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経営者・役員を対象とした生命保険契約

経営者を対象とした生命保険契約の契約形態は通常、下表のようになります。

法人向け生命保険のキホン¥図3-1

契約者は保険契約についての全ての権利と義務を持ちます。義務の代表的なものが保険料の支払いです。
被保険者は保険契約の保障(死亡や入院など)の対象となる人のことで、保険金受取人は保険事故が発生した際に保険金の支払いを受ける人のことです。一般的に契約者と保険金受取人は契約した後に変更することができますが、被保険者は一切変更することができません。

保険の種別や商品は千差万別ですが、経営者を対象にした法人保険プランの一例を挙げます。

契約者  :法人
被保険者 :40歳 男性経営者(非喫煙)
保険種類 :長期定期保険+生存給付保険
死亡保険金:1億円
三大疾病になった場合の給付金:1,000万円
年払保険料:205万1,580円
経理処理 :1/2資産計上、1/2損金算入

法人向け生命保険のキホン¥図3-2

このプランの特長をまとめると、以下のようになります。
・毎年の保険料205万円の半分、約100万円強を費用で落とせるために決算対策に有効である。
・万一、被保険者がガンなどの三大疾病になったら1000万円の一時金が受け取れる。しかも受け取りは被保険者個人で、非課税である。
・在職時の死亡保障は1億円である。
・60歳時点まで契約継続すると約4100万円を払うことになるが、約3900万円(95%)が積み立てられている。退職金原資として活用できる。

このような装置を企業経営に組み込んでおけば、予期せぬアクシデントが起こった場合の対策にもなります。例えば、契約10年目に何らかの理由で緊急資金が必要になったとします。この場合でしたら、10年目には2000万近くの積み立てが出来ていますから、解約すれば緊急資金を補てんすることができます。保障を残したいのであれば、年利2%程度の貸し出し金利が付くものの、1500万円くらいまでだったら保険会社から借り受けることも可能です。

個人で加入する場合は、役員報酬を取って社会保険料や所得税、住民税を支払ったあとの可処分所得の中から保険料を払う必要がありますが、法人契約であれば税引前の利益から保険料を払うことになります。どちらが有利かは明白です。

1つの保険で何役にも活用できるプランの好例と言えましょう。

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生命保険を事業運営に活かすには

法人で加入する生命保険の、代表的な5つのケースを挙げます。

①事業保障

いわゆる、キーマン保障とよばれるものです。特にオーナー系企業では、社長にもしものことがあった場合のダメージは計りしれません。
● 社長の死亡退職金
● 会社の借入金の返済、買掛金支払い等
● 社長交代による売り上げ減少や利益の減少による資金不足の補てん
● 自社株を購入する資金
挙げればきりがないくらい、資金が必要になることを覚悟しなければいけない局面があります。
こうしたリスクに備えて、生命保険に加入するというわけです。

②相続・事業承継

企業の相続・事業承継は、よほど慎重にしておかなければトラブルに発展するケースがあります。特にオーナー系企業の場合、会社の経営を安定させるため、社長に自社株が集中する傾向があります。自社株は、会社の経営権を左右する存在でありながら、社長個人の資産です。個人資産である以上、社長にもしものことがあった時には自社株も相続財産として評価を受けることになり、他の個人資産と合算して相続税が計算されます。

自社株が高く評価されれば、当然のことですがその分、相続税の負担も重くなります。このようなときに、後継者が自社株を相続し他の兄弟に現金を渡すことで相続財産を調整する代償分割をするのが一般的です。納税資金ばかりでなく、他の相続人への代償分割のためにも、オーナー社長の相続にはまとまった現金が必要です。そこで生命保険を活用します。

③勇退資金準備

どんなに優秀な経営者も、いずれは勇退する時期がきます。生命保険を活用すれば税制上のメリットを享受しつつ(法人税負担を抑えつつ)、現役時代の保障もしっかりと取りながら、計画的に退職金を準備することができます。

