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保険見直しのテクニックと、保険の納品

保険の見直しには技術的な要素を検討することが必要不可欠

ここまで述べてきたように、保険を見直すときに必要なことはご自身に必要な保障をゼロベースで考えることです。そして、その次にあるべき姿と現在加入している保険のギャップを埋めるために、どんな方策が取れるかを具体的に検討してみるのです。

保険の見直しというと、今あるものを解約して新しい保険に加入し直すというイメージが強いかもしれませんが、実はそうでもないのです。というのも、今入っている保険が全くもって非合理的なものであれば解約して新加入という場合もありますが、今の保険がよいものであれば、それを生かしつつ見直しを考えることも必要だからです。

加入されている保険内容は人によって異なりますから、どのようなテクニックを使ってあるべき保障を取れるようにするか、というのは人によって全く変わってきます。 たとえば、現状の保険の内容そのものには問題がなく、単に保障が大きすぎる場合には「減額」という一部解約(特約がたくさんついていてその部分が過剰な場合は「特約のみの解約」を行う)が考えられます。逆に保障が小さすぎる場合には不足分だけを追加するやり方が考えられます。

現状の保険が、保障額は大き過ぎるが利回りの高い時代に加入されたもので今解約するのがもったいない、という場合には「払済」という手段が考えられます。これはその時点で払いこむのをやめて、保険会社にプールされている積立金で買える保障内容に切り替える方法です。今後保険料を払い続けるのをやめますから、当然保障内容は小さくなりますが、割安な保険料で買った保障を有効に活用できるのです。

保険の見直しにはこのような技術的な要素を検討することが必要不可欠です。そして、見直しの結果として現状の保険が適切な保障内容、合理的な保険契約ではないことに気づき、新しい保険に加入したいと判断される方が多いのもまた事実です。そういったときには、適切な保障を取れる合理的な商品を検討する必要があります。 そして、その場合に大切になってくるのがその方の健康状態です。過去5 年以内の健康診断結果の異常や病気歴、手術歴など、申込時点には保険会社に健康状態を告知する
必要があるからです。

申込時点の健康状態や過去の病歴などによっては、保険料の割増や保険金に制限が付くなど、何らかの条件が付く場合があります。最悪の場合は、「謝絶」といいますが保険会社から「今回のお申し込みは受けられません」といってくる場合もあるのです。
そして、一回謝絶となってしまうとその会社の保険には二度と入れないことが多いのです。「年齢や年収などに対して保険金額が高すぎる」と保険会社に判断された場合でも、条件が付いたり謝絶となってしまうこともあります。

ここで大切になってくるのは、セールスパーソンの専門性や技術力です。申込内容や被保険者の健康状態と、保険会社の受け入れ基準を照らし合わせて、「謝絶」という最後通達を突き付けられないようにする必要があるためです。もし一社専属のセールスパーソンに見直しを依頼していた場合、「謝絶」といわれてしまったらそこでおしまいです。代替手段がありません。その一方、複数の会社を乗り合っている代理店の場合だったら、2 番手、3 番手の候補を用意することができます。その他にも、あらかじめ被保険者の健康上のリスクなどが分かってれば、そのリスクを引き受けてくれる生命保険会社をあらかじめ調査しておくということもできるのです。

そして、最後に大切なことは生命保険の納品です。生命保険で契約者にとって最も肝心なことは、被保険者に万が一のことがあったときにしっかり死亡保険金が遺族に、解約時に積立金が契約者に支払われることでしょう。他にも、夫が契約者・被保険者で妻が保険金受取人であった場合に、妻が先に亡くなってしまい、保険金受取人を変えておかねばならないときの保全手続きなど。生命保険は超長期の契約ですから、考えられる手続きはたくさんあります。 こういった際、必要なオペレーションや書類手続などは生命保険各社によって全く異なるのです。それらを契約者・被保険者がいちいち理解して自ら動くのは大変なこともあるでしょう。だからこそ、お客様の代理人となって複雑な事務処理を代替してくれる仕組みが重要になるのです。

保険の見直しという「入口」にも、保険の納品という「出口」にも、高度な専門知識が必要となることが多いのです。一般的に数十年という長期にわたっての契約となる生命保険ですから、保険会社の立場ではなく、お客様の保険購買・納品代理業として動いてくれる、高い技術力とマインドを伴った代理店、担当者と付き合うことが、保険の見直しを成功させる近道といえそうです。

