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保険は費用で落として利益を圧縮できる装置

法人が契約する保険は、税制上の恩典の話を抜きには語れません。経営者および経理担当者の方には言わずもがなの話でしょうが、定期保険のように保険は種類によって、保険料が経費で計上できるものがあります。経費として計上できる割合は、半分だけ計上できる2分の1損金タイプがオーソドックスですが、3分の1損金や4分の1損金、全額が損金として認められるタイプなどがあります。

保険料を経費として処理できれば、その分利益は抑えられ、法人税負担は軽くできます。会社を取り巻く経済環境は決して楽なものではない昨今、日々のたゆまぬ努力でやっと手に入れた利益の36%をあっさり法人税で持っていかれるのは、経営者にとってそう簡単に納得できる話ではないはずです。しかもいくら景気の良い時にたくさん納税していたとしても、状況が変わって資金がショートしかけたからといって国に助けてはもらえません。納める税金は1円でも少なくして、会社にお金を残したいと思うのは経営者ならごく自然な感情です。保険を使った税負担軽減策は、そうした経営者の心をしっかり捉えて浸透しています。

一方で、完全に節税できる方法が世の中にあるのは、普通に考えればおかしな話です。実は保険契約は、継続しているときは利益が圧縮されますが、解約と同時に圧縮されていた部分が元に戻ります。表面化した利益には、当然ながら税金が掛かります。保険を使った節税は、結局のところ本当の意味での「節税」ではなく、「課税の先送り」なのです。

だからこそ保険の費用化は認められているわけですが、出口のところで課税されてしまっては、保険で費用化した意味がありません。そこで考えておかなければいけないのが、いわゆる保険の出口戦略です。解約した年に社屋の改築や、役員の退職などの大きな支出があったらどうでしょうか? 旧社屋の解体費用や退職金の支払いなどによる損失と保険の解約による利益が相殺しあえば、解約益が課税されることはありません。保険を使った節税は、出口をどう考えるかとセットになって初めて、効果を発揮することができます。裏を返せば、加入時にそこをしっかり意識してプランを立てることが重要といえるのです。

法人保険を活用した具体的なプランは、こちらの書籍でご紹介しています。ご興味があれば、参考にされてください。

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特徴を踏まえた保険戦略

最適な法人保険を選ぶためには、そもそも保険にはどんな種類があって、それぞれにどんな特徴があるのか。さらに、保険商品の特長を使いこなすポイントを知らなければなりません。おさらいの意味で、法人保険選択のポイントを次の3点に整理します。

1点目が、保険期間です。保険期間とは、その保険がいつまで使えるか? ということです。オーナー社長が加入する保険について検討するなら、この保険期間は最優先に考えるべき要素です。保険には大きく、期間限定で使える定期保険と、いつでも使える終身保険という2 つのタイプがあります。同じ保障額、保険料払込期間で比べた場合、当然ですが定期保険の保険料は、終身保険よりかなり安くなります。

2点目の選択ポイントが、解約返戻金です。保険種類によって解約返戻金が多く貯まるものもあれば、貯まりにくいものもあります。一般的には、終身保険は解約返戻金が貯まりやすく、掛け捨ての定期保険は文字通り解約返戻金が貯まりません。しかし、一部の定期保険では解約返戻金が貯まるものもあり、年齢が若い社長の場合、商品選びさえ間違えなければ、契約からの経過年数次第で解約返戻金が払い込み保険料の100%を超えるものもあります。

3点目に、経理処理の違いです。定期保険やがん保険の保険料は、一部または全部が経費として計上できます。一方、終身保険の保険料は経費にはならず、全額が保険料積立金として資産計上されます。少し話がそれますが、法人が加入する保険はこれまで、保障機能を重視して販売されてきた傾向があります。このため、社長にもしものことがあったときには、「おめでたく」というのもおかしな話ですが、「保険に入っていてよかった」ということになります。しかし、保険が使える期間に、もしものことが起きなかった場合には、「残念なことに」保険は掛け損だったという結末に終わってしまいます。

