特徴を踏まえた法人保険戦略

もそも保険にはどんな種類があって、それぞれにどんな特徴があるのか

最適な法人保険を選ぶためには、そもそも保険にはどんな種類があって、それぞれにどんな特徴があるのか。さらに、保険商品の特長を使いこなすポイントを知らなければなりません。おさらいの意味で、法人保険選択のポイントを次の3点に整理します。

1点目が、保険期間です。

保険期間とは、その保険がいつまで使えるか? ということです。オーナー社長が加入する保険について検討するなら、この保険期間は最優先に考えるべき要素です。保険には大きく、期間限定で使える定期保険と、いつでも使える終身保険という2 つのタイプがあります。同じ保障額、保険料払込期間で比べた場合、当然ですが定期保険の保険料は、終身保険よりかなり安くなります。

2点目の選択ポイントが、解約返戻金です。

保険種類によって解約返戻金が多く貯まるものもあれば、貯まりにくいものもあります。一般的には、終身保険は解約返戻金が貯まりやすく、掛け捨ての定期保険は文字通り解約返戻金が貯まりません。しかし、一部の定期保険では解約返戻金が貯まるものもあり、年齢が若い社長の場合、商品選びさえ間違えなければ、契約からの経過年数次第で解約返戻金が払い込み保険料の100%を超えるものもあります。

3点目に、経理処理の違いです。

定期保険やがん保険の保険料は、一部または全部が経費として計上できます。一方、終身保険の保険料は経費にはならず、全額が保険料積立金として資産計上されます。

イチかバチかの博打的な加入のスタイルには大いなる疑問

少し話がそれますが、今までの傾向として法人が加入する保険は、保障機能を重視して販売されてきたように思います。このため、社長にもしものことがあったときには、「おめでたく」というのもおかしな話ですが、「保険に入っていてよかった」ということになります。しかし、保険が使える期間に、もしものことが起きなかった場合には、「残念なことに」保険は掛け損だったという結末に終わってしまいます。

しかしながら、このイチかバチかの博打的な加入のスタイルには大いなる疑問があります。法人が加入する保険は個人と比べてゼロひとつ保障額も大きく、保険料の負担もそれなりに大きくなります。にもかかわらず、死んだら大きなリターンがあるけど、生きていたらリターンがゼロのような契約にしてしまうのは、それ自体リスクが高すぎます。リスクに備えるための保険にも関わらず、保険がリスクになっては元も子もありません。

実は、死んでも生きても、どちらに転んでも役立つような保険の加入法はあるのです。そのためには、解約返戻金が大きく貯まる保険を選ばなければなりません。

ここまでの話を聞けば、ほとんどの人が、どちらかといえば「保険料は安く納まり」「将来的には支払った保険料が戻ってきて」「経費で計上できる(税務メリットが使える)」といった、つまり、「死んでも生きてもどちらに転んでも使える」保険がよいと思われるでしょう。解約返戻金が貯まる一部の定期保険は、まさにこの特徴を持つ保険です。

では、この保険が万能かというと、決してそうではありません。なぜなら、定期保険のように期間が決められた保険は、相続や事業承継には使えないからです。しかも経費で計上することを考えたら、保険料が安いことが必ずしもよいことではないかもしれません。

結局のところ、保険戦略は、保険のメリット、デメリットを正しく理解したうえで、特徴の違う保険を組み合わせて、いかにニーズに合った保障を効率よく準備するかに尽きるのです。そして、税負担の軽減というだけではなく、法人保険を効果的に使う上では適切な「入口」と「出口」を理解して活用しなければなりません。そのために、わたしたちのようなプロの力を利用していただきたいということです。

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