必要保障額の判断

必要保障額(想定されるリスク)は、被保険者を役員とするのか、従業員とするのかによって考え方が異なってきます。

■被保険者:役員とする場合に想定されるリスク

・経営トップ交代による売上減少などにより事業資金が不足してしまう
・取引金融機関からの借入金の金利変更や返済を要請され返済資金が必要になる
・取引先企業から仕入・価格など取引条件の変更を求められ運転資金が不足する
・事業承継を滞りなく行うための自社株購入資金・相続税の納税資金の準備

■被保険者:役員および従業員とする場合に想定されるリスク

・死亡退職金の支払いための原資の確保
・手術、入院時のお見舞い金等(福利厚生)のための原資の確保

当然、会社の状況によって異なりますが、これらのリスク対策項目のうち何に備えるかということで保障額が変わってきます。

・死亡時の必要保障額計算(例)

法人向け生命保険のキホン
会社のリスクとして算出された必要保障額に加えて、いわゆる外部留保として簿外に積み立てるニーズがあれば、プラスアルファとして加味します。内部留保など簿内の流動資産で準備している場合には、法人税の課税対象になることに加えて、運転資金の不足や緊急に資金を必要としたときに事業資金として支出されてしまうからです。こういったケースでは、将来の役員退職金支払いが困難になってしまうことが想定されます。

この対策として、簿外に生命保険として準備しておけば、上記の例で言えば役員(および従業員)の保障+退職金原資として独立した扱いとなるので資金流用がされにくくなります。緊急時には生命保険会社から保険を担保に借り入れ(契約者貸付)を受けることもできます。生命保険本来の「保障」という機能に加えて、緊急予備資金としての「外部留保」、「課税の繰り延べ」という別の機能を付け加えることもできるという訳です。

必要保障額を検討する際に、予算上で注意すべきポイントがふたつあります。
ひとつ目はキャッシュフローです。生命保険は一時払いの契約でない限りは毎年継続して保険料を支払うことが前提になりますので、無理のない範囲で必要保障額を担保できるように設計することが大切です。
ふたつ目は損益です。保険料の経理処理が損金算入となる場合は注意が必要です。例えば毎年の保険料が200万円で1/2損金算入となる商品でしたら、200万円×1/2=100万円が毎年損金扱いとなります。必要保障額を算出する際には、予算(キャッシュフローと損益というふたつの観点)と併せて判断する必要があるということを押さえておきましょう。

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