しかしながら、このイチかバチかの博打的な加入のスタイルには大いなる疑問があります。法人が加入する保険は個人と比べてゼロひとつ保障額も大きく、保険料の負担もそれなりに大きくなります。にもかかわらず、死んだら大きなリターンがあるけど、生きていたらリターンがゼロのような契約にしてしまうのは、それ自体リスクが高すぎます。リスクに備えるための保険にも関わらず、保険がリスクになっては元も子もありません。

結局のところ、保険戦略は、保険のメリット、デメリットを正しく理解したうえで、特徴の違う保険を組み合わせて、いかにニーズに合った保障を効率よく準備するかに尽きるのです。そして、法人保険ほど単なる節税というだけではなく、使う以上は適切な「入口」と「出口」を理解して活用しなければなりません。そのために、プロの力を上手に利用すべきです。

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必要保障額の判断

必要保障額(想定されるリスク)は、被保険者を役員とするのか、従業員とするのかによって考え方が異なってきます。

■被保険者:役員とする場合に想定されるリスク

・経営トップ交代による売上減少などにより事業資金が不足してしまう
・取引金融機関からの借入金の金利変更や返済を要請され返済資金が必要になる
・取引先企業から仕入・価格など取引条件の変更を求められ運転資金が不足する
・事業承継を滞りなく行うための自社株購入資金・相続税の納税資金の準備

■被保険者:役員および従業員とする場合に想定されるリスク

・死亡退職金の支払いための原資の確保
・手術、入院時のお見舞い金等(福利厚生)のための原資の確保

当然、会社の状況によって異なりますが、これらのリスク対策項目のうち何に備えるかということで保障額が変わってきます。

・死亡時の必要保障額計算(例)

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会社のリスクとして算出された必要保障額に加えて、いわゆる外部留保として簿外に積み立てるニーズがあれば、プラスアルファとして加味します。内部留保など簿内の流動資産で準備している場合には、法人税の課税対象になることに加えて、運転資金の不足や緊急に資金を必要としたときに事業資金として支出されてしまうからです。こういったケースでは、将来の役員退職金支払いが困難になってしまうことが想定されます。

この対策として、簿外に生命保険として準備しておけば、上記の例で言えば役員(および従業員)の保障+退職金原資として独立した扱いとなるので資金流用がされにくくなります。緊急時には生命保険会社から保険を担保に借り入れ(契約者貸付)を受けることもできます。生命保険本来の「保障」という機能に加えて、緊急予備資金としての「外部留保」、「課税の繰り延べ」という別の機能を付け加えることもできるという訳です。

必要保障額を検討する際に、予算上で注意すべきポイントがふたつあります。
ひとつ目はキャッシュフローです。生命保険は一時払いの契約でない限りは毎年継続して保険料を支払うことが前提になりますので、無理のない範囲で必要保障額を担保できるように設計することが大切です。
ふたつ目は損益です。保険料の経理処理が損金算入となる場合は注意が必要です。例えば毎年の保険料が200万円で1/2損金算入となる商品でしたら、200万円×1/2=100万円が毎年損金扱いとなります。必要保障額を算出する際には、予算(キャッシュフローと損益というふたつの観点)と併せて判断する必要があるということを押さえておきましょう。

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代理店との上手な付き合い方

2013年時点で、日本国内には生命保険募集人の資格を持っている人は100万人以上いますが、生命保険を販売しているチャネルは代表的なところで以下のような販売形態となっています。

① 国内生保のセールスレディ
② 外資系生保などのライフプランナー
③ 乗合代理店
④ 来店型の保険ショップ
⑤ 銀行、証券会社などの窓口販売
⑥ ネット通販

金融商品販売の自由化が進む前(2000年以前)は①②のチャネルしかありませんでしたから、大幅に多様化していると言えます。このような販売形態の多様化は、消費者の立場からすると選択肢が広がったという意味では間違いなく「いいこと」でしょう。

個人で加入する保険でしたら、①~⑥の選択肢のなかで任意のチャネルを選べばそれで事足りますが、法人で加入する保険を合理的に検討したい場合は、
・①②の一社専属モデルのセールスパーソンから提案を受ける
・③の担当者から提案を受ける
・⑤の銀行マンなどから提案を受ける
の何れかになるはずです。