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「費用対効果」で考える

生命保険はリスク回避手段でもあるが、人生における資産のひとつ

ここまで、4つのタイプの生命保険をご紹介してきました。世の中に存在する生命保険は、そのほとんど全てがこの4つのどれかに当てはまります。

例外としては、「生死混合保険」といわれる養老保険のような死亡保障と生存保障がミックスされた商品も存在しますが、少数派です。

生命保険はもちろんリスク回避手段ですが、人生における資産のひとつとしてとらえるべきもので、収入、保有資産、家族構成や将来設計に合わせて、一人ひとり個別に設計するべきです。お子さんがいない共働きの家庭と、お子さんが3人いて夫のみが働いている家庭とでは、夫に万が一のことがあったときの遺族の困難状況が違うわけですから、当然保障などに対する潜在ニーズも変わってきます。つまり、保険商品から入るのではなく、個々のファイナンシャルプランから入って考えるのが正しいといえます。

保険料は万一のときの保障を得るためのコストとみなされることが多く、費用は掛け捨てるものと考えられがちですが、保険の種類によっては、途中で解約したときに大きな解約返戻金が出るタイプもあります。保険料を払っている時点での支出は、当然ながら前者が少なく、後者は大きくなります。どちらを選択するかは、その人が現在使えるお金が多い方を優先するか、将来のゆとりを見込むことを大切にするかによります。楽観的な生き方をよしとする人生観か、「先憂後楽」の人生観かによるともいえます。

生命保険は住宅の次に高い買い物と言われる高額商品ですが、実感としてそのようなことを意識している人は少ないと思います。というのも、生命保険料は総額をまとめて支払うことは少なく、月払いや年払いなど分割で支払うことが圧倒的に多いからです。1世帯当たりの平均的な保険料支出の月額は、約3・8万円といわれています(生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」平成22年度より)。もし、これを30年間継続すれば、実に1368万円の買い物となります。ワンルームの中古マンションくらいなら購入できそうな金額です。

大きな支出にもかかわらず保障内容も正確に知らなければ、価格の妥当性もわからない

生命保険が、実はこのようにとんでもなく高額な買い物であることを実感していない人が多いのではないでしょうか。その額からも、生命保険は資産のひとつとしてよく考えて購入すべきものだと理解しておくことが大切です。

さらに、こういった大きな支出をしているのに、その保障内容も正確に知らなければ、価格の妥当性もわからない。また、掛け捨てタイプか積立タイプかどうかもわからない、という認識だとすると、そんな生命保険に加入していること自体が家計に対して大きなリスクです。

ただ、実際には月々平均約4万円もの支出をしていながら、保険加入のきっかけは知り合いの生保外務員さんからの熱心な勧誘、という人が多いのも事実です。せいぜい「どの保険にしようか」、「いくらの保障額、保険料にしようか」を迷うくらいで、他の保険会社の商品と比較しようなどと考えもしなかった、という人もいるでしょう。もちろん加入のきっかけが勧誘であっても、納得かつ合理的な生命保険選択ができていて問題ないケースもありますが、そうではないケースもまた非常に多いのが現実です。

ただし、繰り返しになりますが、こうした保険購入のパターンには変化が出始めています。従来のように人間関係だけで決めるのではなく、保険商品の価値そのものが重要視され始めています。つまり、同じ内容であれば保険料が安く、同じ保険料であればより保障内容の充実した商品を選択する消費者が増加している傾向にあります。

ひと言でいえば、「情理の世界」から、よりコストパフォーマンスに重きを置く「数理の世界」へのシフトチェンジが起こっているのです。考えてみれば、これは一般の消費の世界ではごく当たり前のことです。物を買うのに値段も見ないであなたを信用するから購入する、ということは滅多にないでしょう。生命保険という高額な金融商品を購入するとなれば当然、「投資と回収」という、大きなモノサシがあって初めて判断ができるわけです。

これまで多くの人が、その理屈すら知らないまま(教えてもらわないまま)無防備に契約書に印鑑を押していたかもしれません。でも、ここにきて世界的な経済不況の影響もあって、株式や為替の変動リスクにさらされてしまうと、保険に対するこうした考え方がさらに加速するものと予測されます。

生命保険には、保障と貯蓄という2つの機能が組み合わさっています。単に死んだ時だけに回収できるプラン(掛け捨ての死亡保険など)、生きていれば所定の資金化ができるプラン(解約返戻金や満期金)があります。これらをどのように組み合わせて資産形成するか、というロジックこそがこれからの金融商品活用の重要なテーマです。人生における金融商品のハンドリングの巧拙が、ご自身が高齢者になったときにきわめて大きな影響が出るでしょう。生命保険もその一部であると認識して、合理的に活用するということは、これからの時代において必ずや誰にとっても役立つ知恵であるはずです。

