個人保険の選び方 その4 介護保障編

保障別の保険について整理してきました。最後に、介護保障についてです。

個人的には、この介護保障についての位置づけが最も難しいと思います。というのも、要介護状態になったときに掛かるコストは非常に長期にわたり、経済的な負担も重くなる可能性がありますが、それははたして生命保険でカバーするべき範囲なのかというと、費用対効果の面でとても微妙だからです。

まずは、商品である介護保険の中身について説明しておきましょう。おおよその商品は、保険会社が定める要介護状態になったときに一時金が支払われる、あるいは介護年金が一定期間か終身にわたって支払われるという保障内容です。

高齢になってこそ必要となる介護という事態を対象としていますから、保険期間は定期ではなく終身です。「要介護状態」については、保険会社独自の基準で決められているものもありますし、公的介護保険の基準に沿っているものもあります。

では、具体的な保障内容と保険料を、介護保険の中では比較的評判の良い保険会社のもので検証してみます。要介護状態になったときに、月10万円の介護年金が一生涯支払われるもので、保険料は50歳男性で月1万2000円の終身払い、つまり死ぬまで払い続けることになります。これは、平均寿命79歳をもとに計算すると、男性で、432万円の支払総額になります。もちろん要介護にならなければ掛け捨てです。もし、75歳で介護状態になってそのまま平均余命の79歳で亡くなれば、介護年金を600万円受け取ることができます。もっと若くして介護状態になり、そして長生きすれば、受け取る介護年金額はもっと多くなります。そして介護年金が支払われている間は保険料の支払いは免除です。

介護状態になると周りが大変ですが、それでも長生きすることはできるので、こうした金銭的な支援があるのは助かるでしょう。しかし、そのために老後資金の中から数百万円の保険料を支払う価値を感じられるでしょうか。それよりも、そもそもそんな額の保険料が払えるかどうかということになります。では、保険金額を小さくすれば良いわけですが、それではあまり効果が望めないということになります。

介護保険も医療保険などと同じように、公的な国民皆保険の介護保険制度が確立しています。それが十分かどうかの議論はありますが、上乗せで民間の介護保険に加入すべきかどうかということになると、ご自身のライフプランや資金の状態に合わせて慎重に考えるべきだと思います。

介護保険は高齢化社会を迎えつつある今の日本ではまだ発展途上の商品と言えます。今後保障内容と保険料のバランスの良い商品が出てくるといいのですが、高齢になってくると当たり前ですが、病気、ケガ、介護など、あらゆる事態がリスクになります。大切なことは、それらをすべて保険でカバーしようとするのではなく、保険加入をもっとシンプルにしてその分のお金を貯蓄するという考え方もあることを確認しておきましょう。

優先順位としては、まずは老後資金を貯めること。その次に医療や介護についての保障を考えることでしょう。保険料で老後の生活が苦しくなるというような、本末転倒がないようにしたいものです。
 

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