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自分の資産は自分で守る!

では、いま加入されている生命保険商品がどういう商品なのかを再認識したあと、見直しを検討するときのポイントについて、少しお話ししておきましょう。ただし、ここでいう「見直し」とは何も「新しい商品に加入し直す」ことを必ずしも目的とはしていません。たとえば前述の「お宝保険」に加入されていて、保障の内容も十分であれば、そこで見直しは終了です。

「本当の意味で、自分に最も必要な保険は何なのか」。それをあらためて確認することが、生命保険を見直すことの唯一にして重要な目的です。

【生命保険見直しの5W1H】
① WHEN
 いつまで保障を必要とするのか。保険は、目的に合わせて「保障期間」を考えなければならない。
② WHERE
 法人、個人のいずれで契約するのか。法人契約が可能な場合、終身保険は法人契約にしたほうが有利。個人であれば、ガン保険や医療保険は必要性も含めて慎重に検討するべき。
③ WHO
 被保険者を誰にするのか。法人の社長や世帯主など、キーマンに死亡保障は必須。
④ WHAT
 どの会社の、どの商品にするのか。さまざまな保険プランを比較して、目的に適った、もっとも合理的で効果的なプランを組み合わせる。
⑤ WHY
 生き残ったときも役立つ保険か。法人のトップの場合、自分の生死だけを考えるのではなく、事業承継対策など大切な役割をはたせるよう設計する。
⑥ HOW MUCH
 保険金額は適正か。リスクが発生する確率と払える保険料を鑑みて、正しく保険金額を設定する。

この「5W1H」を高いレベルでクリアするためには、いくつかの「力」が必要です。
① できるだけ多くの保険会社と保険商品の中から、個別の条件に合わせて正確に相対比較できるデジタル技術力。
② 資金を有効活用するために、保険商品のみならず、その他の金融商品や税制、相続などについての幅広い知識力。
③ 最適なファイナンシャルプラン(相続納税資金、年金対策等も含む)の提案力。

もちろん、一般のみなさんがわたしの本を一読しただけで、こうした「力」を得られるものではありません。たとえば個人事業主の方や、企業経営に携わる方など、高いレベルで適切な保険選びを実現したいという場合は、わたしのような保険コンサルタントの力を上手に活用なさることをおすすめします。

個人の人生を豊かにするためにも生命保険は大切です。とはいえ、個人でコンサルタントを雇うのは現実的ではありません。だからこそ、生命保険に秘められたカラクリを知り、さまざまなリスクや特徴を理解して、より論理的な選択をしていただくために、本書をご活用いただきたいのです。より多くの「個人」が生命保険に対する目を開き、より高い意識をもっていただくためのお手伝いをすることは、保険コンサルタントのわたしにできる大切な仕事のひとつだと思っています。
「生命保険の見直し」というと、一般には「保険料を安くすること」と安易に考えがちです。もちろん保険料が割安であるに越したことはありませんが、生命保険で一番大切なことは「その保険がどういう役割を果たすのか」ではないでしょうか。

保険は目に見えない商品であり、そのニーズは人によって異なります。年齢、職業、年収が同じであっても、自家保有かどうか、両親は同居かどうか、将来は両親の介護が問題になるのかどうかなど、人生を織りなすさまざまな要素によって、必要な保障が異なってきます。法人契約であれば、さらに加えて税金対策や事業承継などが大切なテーマになってきます。

これからの世の中、増税や社会保険料の値上げなどにより、ますます新たな資産の形成、資産の維持が困難な時代を迎えるでしょう。今後の国の政策でいえば、消費税アップ、所得税控除の見直し、相続税控除の引き下げや最高税率の引き上げ、社会保険料の値上げなど、「取れるところから取る」施策が目白押しのように思えます。お国は個人の資産を守ってくれない(それどころか取り上げる)時代になりつつあるのです。

となれば、取るべき手立ては自己防衛しかありません。プロの知恵を活用して最適なファイナンシャルプランを作ることは、ご自身の資産を守ることにも繋がります。 「生命保険の見直し」は、ご自身の大切な資産を守る手段のひとつなのです。

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まずは「知る」ことから始めよう

ここまで、さまざまな角度から、「自分に掛かっている生命保険のことを知らないのがどういうことか」、そして「どのような事態を招くか」について、具体的なケースを例にして説明してきました。保険の専門家以外で「そんなことは百も承知だよ」という人は、今の日本にはほとんどいないはずです。世の中で「モノを買う」ときに、メーカーや価格、機能、効用などを考えないで買う消費者がいるでしょうか。おそらく、あまりいないでしょう。

また、あなたがご自身に関する「現在の金融資産の状況」を尋ねられたとしましょう。
① 先月までのご自身の銀行口座残高
② 今月末のクレジットカードの引き落とし金額
③ 来月の給与等の収入
④ 保有株の時価