 

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個人保険の選び方 その4 介護保障編

保障別の保険について整理してきました。最後に、介護保障についてです。

個人的には、この介護保障についての位置づけが最も難しいと思います。というのも、要介護状態になったときに掛かるコストは非常に長期にわたり、経済的な負担も重くなる可能性がありますが、それははたして生命保険でカバーするべき範囲なのかというと、費用対効果の面でとても微妙だからです。

まずは、商品である介護保険の中身について説明しておきましょう。おおよその商品は、保険会社が定める要介護状態になったときに一時金が支払われる、あるいは介護年金が一定期間か終身にわたって支払われるという保障内容です。

高齢になってこそ必要となる介護という事態を対象としていますから、保険期間は定期ではなく終身です。「要介護状態」については、保険会社独自の基準で決められているものもありますし、公的介護保険の基準に沿っているものもあります。

では、具体的な保障内容と保険料を、介護保険の中では比較的評判の良い保険会社のもので検証してみます。要介護状態になったときに、月10万円の介護年金が一生涯支払われるもので、保険料は50歳男性で月1万2000円の終身払い、つまり死ぬまで払い続けることになります。これは、平均寿命79歳をもとに計算すると、男性で、432万円の支払総額になります。もちろん要介護にならなければ掛け捨てです。もし、75歳で介護状態になってそのまま平均余命の79歳で亡くなれば、介護年金を600万円受け取ることができます。もっと若くして介護状態になり、そして長生きすれば、受け取る介護年金額はもっと多くなります。そして介護年金が支払われている間は保険料の支払いは免除です。

介護状態になると周りが大変ですが、それでも長生きすることはできるので、こうした金銭的な支援があるのは助かるでしょう。しかし、そのために老後資金の中から数百万円の保険料を支払う価値を感じられるでしょうか。それよりも、そもそもそんな額の保険料が払えるかどうかということになります。では、保険金額を小さくすれば良いわけですが、それではあまり効果が望めないということになります。

介護保険も医療保険などと同じように、公的な国民皆保険の介護保険制度が確立しています。それが十分かどうかの議論はありますが、上乗せで民間の介護保険に加入すべきかどうかということになると、ご自身のライフプランや資金の状態に合わせて慎重に考えるべきだと思います。

介護保険は高齢化社会を迎えつつある今の日本ではまだ発展途上の商品と言えます。今後保障内容と保険料のバランスの良い商品が出てくるといいのですが、高齢になってくると当たり前ですが、病気、ケガ、介護など、あらゆる事態がリスクになります。大切なことは、それらをすべて保険でカバーしようとするのではなく、保険加入をもっとシンプルにしてその分のお金を貯蓄するという考え方もあることを確認しておきましょう。

優先順位としては、まずは老後資金を貯めること。その次に医療や介護についての保障を考えることでしょう。保険料で老後の生活が苦しくなるというような、本末転倒がないようにしたいものです。
 

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個人保険の選び方 その3 生存保障編

「大半の方は長生きする」

企業の業績悪化、給与削減……。不況の中、老後の公的年金に不安を感じ個人年金保険の加入を検討している方からのご相談を受ける機会が増えています。生存に対する保障ニーズが、死亡保障や医療保障のそれと根本的に異なる点は、今の世の中、「大半の方は長生きする」ということです。長生きに対するリスク対策の必要性は、いまの現役世代に共通する大きなテーマです。

また年金に対するニーズは、生命保険会社側から見ると、高齢化に伴う現役世代の減少などにより死亡保障に対するニーズが頭打ちの状況のなか、数少ない成長分野のひとつといえるでしょう。ここ数年間で、複数の年金専業の保険会社が新たに市場に参入しています。

さて、個人年金保険とは何かというと、自分やご家族が将来一定の給付を受け取るために積み立てる金融商品です。60歳や65歳などあらかじめ定めた年齢から年金を受け取れます。大別して、以下の2つの分類からの組み合わせになります。

① 年金の受け取り方
被保険者(保険の対象となる方)が生存している場合に年金を毎年受け取れるタイプ。生死に関わらず一定期間の年金受取りを保証されるタイプ。両者を組み合わせたタイプなどがあります。払い方・受け取り方を外貨立てにできるタイプなどもあります。

