法人保険の活用法 その1 長期平準定期保険

30代〜40代の若い経営者には、その時期ならではの悩みがあります。とくに開業して数年といった社歴の浅い会社で、徐々に事業が軌道に乗りつつあるような場合、売り上げのほとんどが社長や一部の役員など、キーマンの肩に掛かっているようなケースが考えられます。この先、数十年間に渡って事業を継続する必要があるでしょうし、借入金も残っている。このような状態で、キーマンの身に何かあったら会社経営は大変厳しいものになるでしょう。プライベートでもお子さまがまだ小さいことも考えられますか
ら、家族の生活も心配です。

会社のキャッシュフローが潤沢なら良いのですが、このようなケースであればできるだけ保険料負担を安く抑えつつ、内部留保にも気を使い、かつ効果的に保障を得られるような手段が最も望ましいものと思います。

創業期〜成長期の会社に共通する潜在的な財務対策ニーズは、このようなものです。

● 万一の場合の借入金返済対策を目的に加入したい
● 保険料の負担が軽い商品で資金はできる限り本業に投資したい
● 財務強化できる商品で今のうちに将来を見捉えたい
まず、このようなニーズに対して活用できるプランをご紹介します。

商品:長期平準定期保険 X 社契約者・受取人:法人被保険者:社長(40歳・非喫煙・健康状態優良)保険金額:1 億円保険期間:98歳まで保険料:178 万3700 円/年額 「長期平準定期保険」は、比較的若手の経営者のキーマン保障を長期間に渡って確保するのに向いている保険です。この保険のメリットとして、以下のようなポイントがあります。
① 死亡退職金・弔慰金の確保
 保険金を死亡退職金・弔慰金の財源として活用できます。
② 事業保障資金の確保
 保険金を法人の資産とすることで、対外的な信用維持(事業保障)のために活用できます。
③ 勇退時の退職資金を確保
 在任中の保障だけでなく、勇退時には解約返戻金を退職金の財源として活用できます。
④ 利益の圧縮装置としての役割 税法上、払いこんだ保険料の2 分の1 を費用化することが認められています。この場合だと、178 万円の2分の1 ですから約90万円弱を毎年費用化することができます。法人税等の繰り延べ効果を得ることができます。
 「③ 勇退時の退職慰労金」についてですが、この保険の積立部分である解約返戻金を、次ページ【資料02】で表にして確認してみます。

【資料02】解約返戻金の推移例
資料02
毎年178 万円を払うことになりますが、払い込んだ保険料の相当分が保険会社の中にプールされていきます。
返戻率は1 年目が59・3%程度ですが、5 年目で88・8%、10年目で95・3%、15年目で98%と増えていき、20年目以降は払いこんだ保険料累計の100%以上が積み上がっている状態になるのです。

退職資金の原資を超長期にわたって確保するのは、なかなか難しいことです。運転資金として使われてしまう可能性もあるでしょう。そこで、キーマン保障のための保険に積立部分があるものを使えば、何もなく生き続けた場合には勇退時の退職資金とすることもできますし、予期しない出来事で突然キャッシュが必要な場合に使える緊急予備資金としての位置づけとすることもできます。緊急で現金化したい場合であれば、「契約者貸付」という制度を利用することで、金利は掛かりますが、解約返戻金の約8 〜9割相当分であれば、契約を維持した状態で生命保険会社から借り受けることもできるのです。

長期平準定期保険は、単なる死亡保障だけでなく、保険契約で何役ものリスク対策をうつことができる好例といえます。

カテゴリー: 知らなきゃ損する法人リスク対策10の知恵 パーマリンク