グループ企業を対象とした生命保険契約

グループ企業が生命保険契約にかかわるケースで多いのは、経営者がグループ企業の役員を兼ねているケースです。

生命保険契約は、契約者の同意があることを前提として、「契約者の名義変更」や「保険金の受取人変更」を行なうことは原則として可能ですが、前述したように「被保険者の変更」を行なうことは不可能です。

例えば、親会社と子会社の社長を兼務しているXという社長がいたとして、以下の新規保険に加入されたとします。
(1)契約者:親会社、被保険者:X社長、保険金受取人:親会社 加入する保険会社:A社
(2)契約者:子会社、被保険者:X社長、保険金受取人:子会社 加入する保険会社:A社

加入して数年後、諸事情によりY専務が社長となることになりました。このとき(2)の保険はどうなるでしょうか?
上述のケースですと、X社長が子会社の会長などにとどまる場合は法人契約を維持することができますが、子会社の役員登記から外れるような場合だと、この保険を解約するか、X社長が個人として保険の権利を買い取るか、はたまた親会社が保険の権利を買い取るか、何らかの対応が必要となります。

この例で、親会社が保険の権利を買い取ること(法人間の名義変更)を選択した場合には、転出法人(子会社)と転入法人(親会社)の間でそれぞれ異なる経理処理が必要となります。
・契約者と保険金受取人を同時に変えるのか
・契約者のみを変えるのか
・無償譲渡なのか有償譲渡なのか、
などによって必要な経理処理は異なります。

また、新しい保険に加入する際にも注意が必要です。新規に加入する場合の手続きと留意点は、次頁で詳しく触れますが、保険金額をいくらまで設定できるかという点で、「被保険者ごとの通算」が要件となるからです。生命保険会社によって異なりますが、上記(1)(2)の2契約で、X社長が加入できる上限まで保険に加入していたとします。

このケースで新たな保険を検討する場合には、被保険者通算といいますが「国内すべての保険会社の通算保険金額」および「A社での通算保険金額」の両方で、規定の保険金額以内であることを満たす必要があります。加えて、法人保険で追加契約を検討するのであれば、生命保険会社の規定する「過大付保」になっていないことも条件となります。保険会社によって異なりますが、「過大付保」の一般的な基準は、「通算保険金額が被保険者の年収の15倍以内であること」「当該法人で加入する保険金額が前年度売上を上回っていないこと」などがあります。

保険会社や保険種類によって付保に関する基準は異なりますので、ケースバイケースで確認が必要であることを押さえておきましょう。

カテゴリー: 法人向け生命保険のキホン パーマリンク