② 受け取る年金の運用の仕方
申し込みした時点で将来受け取る年金額が確定する「定額」タイプと、運用成績次第で将来受け取る金額が変動する「変額」タイプがあります。一般的に「定額」タイプは、たとえば月額2 万円(年額24万円)を20年にわたって積み立てて、月額4万5000円(年額54万円)の年金を10年間にわたって貰うようなタイプです。この例だと、20年間で480万円を積み立てて、その後10年間にわたって累計540万円の年金を貰う、ということになります。

「変額」タイプは、一括でまとまった額を保険会社に支払って、その後規定の期間にわたって年金を貰い続けるというようなタイプです。たとえば1000万円を支払って、保険会社の取り分5%(50万円)を差し引いた950万円を保険会社が運用し、その運用結果次第で毎年数%の年金が支払われるというようなものです。「変額」タイプは一時払い額が高額であることから、退職金などのまとまったお金が入った際に、それを元手にして入るケースが多いといえます。

実質的には将来の年金の備えに向けた貯蓄商品

個人年金保険は、「保険」という名前は付いていますが、実質的には将来の年金の備えに向けた貯蓄商品といえます。保障はゼロではありませんが、大半の個人年金保険の保障は亡くなった場合には払った額が戻ってくるというだけです。したがって、純粋に支払った保険料に対する利回りがいいかどうかで有利不利の判断が可能です。

たとえば上記の「定額」タイプの個人年金保険ですと、480万円払って540万円が貰えるわけですから、利率は12・51%です。ここだけ見ると有利なように思えますが、単年利回りは約1・11%です。一般的な金融機関の積立定期預金の利率は0・1%以下、最近公募(2012年4月発行) された10年満期国債の表面利率が0・66%ですからそれらに比べると高くは感じますが、この「1・11%」という数字をどう考えるかがポイントです。

といいますのも、個人年金保険の支払期間が20年という長期間になることを考えると、1・11%というのは決して高い利回りとは言えないからです。老後資金作りの手段はいろいろ考えられます。決して個人年金保険だけではありません。むしろ20年間も同じ商品に大切なお金を預け続けるということは、その用途を固定化することに他ならないのです。

また個人年金保険は積み立ててから、年金給付受け取りが完了するまでの期間が超長期におよぶために、その間、保険会社等がきちんと存続していることが大切な要件になってきます。

「定額」タイプの個人年金保険の弱点はインフレに弱いということもあります。1970年と2010 年の物価水準を比較すると、その差は3倍以上になっています。物価が上がると将来的なお金の価値は相対的に下がりますから、貰える年金額が確定している「定額」タイプは、その変化に対応できないのです。

逆に、「変額」タイプの個人年金保険は、受け取る年金額は基本的に市場金利にあわせて上下動しますので、インフレに対しては比較的対応できやすい商品といえます。その分、保険金は未確定ですのでメリットとデメリットがそれぞれ逆のイメージとなります。

 

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では、わたしたちが将来お世話になるであろう国民年金はどうでしょうか。国民年金には「物価スライド方式である(インフレで物価が上がると給付額も上がる)」という特徴があります。つまり、物価が上がって直ちに困る仕組みではありません。

問題は先に触れたように、年金の財源が「賦課方式」であることです。賦課方式とは、その時点の現役世代がその時点の高齢者の年金を負担する方式です。長所としてはインフレによる悪影響を受けないことですが、短所としては人口の高齢化が進むと現役世代の負担が重くなりすぎることです。

【資料06】は平成23年に国土交通省がわが国の今後の長期人口構造変化をまとめた資料からの抜粋です。これによると、2050年までに日本の生産年齢人口(15歳〜64歳)は2005年の8442万人から4930万人まで約3500万人も減少します。その一
方で高齢者(65歳以上)は、2576万人が3764万人と約1200万人も増加するのです。

2005年に高齢者1 人あたりを現役3 人で支えていたのが、2050年には高齢者1 人を現役1・3 人で支えなければいけない世の中になるというのです。

 

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わたしは社会学者でも経済学者でもありませんが、このデータを見る限り、今予測されているままに少子高齢化が進めば、現役世帯の年金負担が増えることはもとより、将来的には国民年金額の給付水準は大幅に下がる可能性が高いことが容易に予測できます。

「将来、自分の公的年金は足りなくなるかもしれない」という認識を前提に、時間を掛けて「自分年金」を作ることは、これからのご時勢でとても大切なことだと思います。ですが、物価の上昇に対応する財産づくりには、個人年金保険だけではなく、株式や投資信託などの金融商品を使ってもいいわけです。

