保障の内容を理解していますか?

【資料01】の表をご覧下さい。これは国内大手生命保険会社の主力商品について、ごく一般的な商品構造を表したものです。

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ごちゃごちゃしていて、一見するとたくさんの保障があるように見えます。

さらに、もう少し具体的な条件を明確にしたものが次に示す【資料02】【資料03】です。

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【資料03】は、某生命保険会社の「総合保障型の商品」のインターネット保険料見積もりで、年齢と性別を入力することで誰でも簡単に入手できる情報です。やはりたくさんの保障が付いていて、一見すると「何か不測の事態が起こったときにも安心だろう」と思えます。

生命保険は「主契約」+「特約」という構造

はたして、本当に安心なのでしょうか。正しく判断するためには、生命保険という「商品」について、最低限の知識をもっておく必要があります。

まず、生命保険は「主契約」+「特約」という構造で組み立てられています。「主契約」とは生命保険のベースとなる部分で、通常は主契約のみで保険契約ができます。

そして「特約」とは主契約にオプション的に付加することで、保障内容をより充実させようという個別の目的をもって契約する部分です。特約のみでの契約はできません。

また複数の特約を主契約に付加することができます。


特約の落とし穴

主契約と特約という「部分」に注目して、さきほどの契約例を検証してみましょう。【資料02】の保険では、主契約の部分は終身の死亡保険金額150万円(うち介護保険金額100万円)のみ。
それ以外の部分は「特約」となっており、有効な期間が限定されています(最長80歳までが一般的です)。このケースでは当初10年間はだいたい月額保険料が2万円ほどですが、11年目以降は特約部分が「更新」となり、更新する年齢で月額保険料が再計算されて上昇していきます。

ただし、更新後の保険料がいくらになるかということは10年後にどの特約を継続するのか、またいつまで保険に入り続けるのかによって変わってきますので、今のタイミングで最終的にいくらになるか正確にはわかりません。保険料を合計いくら支払うことになり保険金がいくら支払われるのか、ということはこのシミュレートだけではわからないといえます。

つまり、生涯を通じて何百万ものお金を払うことになるにもかかわらず「費用対効果はわかりません」ということでもあるのです。ちなみに、この35歳男性が現在の特約を継続すれば、60歳までに払う保険料の合計は1000万円を超えてしまいます。

もっとそもそも論で言うと、この35歳男性が、このシミュレートを見ただけで「この保障が自らの生活保障として妥当な内容か」といったことや「他社と較べて保険料は妥当か」という点を判断するのはたぶん無理でしょう。

このケースでは高額の保障がたくさん並んでいるように見えますが、ほとんど特約。主契約では「第1保険期間満了時〜一生涯」で死亡のときに一時金は150万円となっているだけです。「パッケージ化されている商品を買えば、なんとなくたくさんの保障が付いていて安心そうだ」と思いきや、ほとんど病院のお世話にもならずにポックリ亡くなった場合だと、1000万円以上の保険料を支払った挙句に主契約部分の死亡保険金額150万円しか払われない、ということが起こりえるわけです。

もちろん、こういった商品内容を十分理解した上で、保険に加入する分には問題ない場合もあると思います。しかしながら、一般的に生命保険というのは、何十年もの長期間にわたる契約です。これだけ多くの保障内容を忘れずに覚えておくというのは、なかなか大変ではないですか?

そもそも、相当に保険契約に精通した人以外は、資料として引用した図表そのものが「わかりにくい」と感じるでしょう。実は「わかりにくい」ことは承知の上で引用しました。なぜなら、このように複雑でわかりにくい生命保険商品が主流になっているあたりに、「生命保険って面倒くさくてわかりにくい」というイメージが先行してしまっている大きな原因があることを、まずは理解していただきたかったからです。

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