④来店型の保険ショップの担当者は、そもそも個人保険にしぼって教育を受けられている方が殆どですから、法人保険特有の企業経理にもたらす保険税務の知識を持ち合わせていません。⑥ネット通販の場合は、法人で契約する保険を売っていません。

以上の理由から、法人で加入する保険の購入チャネルは消去法によって①②③⑤となりますが、会社としての取引、お付き合いの関係で①②⑤のチャネルにせざるを得ないという場合を除いては、③のチャネルを選ぶのが合理的と言えます。会社としての経営課題や被保険者の健康状態などを総合的に鑑みて、国内数十社の商品ラインナップの中から最も有利な提案を受けられる唯一のチャネルが③だからです。この際に大切なことは、できるだけ多くの生命保険会社を取り扱っていることと、法人保険に関する知識はもとより、経営・税務・商法・民法などについて、幅広い知識を持ち合わせている担当者であるかどうか、という点です。

別の観点でいえば、③乗合代理店の経営上の健全性ということも見逃せません。生命保険というのはその性格上、数年以上の長いお付き合いになります。その間に、代理店に倒産されたり廃業されたりしたら、契約者や被保険者は困る訳です。もちろん、代理店が倒産したり廃業しても、保険契約は生命保険会社との契約ですから有効ですが、現実的に架け橋となる代理店が閉店してしまうと、契約時の経緯や保険の目的などが全く引き継がれないまま宙に浮いてしまうという、契約当初に想定していないリスクを抱え込むことになる可能性があります。

できるだけ信頼できる代理店・担当者とお付き合いしたいものです。

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保険会社の選び方

一般的に生命保険会社の経営状態を判断する指標がふたつあります。

ひとつめは「ソルベンシーマージン比率」です。
ソルベンシーマージン比率は、保険業界では広く知られている保険会社の財務健全性を示す指標です。簡単に言うと、「通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる支払余力をどれだけ有しているか」を判断するための行政監督上の指標のひとつです。

たとえば先の東日本大震災などの災害や、リーマンショックのときのような株の暴落などといった通常の予測を超えて発生するリスクに対応できるだけの余裕、つまり「支払余力」があるかどうかを判断するための指標です。ソルベンシーマージン比率は、数字が大きいほど支払余力も大きいと判断されます。この数値が200%を下回った場合、監督官庁である金融庁から監督上の措置(早期是正措置)がとられることとなっています。そのため、行政上の取り扱いとしては200% を超えていれば安全な会社とみなす、とされています。

ふたつめは「格付け」です。国内で営業している生命保険会社を、民間格付機関が格付けしている情報のことです。経営状態を同業他社と較べてAAやA-、Bなどのスコアで表現したものです。

次に、最悪のケースとして「ご自身の加入されている生命保険会社が破たんしたらどうなるか」です。日本には、生命保険会社の破綻から保険契約者の保護を図る目的で、「生命保険契約者保護機構」という法人があり、国内で事業を行う全ての生命保険会社が会員として加入しています。

万一、生命保険会社が経営破たんすると、この保護機構が資金援助等を行ないます。保険契約の継続に向けた手続(行政手続か会社更生手続かのいずれか)が取られるのですが、いずれの場合も保険契約は継続され、保護機構によって、破綻時点の保険契約の責任準備金等の90%までが補償されます。

責任準備金とは、生命保険会社が将来の保険金・年金・給付金の支払いに備え、保険料や運用収益などを財源として積み立てている準備金のことで、保険業法によって、生命保険会社に積み立てが義務付けられているお金です。

気をつけたいのが、たとえば「1000 万円の死亡保険金が出る契約」に加入していたとして、「900 万円の死亡保険金を受け取る権利は保障される」または「積み立て部分の9割は補償される」ということにならないということです。破たんした保険会社の契約は、その契約を承継した会社が利率などを決めることができますから、消費者にとって不利な条件に変更される可能性があります。

保険会社の安全性はとても大切なことです。何十年先もの生命保険会社の存続状況などを見通せる人はいませんが、加入してすぐに破たんされてしまった、というようなことを防ぐために、加入する前に一度はその会社の健全性はどうか? という観点で確認したいものです。