セカンドライフへの長期戦略を立てて、ご自身にあった分散投資をして、リスクを低減しながら収益の確保を目指すことを検討すべきでしょう。

 

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個人保険の選び方 その2 医療保障編

医療保険についての考え方

がん保険と医療保険の基本的な考え方については前章までにもすでに触れました。「得か損か」という考え方でいくならば、大半の人は「医療保険には入らないほうが得」といえます。それはなぜか? 改めて、具体例をお話ししておきましょう。

【条件など】
30歳男性
終身医療保険
一入院限度日数:60日
入院給付金:1万円
手術給付金:手術内容・部位などにより10万円、20万円、40万円

【X 社】
月額保険料 2910円
掛け捨てタイプ
払込期間:終身

保障内容は、医療保険のなかでもごく一般的なタイプといえるものです。月額約3000円の保険料で、ケガ・病気などで入院すると1万円の入院給付金が出るという商品です。

一見して安いと思われるかもしれません。事実X 社のこの商品、保障内容に対する価格は国内の保険会社のなかで屈指の安さです。しかし、月3000円払うということは、年間3万6000円を払うことになるわけです。30年間この契約に入り続けたら、累計で108万円を払うことになります。

ここでよく考えるべきポイントは、この方ひとり分の医療費が108万円も必要かどうかということです。もし30年間で108日以上入院するなら保険に入る価値はありますが、60歳までまったく入院しない場合ももちろんありえます。入院しなければ丸損ということになります。

108日も入院することはないと考えるなら、毎月3000円を自分で積み立てておくという手があります。専門用語では自家保険といいますが、要はタンス預金しておけばいいのです。30年で貯まった108万円を家族の医療費として使えばいいわけです。当然ですが、別に医療費として使わなくてもいいのですから柔軟性はこちらのほうが圧倒的にあります。

「不安だからそれでも加入したい」というニーズが大きいのも医療保険の特徴

といいながら、人間の心理として不安だからそれでも加入したい、というニーズが大きいのも医療保険の特徴です。
「それでも保険に入りたい」人向けのポイントですが、これはふたつあります。

 
① 保険料の払込期間を終身にするか、有期にするか

「払込期間が終身」というのは、契約が有効である限りずっと保険料を払い込むタイプの保険ということです。一方「払込期間が有期」というのは前払いしてしまうということです。つまり、生涯有効な保障を60歳までに払い切ってしまう、というようなタイプの保険です。

有期型で前述の例と同じような保障内容の商品を買うとするとこうなります。

【条件など】
30歳男性
終身医療保険
一入院限度日数:60日
入院給付金:1万円
手術給付金:手術内容・部位などにより10万円、20万円、40万円

【Y 社】
月額保険料 3910円
掛け捨てタイプ
払込期間:65歳まで

さきほどのX 社の例では「終身」だった払込期間が、こちらは「65歳まで」の有期となっています。月額費用は、ちょうど1000円高くなります。

この2種類、どちらがいいというのは一概に言えません。好みの問題で、単純に安いほうがいいと考えるのであれば終身払いのタイプを、老後の安心を若いうちに買ったほうがいいと考えるなら有期払いのタイプを買うのがオススメです。

一点考慮する必要があるのは、「医療保険は時代とともに進化する」ということです。たとえば10年以上前の医療保険ですと、入院給付金は5日目から出るというような保障内容のものが一般的でした。今は日帰り入院から給付金が出るものがあります。手術給付金の支給などについても、今後医療の進化に合わせて出る金額などが変わる可能性があります。これらを勘案してどちらが好みか選ぶということです。

 
② 解約返戻金の有無を選択する
一般的に医療保険やがん保険は掛け捨てですが、中には解約返戻金という積み立て部分がある商品も存在します。例を挙げておきましょう。

【条件など】
30歳男性
終身医療保険
一入院限度日数:60日
入院給付金:1万円
手術給付金:手術内容・部位などにより10万円、20万円、40万円

【V 社】
月額保険料:9100円
積み立てタイプ
払込期間:60歳まで
60歳時点の解約返戻金:244万7740円

X 社の月額保険料2910円と比べると、月額保険料は3倍ですが、60歳時点では250万円近い積み立て部分があります。これだけあれば、60歳のときに解約してしまって、解約返戻金の約250万円を夫婦の生涯医療費や年金の原資とするという考え方もできそうです。

