勇退したくても、退職金の原資がない場合の生命保険プラン

65歳を過ぎて、そろそろ引退して長男に代表権を譲ろうというときに、自分の退職金のことなど考えたこともなく、全くその資金準備が出来ていないというようなケースがあります。退職金の優遇税制の恩典も受けずに退職するのはもったいないので、何とか退職金を受取りたいと考えている方に使えるのが、この保険プランです。

永年会社を経営されてこられたにもかかわらず、退職金の1000万円も取れずに勇退せざるを得ない例もあります。今まで利益も出して来て、多額の税金を納めてきたにもかかわらず、まったくご自身の退職金が出ないというのは、一体どうしてこのようなことが起きてしまったのでしょうか。それはやはり長期的な財務リスクマネージメントが不十分だったということかと思います。とはいえ今さら税金を返してくれといっても、それは不可能ですので、上手い手を考えてみましょう。現在備えがゼロのものを、すぐに用意するというのは、まるで無から有を生じさせるマジックのようなものですから、かなり難易度が高いです。多くの企業がこのような場合、銀行から退職金を借りて払う、未払い金に計上して年金払いするといった方法を検討するのではないかと思います。

ここでご提案したいのは、一旦帳簿上退職金を払った形にし、その資金を会社が借入れるという手法です。その手法は以下のとおりです。

① 通常の退職金支払いと同じように、社長に退職金を払う(役員退職金規程に
  則り退職金の額を確定)

② 社長はその退職金から退職所得税を税務署に払う(基礎控除があり、かつ
  2分の1課税である為、その税金は極めて安く有利である)

③ 残りの資金を社長から会社へ貸付ける(実際に社外に出るのは所得税部分の
  みである)

④ 会社契約で10年払込の変額終身保険に加入する(社長は勇退をし、
  代表権をはずれ平の取締役となる)

⑤ (元)社長死亡時には、確実に会社に保険金が入り、この資金の中から
  死亡退職金と借入金返済を行う

⑥ 借入の期間中、会社に認定金利(4.5%相当)を支払う必要があるが、
  これは会社から役員報酬を引続き受取り、その中から支払う。

 この手法の大きなメリットは、現在は退職金の資金がなくても、時間を掛けて(保険料で)積立ていき最終的に精算が可能であるという点です。さらに変額終身保険を活用することで、保険料総額が通常の終身保険よりかなり押さえられます。これは変額終身保険の予定利率が通常の定額終身保険よりかなり高い(現在3.5%)ということもあり、この落差がプランのメリットをさらに大きくしています。

最終的にこの返済金は死亡時に精算されることから、社長ご自身が手にすることは出来ないのが難点ですが、そのことをわきまえた上で、相続対策で使うとすれば、それなりに面白い手法といえましょう。なお受取った借入金返済額は、収益ではないので所得税は掛かりませんが、相続財産として相続税対象になります。

また今後の変額保険の運用ファンドの成績次第では、保険金のアップもありえるため、インフレになった場合にはもっと大きな効果が期待できます。

 退職所得の非課税枠や2分の1課税といった恩典と、変額終身保険の保険としての、レバレッジ(てこ)の効果を最大限活用でき、応用範囲の広いプランです。

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