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解約時の手続きと留意点

生命保険の解約とは、将来に向かって保険契約を解消することです。解約によって契約は消滅し、以降の保障はなくなります。解約は、契約者の意思でいつでも自由にできます。

保険契約を解約すると、積み立てた分のお金(解約返戻金)が受け取れます。解約返戻金の額は保険種類・契約時の年齢・保険期間・経過年数などによって異なりますが、通常は払い込んだ保険料総額より少なくなります。それは保険料の一部が毎年の死亡保険金等の支払いや生命保険会社の運営に必要な経費に充てられるからです。

契約の土台となる主契約を解約し、特約のみを継続することはできません。特約のみを解約することはできますが、一定の制約が生じる場合があります。例えば、特約の種類によっては、1つの特約を解約すると、続けたい特約も解約になる場合などがあります。

以下、解約する場合の留意点です。

・契約してから短期間で解約したときには、解約返戻金はまったくないか、あってもごくわずかです。
・一度解約した生命保険は元には戻りません。
・もう一度契約する場合、年齢がアップした分保険料が割高になったり、健康状態によっては、新たに契約できないことがあります。
・解約の手続きには所定の書類提出が必要です。口頭での申し出などでは、解約の手続きとみなされません。

解約返戻金が設定されている法人保険の場合、解約返戻率がピークを迎える時期に解約するか、名義を法人から個人に変えるなどの出口戦略が重要です。前者の場合は、解約返戻金が会社の収益とされますから法人税の課税対象となります。後者の場合は、解約返戻金相当額で個人が買い取れるかという資金の問題が発生します。これらを総合的にみて、どう処理するかが課題となります。

法人保険の解約を検討する場合、一般的には解約返戻率がピークとなる時期に解約して、役員退職金等に充当することがセオリーです。会社が保険契約を解約して解約返戻金を取りだすことと、役員退職金を支払うことの2つの全く別の取引を同じ期中に行なえば、会社にとっては解約によって取り出した利益(解約返戻金)を役員退職金の支払いという形で相殺できるからです。

保険会社によって解約時に必要な手続きはさまざまですが、解約を検討する際には、
・保障を継続したいか
・解約して積み立てた分のお金(解約返戻金)を取り出したいか
・取り出したときの税金の掛かり方や金額が会社にどう作用するか
・解約以外の選択肢が取れるか
などを予め確認しておくべきだと言えます。

解約をせずに資金を取り出したしたい場合には、契約者貸付(一時的にお金が必要となった時の貸付制度)、保険料を一時的に払わないようにしたい場合には、自動振替貸付(保険料を滞納した場合の振替制度)といった制度が使える保険会社・商品もあります。これらの制度は保険会社、保険契約の内容によって、受けられない場合がありますので、保険に加入している全ての人が利用できるものではありません。しかし保障を継続したい場合には一考の余地がありますので、解約手続き前の確認をお勧めします。

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既存の保険を見直す場合の手続きと留意点

既存の生命保険を見直す場合、まず確認すべきは見直す理由です。一般的に見直す理由は以下の3点です。
(1)お付き合い等で加入したため、そもそも何のための保険なのか分からない
(2)他の保険会社・商品と比較せずに契約したため、相対的な効果が最良か分からない
(3)当時は合理的な判断で加入したが、今の商品と比較したらどうなるかが分からない

順にご説明します。

(1)お付き合い等で加入したため、そもそも何のための保険なのか分からない

契約に至った経緯はどうあれ、この状況が最も危険です。リスク対策の保険のはずが、誰のため・何のために加入しているか分からない状況ですから、保険の体をなしていない状況と言えます。
1990年代以前に加入された保険であれば、金利が高い時代に加入されていることから相対的に有利な「お宝保険」と言われる商品に加入されている場合もありますが、出口戦略がしっかりしていないと問題です。年間で支払うことになる保険料、保障内容、解約した場合に支払われる積み立て額(解約返戻金)等を確認のうえ、継続・乗り換え・解約の判断をくだすべきです。

(2)他の保険会社・商品と比較せずに契約したため、相対的な効果が最良か分からない

加入された年や被保険者年齢、保障内容等によって、有利な商品なのか不利な商品なのかの判別が可能です。保険證券や設計書等に記載されている情報と、現時点で解約するとどうなるかを契約された保険会社のコールセンターや担当営業に確認したうえで、客観的なアドバイスをしてくれる、法人保険に強い乗合代理店(複数の生命保険会社を取り扱う代理店)に相談することをお勧めします。