医療保険について、具体的に3つの例を挙げました。まとめると、【資料04】のようになります。このようなタイプの違いを理解したうえで、ご自身の好みに最も近い商品を選ぶとよいでしょう。

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最後に、保険会社によっては「先進医療特約」というものを出している会社もあります。これは国民健康保険が利かない先進医療を受けたときに、会社によりますが500万円〜2000万円までを保証してくれる、というものです。特約自体は100円〜200円程度と安いので、医療保険に加入するならこの特約を必ずつけるべき、という専門家もいるほどです。「万が一に備える」という意味では、これも付けておいたほうがいいかもしれません。

ただし、現実的な話としてこうした先進医療というのはごく限られた医療機関のごくごく限られた病気の対策として行なわれるものですので、これに掛かっておいてよかった、という人はものすごくわずかです。最も、だからこそこんなに安い値段設定になっているということは知っておきましょう。

結論として、医療保険に入ったほうがいい人はこれから病気がちになる人か、入院給付金1万円がでないと経済的に困る人、ということができます。目安ですが、100万円以上の余裕資金がある人は全く要らないと思います。これらの条件に当てはまらないなら基本的に医療保険は不要と考えられますが、もしご検討されるなら先の内容を参考にしてみてください。
 

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個人保険の選び方 その1 死亡保障編

具体的な検討プロセスをご紹介

今回は実際に個人のお客さま向けの生命保険コンサルティングをするときに使っている、具体的な検討プロセスをご紹介します。

個人が加入する生命保険を検討するうえで、まず真っ先に考えるべきことは「家計に起こって最も困る事態」を想定することです。そう考えると、普通は「家計を支える人の死亡」でしょう。独身の方であったり家族が一生食っていけるだけの貯蓄があれば別ですが、どんなに起こる確率が低かろうが、家計を支える人が亡くなった瞬間に家族の人生計画がまったく変わってしまう可能性があるわけですから、まずは死亡保障性の生命保険を検討する必要がある筈です。以下、検討すべきポイントをお示しします。

① How Much
あなたの家庭に必要な保障額はいくらか

家計を支える人(以下、ご主人だとします)が亡くなったときには、国から遺族年金が出ます。ところがこの年金額は限定的で、ご主人が亡くなったあとに必要な生活費や教育費等の一切を全て賄うにはかなり無理がある金額です。そこで、必要な生活費と遺族年金の差分を生命保険で補うという考え方で、最低限必要な保障額を算出することができます。

遺族年金の計算は、自営業世帯(国民年金)・サラリーマン世帯(厚生年金)・公務員世帯(共済年金)のうちどれなのか、子どもの数は何人いるのか、今の年収はいくらか………などの条件により変わってくるためかなり複雑ですが、生命保険文化センターのホームページに目安の記載があります。

▼「生命保険文化センターホームページ」
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/provision/11.html

たとえばサラリーマン世帯で子どもが2 人の家庭だとしましょう。その場合の遺族年金は子ども2人が18歳になるまでは年額183万4600円、上の子どもが18歳以上になり下の子どもが18歳になるまでは年額160万8300円、子ども2人が18歳以上になり妻が64歳になるまでは年額118万5400円、妻が65歳以上になったら年額138万2000円、という具合に、生命保険文化センターのホームページで公開されている表によって、おおよその年金額を知ることができます。

もう少し詳細な保障額の分析をして欲しいという場合でしたら、プロに相談するという方法があります。

弊社で分析する場合でしたら、基本条件を入力することによって、おおよその保障額を算出することができるソフトを用います。

ご自身やご家庭にあったものを分析・選択

一例をご紹介しておきましょう。

ご主人:40歳男性
家族構成:同い年の妻(配偶者)、5歳と3歳の子ども
年収:約700万円
厚生年金加入
毎月の生活費:約30万円
持ち家

配偶者が60歳までの生活費の不足分を生命保険で買う

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弊社ソフトによる必要な補償額の分析結果を【資料01】でお示ししました。

この条件だと、妻が60歳になるまでの不足分合計額は4724万円、月にならすと平均18・7万円の保障が必要という結果になります。手計算で必要な保障額を算出するのは少々大変ですし、本当に保険見直しを検討したいならばですが、弊社のように無料相談を受ける保険代理店などがたくさんありますから、上手に活用するのがベターでしょう。

② When
いつまで保障をとるか

保険には定められた期間があります。「終身保険」だったら終身の保障ですし、「定期保険」だったら期間限定の保障です。当然ですが、同じ保障額でも保険料だけですと終身保険は高く、定期保険は相対的に安くなります。