④緊急予備資金

会社経営には、さまざまなリスクがつきものです。思いがけないトラブルに巻き込まれ一時的にまとまった資金が必要になった時に役に立つのが、生命保険の解約返戻金です。
解約返戻金があれば、いざという時に保険を解約して返戻金を受け取れますし、契約者貸付という方法で、解約返戻金額の80%~90%程度を保険会社から借り入れることができます。利息は取られますが、審査もなくすぐに手元に現金を用意することができます。

⑤課税の繰り延べ

保険のタイプによっては、保険料の一部または全部を損金算入(経費化)することができます。税金負担前の利益の一部を掛金に充当できるので、法人税を翌期以降に繰り延べる効果があります。

ざっとこれらのケースが考えられますが、法人保険をうまく活用すれば、ひとつのプランで複数の役割を担わせることも可能です。

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生命保険の役割

法人保険とは、「契約者=法人」となる保険です。「被保険者」つまり保障対象を「経営者」にすることで、「経営者保険」とも呼ばれます。 また被保険者を法人の役員・従業員とする場合、従業員の福利厚生としての役割も果たします。

法人保険の場合、税引き前の会社の収益から保険料を払うことになります。個人で加入する保険の場合は、会社が法人税を納めたのちに個人に役員報酬を支払い、さらにその個人が所得税と住民税、社会保険料などを差し引いた可処分所得の中から保険料を払うことになります。

個人・法人で加入する保険

どちらが有利かは明らかです。会社の経営者であれば、個人契約ではなく法人契約で加入された方が圧倒的に有利といえます。そして法人で加入する保険にも個人保険と同様に「生命保険」と「損害保険」の2種類がありますが、同じ「保険」という名前でも、生命保険と損害保険は分けて考える必要があります。

損害保険は「モノ」に掛ける保険です。そのため、万一のときに失われる価値が予め測定可能です。どんな損害が出ても、そのモノの価値以上に損失が発生することはありえません。ですから過剰に保険を掛けていても、失われた価値までしか補填されない仕組みになっています。

一方、生命保険は「ヒト」に掛ける保険です。損保と異なり、人の価値はいくらと決められません。損保のように価値を予め測定して加入するわけではありませんので、自己判断で加入金額を決められることが特徴です。生命保険ですから被保険者が死亡した時に保険金が出るのは当たり前として、緊急予備資金、相続対策、退職金準備、利益の繰り延べといった機能を加えることもできます。

生命保険と損害保険は「皆がお金を出し合って支えあう(相互扶助)」仕組みであるという基本は同じながらも、その守備範囲が異なっていることが特徴といえます。

実は、加入の仕方によっては「生命保険は損害保険と同じ効果が出せる方法」があります。
「経理上損金算入が認められている」「解約時に返戻金が出る」という2つの特徴をもつタイプの生命保険に加入しておけば、企業にとって損保引当プランとして機能させることができるのです。

損保の領域はかなり広く、一般的な物損事故への備えのほかに、PL(製造物賠償責任)やセクハラ、個人情報漏えい、株主代表訴訟といった新しいジャンルまで、それこそ際限がないといってもよいのです。当然ですが全てを損害保険で賄うことを考えると膨大な保険料になるでしょうから、通常は不可能です。想定外の損害が発生した場合どうするのか、という問題が生じます。

そこで、生命保険の出番となります。生保が直接損害をカバーしてくれるわけではありませんが、一旦生保を解約しますと、帳簿上解約益と同時に資金が出てきます。要するに、損害を埋める為の原資と、当期損失をリカバリーする利益が生み出されるのです。結果的に、生保が損保の肩代わりをしたことになります。

目的に則した、もっとも効率のよい法人向け生命保険を選んで、一石二鳥、三鳥と何役にでも使えるようにしておくことが法人生命保険の使いどころといえます。

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