などを死亡率や平均余命などの指標(生命関数)によって表したもの」で、厚生労働省のホームページなどでも紹介されています。

2012年5月末に発表されたデータによると、今0歳の男児10万人が60歳になった時の生存者数は、9万1308人です。9割以上の人は、無事還暦を迎えられることになります。さらに、6割近い5万8902人もの人々は、80歳になっても生存していることになります。医療技術の進歩などから、日本人の平均寿命は毎年伸びている傾向にあることは明らかです。

▼「厚生労働省 生命表」
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http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/21th/index.html

つまり、不幸にも「何らかのリスク」に遭遇して命を落としてしまう人は、普段私たちが想像している以上に少ないということです。確率的には決して高いとはいえないリスクに備えて、私たちは「人生で住宅の次に高い買い物」と言われる生命保険に入っているわけです。

あらゆる保険商品は、保険会社にとって利益が出る設計である

もっとも、法人の社長や世帯主などのキーマンでしたら、いくら可能性はわずかといえども万一のことがあった際には会社もしくは家計がたいへんな危機を迎えるわけですから、生命保険とまったく無縁の人生を送れる方は、むしろ少数派かと思います。

ここまで書いたらもうおわかりになられたかもしれませんが、あらゆる保険商品は、保険会社にとって利益が出るように設計されています。

一部の保険会社を除き、保険会社は保険料に占める経費率を公表していませんが、だいたい20%〜40%ほどといわれています。商品によっては50%以上もの経費率になっている場合も実はあります。

想像して欲しいのですが、もし銀行の預金に掛かる引き出し手数料が50%だったとしたら、あなたはお金を預けますか? 普通預金と生命保険を単純比較することはできないと思いますが、保険会社の経費率はかなり高いと言わざるをえません。

また保険商品の中には、貯蓄性がある商品が存在します。でも、一般的にこれらの商品は保険会社の中ではあまり積極的に販売されていない場合が多くあります。貯蓄性がある商品は、保険会社の中での手数料が低く設定されていたり、成績にあまり高くカウントされない場合が多いのです。

わかりやすいところでは、学資保険という保険があります。お子様の将来の学資資金を貯めるために、元本割れしない学資保険を検討された方もいらっしゃると思います。この商品に年間10万円の保険料を払うとします。保険代理店に勤務する募集人がこの保険の新規契約をお預かりしたとして、募集人の手元に入ってくる手数料はわずか数百円程度です。

結局、「いつか必ず返すお金」を預かる契約は、保険会社にとって利益率が高いとはいえない商品です。

逆に、「今から10年の間に万が一のことがあった時に5000万円を支払う」というような保険は、もしそういう事態にならなければ保険会社はまるまる収益になります。そして死亡保障性の商品でしたら、前述のとおり「万が一の場合」というのはめったに起きないのです。データ上、男性であれば90%以上の方が60歳まで生きるのですから。

保険という仕組みは元来、「相互扶助」つまり「助け合い」で成り立っています。「自分の払い込んだ保険料が他の多くの人を助けるために使われ、自分が助けられるときには、他の人が払い込んだものが使われる」ということです。生命保険が最悪の事態に備えるためのすばらしい仕組みであることは確かなのですが、保険会社は営利企業です。営利企業である限りは、利益を生みださなくてはいけません。

生命保険は大変高額な買い物です。このような販売の現状がある、ということを理解されたうえで、本当に必要なものだけ加入を検討されることをオススメします。

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