たとえば、40歳男性が5000万円の終身保険に入る場合と、5000万円の定期保険に60歳まで入る場合と、月20万円の収入保障保険に60歳まで入る場合(月20万円×60歳まで 初年度保障額4800万円)だと、【資料02】でわかるように、全く同じ保険会社でもかなりの違いになります。予算(保険料)との兼ね合いを鑑みて、保険期間を決めるべきでしょう。

 

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③ What
どの会社のどの商品にするのか

案外見落としがちなのが、この③のステップです。これも例を出します。②のステップを経て、40歳男性が「月20万円の収入保障保険に60歳まで入る」という共通条件で各保険会社を比較するとします。そうしますと、【資料03】のような違いになります。

 

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共通条件はもちろん同じですが、「リスク細分」と呼ばれる被保険者の健康状態(「優良体」と記載があるものはBMI、血圧などが一定数値以下でないと加入できない)や、最低保障期間(60歳で死んだときに、たとえばT 保険会社だと10年分が最低保障されているので、最終年の60歳で亡くなった場合でもその後10年間は年金が出る)によって2倍以上の保険料の開きになるのです。こういった商品分析を行なうと、同一保障だとしてもご自身に合った適切な商品を見つけることができます。

このようなポイントを踏まえてご自身やご家庭にあったものを分析・選択していくと、必然的にご自身にとって最も合理的な商品を選択するという、いわば数理の世界に入っていきます。

「単純に保険料を安くする」ということではなくて、「必要な保障を分析したうえで最も合理的な商品を選ぶ」というところがミソです。こういった分析は、①②は特定の保険会社専属の営業パーソンでもできるかもしれませんが、③の保険会社をまたいだ商品分析に関しては、専属の営業パーソンでは極めて難しいでしょう。

それはそうです。商品に関する情報もなければ、他社の商品を勧めたら自分の営業数字にならないわけですから。さらにネット通販の生命保険だけしか考慮しないとなれば、①②③すべて自己判断での加入となります。

断っておきますがわたしは専属の営業パーソンやネット通販などの販売チャネルを否定するつもりはありません。専属の営業パーソンだったら手厚くサポートしてくれるとか、ネット通販だったら対面の手続きが不要なため煩わしさが無いなど、それぞれに消費者メリットがあるのだろうと思います。

ただ、他の商品で累計100万円以上も払うものについては、当たり前のように「いくらくらいのものが自分たちにとって妥当なのか」「相見積もりを取るとどれがいちばん安いのか」ということを行なうでしょう。ところが、そういった比較をすること自体が、消費者にとって生命保険は非常に難しいというのが現状なのです。そして、わたしはそうした状況を嘆かわしいと考えています。

ただ幸いなことに、前述したとおり今は保険の見直しがブームであり、無料相談を受けられるショップなどが弊社を含めたくさんあります。「自分に適正な保障額っていくらだろう?」という分析や、商品に対するアドバイスを受けるだけでも、プロに一度は相談してみる価値があるといえるでしょう。
 

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保険で何のリスクに備えるかを決める

保険見直しのポイント

できるかぎりお世話になりたくないけど、避けては通れないモノ。そんなネガティブニーズの代表とも言える商品が生命保険です。
今回は個人の方が生命保険を見直す(または新規契約を考える)ときのポイントを具体的に挙げていきます。このポイントは20社以上の生命保険会社を扱うわたしたちが10年掛けて培ったノウハウでもありまして、きっとご参考になるのではと思います。

家業が生命保険代理店業であるということから、わたしは10年以上にわたって、実にさまざまな保険契約に掛かってきました。

なぜかというと『基礎知識編』で述べた通り、20社以上の保険会社には会社独自の取り扱いノルマがあるのです。たとえば「年間2件以上の新規契約を獲得しないと取り扱うことを認めない」というようなものです。わたしたちは商品性を重視してお客様に提案するスタンスを堅持しています。雑誌でプロに高評価されているような商品や、市場価格よりあきらかに割安な商品など、つまり消費者にメリットが大きい商品は、放っておいても勝手に売れる傾向にあります。

一方で、箸にも棒にもかからないような商品も存在します。どんな商品市場でもそうだと思いますが、いいものもあれば悪いものもあるものです。そのような、消費者にとってメリットよりもデメリットが多いような商品を出している保険会社にも、ノルマは存在します。そういった商品も売らないとノルマが達成できない………。