(3)当時は合理的な判断で加入したが、今の商品と比較したらどうなるかが分からない

生命保険は、一度加入したらそのまま見直しをせずに塩漬けになっていることが多いものです。当初は合理的な判断で契約したとしても、契約してから5年、10年、15年と経過してくると、様々な理由で現時点の経営状況と保険の内容がマッチしていない状態になりがちです。そういった場合には、いま販売されている商品と比較してみて合理的な内容になっているかどうか、どのタイミングで解約すべきか、あるいは払い済み(翌年以降の保険料を払わないようにすること)や名義変更(契約者等を変更すること)など、契約者・被保険者にとってもっとも有利になる手法が何かを確認されることをお勧めします。

上記した以外のケースですと、加入した際に想定していた保険の出口(法人の経理処理など)と、現在の税制等が異なっていることが考えられます。
法人契約の場合、保障内容はもとより各年度および解約時の経理処理などをセットに考えることが必要不可欠になりますので、法人保険に強い代理店や顧問税理士に相談したうえで見直しするのがいいでしょう。

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新規に加入する場合の手続きと留意点

新たに保険に加入する場合の手続きとしては、一般的に(1)生命保険契約の申し込み書類、(2)健康状態の告知、(3)第1回目保険料の振込、の3点が必要です。以下、概要です。

(1)生命保険契約の申し込み書類

①申込書
②意向確認書
③(2年目以降の保険料支払いを引き落としとする場合)預金口座振替依頼書

この3書類は、ほぼ全ての生命保険会社で必要です。これに加えて、保険会社によって「法人保険契約の経理処理についての同意書」「(従業員契約の場合)付保に関する同意書」「約款の受領書」などが必要なケースもあります。

(2)健康状態の告知

①告知書
②(死亡保障性の商品の場合)健康状態についての証明書

①については、「最近3か月以内の医師の診察歴」や「過去5年以内の入院・手術歴」などについて、所定の用紙に自己申告で記載する必要があります。②については、保険会社・年齢・保険金額・保険種類などによって異なります。保障額が比較的小額であれば不要な場合もありますが「会社で受けた健康診断書か人間ドックの写し」が必要なケースが一般的です。もし会社で受診していなければ、保険会社の指定嘱託医で健康診断を受けることとなります。

健康診断書などを添付した場合、被保険者のBMIが32以上で肥満気味となっていたり、最高血圧が140以上・最低血圧が90以上など高血圧と診断されていた場合、保険会社の審査結果として、「保険料の割り増し」「保険金の縮小」「特定部位の不担保(例:心臓疾患は補償の対象外)」など、契約者および被保険者にはあまり好ましくない条件がつくケースがあります。最悪のケースは、「謝絶」すなわち「今回の申し込みは受けられません」という回答が出てしまうことです。こうなってしまうと、その保険会社に同一被保険者は二度と加入できません。

(3)第1回目保険料の振り込み

一般的に第2回目の保険料からは銀行引き落としか振り込みかを選べますが、第1回目保険料に関しては振り込みが必要です。
法人保険は保険料が多額になることから、手順としては(1)生命保険契約の申し込み書類、(2)健康状態の告知、の2点に問題がないと判明してから振り込み手続きを行なうべきです。

以上の(1)(2)(3)が全て問題なく実施されて、はじめて生命保険成立の要件を満たします。決算対策などで保険を活用することを検討する場合には、「すべての書類の日付が当該法人の決算前であること」「(2)告知が嘱託医扱いの場合、医者に掛かったのが決算前であること」「(3)振り込んだ後の保険会社での着金確認が決算日以前に完了していること」などが必須要件となりますので、余裕をもって手続きを完了されることをお勧めします。

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グループ企業を対象とした生命保険契約

グループ企業が生命保険契約にかかわるケースで多いのは、経営者がグループ企業の役員を兼ねているケースです。

生命保険契約は、契約者の同意があることを前提として、「契約者の名義変更」や「保険金の受取人変更」を行なうことは原則として可能ですが、前述したように「被保険者の変更」を行なうことは不可能です。

