保険は欲張るほどに損をする!

シンプルに考えると、生命保険の保障には4つの機能しか存在しません。

① 死亡保障=万が一のための保障
② 医療保障=入院等のための保障
③ 生存保障=長生きのための保障
④ 介護保障=要介護のための保障

では、これらの機能を持つ代表的な日本の保険商品について、ごく簡単に解説します。

①は言わずもがなですが、家計を担うご主人などに万一のことがあったときに、死亡保険金が払われる商品です。「期間限定」で遺族保障を買う定期保険(一般的に掛け捨て)タイプや、「一生涯」の遺族補償を買う終身保険(一般的に貯蓄性あり)タイプなどがあります。生命保険の原点ともいうべき機能をもっています。ちなみに、「貯蓄性あり」という商品は、「解約したら一定額の戻し金がある(解約返戻金といいます)」「満期金がある」というようなものを指します。

②は病気やけがなどで入院・手術をしたときに保険金がおりる商品です。「ネコとアヒルでおなじみのアフラックが主力としている商品」というと身近に感じられるかも知れません。日本の医療保険制度は、保険証を出せば医療費の一部を負担するだけで医療を受けることができる「国民皆保険制度」ですが、これを補完する機能を持ちます。医療保険、がん保険、三大疾病保障保険などがあります。さらに、掛け捨てタイプのもの、貯蓄性があるもの、定期のもの、終身のものなど、さまざまなバリエーションがあります。

③は将来的な年金資金など、まとまった資金があらかじめ必要なことが想定できる事態に備えて、所定のタイミングで年金や満期金がおりる商品です。個人年金保険などが代表的です。病気やけが、死亡といった突発的な出来事とは関係ないため掛け捨てでは意味がありませんから、貯蓄性があるタイプがほとんどです。

④は保険会社が規定する要介護状態になった場合に、一時金が支払われたり介護年金が支払われる商品です。日本には公的な介護保険制度があり、40歳以上は全国民が対象となりますが、これを補完する機能を持ちます。

このように分類して個別に考えると、それぞれの機能はまったく別の目的のための保障であることがよくわかると思います。

では、この4つの機能がわざわざセットになった商品をあえて買う必要がはたしてあるでしょうか。

「もちろん、4つの機能が全て含まれていて、全て終身有効で、貯蓄性もある保険がいい」と思われるかもしれませんが、そんな保険がもし実在するとしたら、保険料は月額で数十万円以上になると思われます。そもそも、それだけの保険料を払う経済力がある人なら、家族のために①の機能だけ備えた保険があれば、②〜④の保障は貯蓄で賄うことができる(あるいは、貯蓄で賄うほうが有利)と思われますから、そんなに高額な保険は不要でしょう。

ところが、いざ保険選びのシーンとなると、やはり人間ですから、漠然とした不安から「あれもこれも」と欲張ってしまいがちなのです。

実際に、①〜④すべての機能を有しているように見える保険商品は存在しています。ただし、注意しなければいけないのは、そういう幅広い保障を備えた保険では「主契約は①だけで②〜④は特約」という商品が一般的であるということです。

この場合、①を解約してしまう(あるいは銀行口座の残高不足等により契約が失効してしまったりする)と、②〜④の機能も無くなってしまいます。一般的に年を重ねるごとに人間はからだにガタがきます。ライフサイクルは皮肉なもので、年を重ねて子どもから手が離れ、保険料を支払ってまで突発的な事故などに対する①の保障を買う必要が少なくなるのと反対に、②〜④の保障については重要度が上がります。若いときから4 つの機能がセットになった生命保険に加入したことが、後年、かえってあだになってしまうことも考えられるのです。

保険という商品は目に見えないうえに、「なんとなくの安心感」を求めたり、「付き合い」や「義理」で加入するケースが非常に多いのが現実です。そのため、論理的に判断すれば不必要なものに毎年何十万円もの支払いをしている例が、本当にごく身近にある商品でもあるのです。

今、あなたや家族が入っている保険が本当に必要なのか、それとも単に無駄に毎年おカネを捨てているだけなのか、もう一度胸に手を当てて、論理的に考えてみてください。
 

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