これは本当にジレンマなのですが、いいものばかりでなく悪いものも売れる状態にしておかないとその会社からの情報が取れませんから、消費者から見た本当の意味での比較ができないのです。

とはいえ、オススメできない商品を売りつけるわけにもいきません。仕方が無いから、販売者自身がそういった商品に加入する(このような行為をわたしたちは「自爆」と呼んでいます)というわけです。

会社の制度があれば十分

さて、家業が生命保険代理店業を営んでいるからという理由でわたしの体には常に7〜8くらいの(お客様にはあまりオススメしない)保険契約が掛かっているわけですが、毎日仕事を頑張り過ぎたせいか(?)2年前のある日の夜、わたしは急に吐血して緊急入院しました。

思えば何週間か前から慢性的な腹痛があり、その晩は背中の痛みを覚えて早く床についたのですが、突然耐え難い気持ちの悪さを覚えてトイレで嘔吐して、さらに吐血してしまったのです。吐いた血の量が多く貧血気味になり、お風呂で倒れているところを妻に発見してもらい、翌日から即入院………。診断された病名は、「胃潰瘍」。最低2週間は入院、断食が必要と診断されました。

この間、家族にも職場にも大変なご迷惑をかけたのですが、経済的な面で救いに思ったのはわたしのからだに掛かっている生命保険のことでした。このときほど健康が大切と思ったときはありませんでしたが、それと同時に理由はどうあれ、医療保険に加入しておいてよかった………、そのことも痛感しました。

結局、15日間の入院生活(手術なし)ののち、わたしは無事退院することができました。このときの医療費(自己負担額)は約10万円だったことを覚えています。

職場に復活してからのこと、ある日わたしは当時所属していた会社の労働組合の幹部から、「退院おめでとう。労働組合からお見舞い金と、健康保険組合から付加金が出ると思うから、早めに手続きしたほうがいいよ」というアドバイスを頂きました。「そんな制度があるんだっけ」と思いながら、前職当時の会社の福利厚生制度を確認して、わたしは思わず仰天しました。

けが・病気の場合の福利厚生制度はこうでした。

① 労働組合からのお見舞い金:14日以上の入院で1万円支給
② 健康保険組合からの付加金:自己負担額から2万5000円を越えた部分を支給

この2つの制度のおかげで、自己負担10万円のうち8万5000円ものお金が後から還付されました。

さらに医療保険に入っていましたから、保険会社からは1日あたり5000円×15日=7万5000円の給付金が出ました。会社の労働組合、健康保険組合から支給されたお金8万5000円+保険会社からの給付金7万5000円で、16万円! 自己負担の10万円を払ってお釣りがくるほどのお金を手にしたわけです。病気して得したという不思議な状態になってしまいました。

たしかにありがたいことでしたが、同時にわたしはこう思いました。わたしには医療保険は不要だった………と。後日、給付金を受けて少ししてから、この医療保険には感謝しつつ解約してしまいました。

わたしの前の勤務先が一部上場の大企業だったからということもありますが、自己負担分10万円のほとんどを補ってくれるような会社の制度があったのです。わたしはそんなことは露知らず、医療保険にも入っていました。家業のノルマをクリアするため、ということで加入していた医療保険ですが、本来の「けが、病気になったときの経済的損失の補填」という意味では「会社の制度があれば十分だ」と思わざるを得ませんでした。

わたしの経験したケースでの問題は、自己負担額10万円が一時金で払えるかどうかということでしたが、さすがにその程度の貯蓄はありましたので、これは問題になりませんでした。そして医療保険に加入していても、給付金が支払われたのは数か月先でしたので、この問題はクリアされません。そうなると医療保険ってどういうときに必要なのか? 健康保険のきかないような高額療養費が発生した場合の医療費の補填、そのくらいにしか必要とならないのではないか………。そんなことも考えました。

これは一例ですが、生命保険を検討するときにはまず、「何のリスクに備えるか?」を考えることが肝要です。

たとえばですが、ひとり暮らしで家庭が無い独身男性が「死亡保障は不要だし医療保障ぐらいかな〜………」と漠然と考えたとしても、実は会社の制度が掛かった医療費のほとんどをカバーしてくれるといった、わたしのようなケースもあるのです。

意外と見落としがちなことなのですが、生命保険を見直す前に、まずは勤務先の福利厚生制度と、国や自治体の社会保険制度を今一度確認されることをオススメします。そしてその次に、何のリスクに備えるかを具体的に決めていくプロセスをとるべきだと思います。

 

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