例えば、親会社と子会社の社長を兼務しているXという社長がいたとして、以下の新規保険に加入されたとします。
(1)契約者:親会社、被保険者:X社長、保険金受取人:親会社 加入する保険会社:A社
(2)契約者:子会社、被保険者:X社長、保険金受取人:子会社 加入する保険会社:A社

加入して数年後、諸事情によりY専務が社長となることになりました。このとき(2)の保険はどうなるでしょうか?
上述のケースですと、X社長が子会社の会長などにとどまる場合は法人契約を維持することができますが、子会社の役員登記から外れるような場合だと、この保険を解約するか、X社長が個人として保険の権利を買い取るか、はたまた親会社が保険の権利を買い取るか、何らかの対応が必要となります。

この例で、親会社が保険の権利を買い取ること(法人間の名義変更)を選択した場合には、転出法人(子会社)と転入法人(親会社)の間でそれぞれ異なる経理処理が必要となります。
・契約者と保険金受取人を同時に変えるのか
・契約者のみを変えるのか
・無償譲渡なのか有償譲渡なのか、
などによって必要な経理処理は異なります。

また、新しい保険に加入する際にも注意が必要です。新規に加入する場合の手続きと留意点は、次頁で詳しく触れますが、保険金額をいくらまで設定できるかという点で、「被保険者ごとの通算」が要件となるからです。生命保険会社によって異なりますが、上記(1)(2)の2契約で、X社長が加入できる上限まで保険に加入していたとします。

このケースで新たな保険を検討する場合には、被保険者通算といいますが「国内すべての保険会社の通算保険金額」および「A社での通算保険金額」の両方で、規定の保険金額以内であることを満たす必要があります。加えて、法人保険で追加契約を検討するのであれば、生命保険会社の規定する「過大付保」になっていないことも条件となります。保険会社によって異なりますが、「過大付保」の一般的な基準は、「通算保険金額が被保険者の年収の15倍以内であること」「当該法人で加入する保険金額が前年度売上を上回っていないこと」などがあります。

保険会社や保険種類によって付保に関する基準は異なりますので、ケースバイケースで確認が必要であることを押さえておきましょう。

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従業員を対象とした生命保険契約

従業員を対象とした生命保険契約の契約形態は通常、下表のようになります。

法人向け生命保険のキホン¥図4-1
(登記簿に掲載されている役員、もしくはそれに準じた社員を除いた)一般従業員を被保険者とした生命保険契約は、その被保険者に保険を付ける(「付保」と言います)額に合理的な理由が必要です。一般的には、経営者と比較すると保険金額はかなり制限されます。例えば経営者が1億円の保険に入っていたら、「一般社員は5百万円までとする」というような付保規定を策定し、その規定に則って保険契約を取り交わす、というような手続きとなります。

従業員を対象とした生命保険を考える際、第一に挙げられるのが死亡時の弔慰金準備です。次に、入院や手術などの際に払われる、会社からの見舞金の準備なども考えられます。福利厚生を目的とした保険ですから、原則として一定条件を満たす(例:勤続5年以上など)社員は全員加入とするのが基本です。

一例を挙げます。

契約者  :法人
被保険者 :一般従業員 300人(内訳:男性250人 女性50人)
保険種類 :(無配当)総合福祉団体定期保険
死亡保険金:500万円
ヒューマンバリュー特約:250万円
年払保険料:2,965,824円
経理処理 :全額損金

「ヒューマンバリュー特約」とは、保険事故が発生した際に、従業員の遺族に払われる保険金とは別に、企業の経済的損失に備えるための特約です。
上記の例では、もし保険事故が発生したら、従業員の遺族に500万円、法人に250万円が払われることとなります。

上記のような掛け捨てタイプや、貯蓄性のあるタイプなど様々なバリエーションがあります。利用する保険種類、契約形態によって、保険料の経理処理も「支払い保険料として損金」「福利厚生費として損金」「給与扱いとして損金」「全額資産計上」など、様々です。

福利厚生としての制度を整えることは、企業としての従業員に対する責任を果たす意味でも重要ですが、従業員の定着・優秀な人材の確保・勤労意欲の向上などにも有効とされています。

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