こうしたご自身に関連するお金の流れを把握していない人がいるでしょうか。やはり、あまりいないでしょう。ところが、こと生命保険については、その商品の機能や効用を深く理解せず、お金の離れも把握していない人がほとんどというのが現実です。

生命保険は金融商品の中でも少し特殊な構造をもっています。「保障」という機能の部分と、現金預金、債権株式などと同じく金融資産と言うべき「貯蓄」の部分を兼ね備えられた商品だからです。さらに、この組み合わせのバリエーションが無限とも思えるほどたくさんあるために、「よくわからない」「妥当性の検証が難しい」として、無知で無関心なまま放置されていることがあまりにも多いのです。

累計の払込金額、つまり商品としての購入価格が、個人契約だと数十万〜数百万円、法人契約なら数千万円ともなる場合があるにも関わらずです。
●保障内容、期間が適切かわからない
●費用対効果がわからない
●どういう場合に保険金が出るか正確にはわからない

「万一に備えたリスク対策」のために加入した生命保険が、そんな「わからない」だらけの状況のままになっているとすれば、もはやそんな生命保険に加入していること自体がリスクであるとさえ言えます。今すぐに、お手持ちの生命保険證券や設計書などをもう一度確認して、自分や家族が加入しているのはどういう商品なのかを再認識することを強くおすすめします。

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放置していたら、保険の価値が1/3に

次は「恥ずかしながら」ですが、実はわたし自身に掛かっている保険の話です。生命保険を放置していたら、その価値が想定の3 分の1 になっていた。そんなお話しです。

わたしの父は、40歳を過ぎてから某生命保険会社に転職しました。約20年前のことです。そのときは銀行や住宅ローンなどの金利が6 〜7%台と、今とは比較にならないほど高い時代でした。このような時代に、万が一のために、また将来のためにということで、わたしを被保険者とした生命保険を掛けてくれたわけです。

余談ですが、このような金利が高い時代の生命保険は、支払う保険料が割安になります。なぜかというと、生命保険会社が「お客様から預かったお金を高い利回りで運用できる」ことを前提に商品を開発、販売するからで、同じ保障内容の商品であっても、利回りが高い時代の商品であればあるほど、割安な保険料となるのです。

保険料が決まる大切な要素のひとつに「予定利率」というものがあります。保険会社は契約者から回収した保険料を運用することで収益を上げます。銀行と同じですね。単純にいえば、予定利率が高いほど契約者にとっては有利です。

ちなみに、生命保険会社側の実際の運用利回りと、お客様に保障した利回りが大きく乖離している状態を「逆ザヤ」といいます。これが引き金で90年代後半以降、中堅の生命保険会社の数社が経営破たんして、マーケットからの退場を余儀なくされました。

『返戻率の推移』とは、契約時の運用利回りが続くとした場合の「想定値」に過ぎない

さて、話を戻します。こういった金利の高い時代に契約した生命保険商品は、2012 年の現在では考えられないほど割安で利回りが高いのです。このことから、生命保険関係者は概して1996 年より以前に加入した終身保険を「お宝保険」と呼んだりします。その頃の終身保険の予定利率は4・5%以上。2012 年現在では、だいたい1・5%前後(商品により異なります)ですから、利回りはおよそ3 倍という有利さです。 わたしは大人になってから、父から「実はわたしに保険を掛けていた」ということを初めて知らされました。わたしは金融関係の職業に就いていましたから「お宝保険」の知識もあって、そのような「いい時代」に契約した生命保険なのだから、当然高い利回りが保証されているものと思いこんでいました。当時の生命保険会社からの資料にも、『返戻率の推移』という表がありましたし、そこには非常に高い数値が並んでいたのです。

ところが、これが落とし穴。この資料に書かれていた『返戻率の推移』というのは、その当時の運用利回りが続くとした場合の「想定値」に過ぎなかったのです。 実は、わたしに掛けられていた保険は『変額終身保険』という種類で、契約者が自ら運用先を決められる商品だったのです。ちなみに、わたしの保険の解約返戻金(貯蓄の部分のことです)の運用先は「日本株式100%」となっていました。つまり、父が毎年生命保険会社に支払った保険料は、まず生命保険会社の諸経費・利益などが差し引かれ、その残りが日本株式100%の比率で運用されていたわけです。

もう少し詳しく説明しておきましょう。わたしに掛けられていたのは「保険金額500 万円の変額終身保険」で、1996 年に加入した契約でした。当時の予定利率は、なんと6%。今の国内の定期預金の利回りは、高くて0・5%くらいですから、どれほど高いことか! 正直、この保険に入っていると父から聞かされたときは内心ウハウハでした。

現在、この保険に契約して16年経っていて、すでに累計で90万円くらいの保険料を払っています。当時の保険会社の資料からすると、少なくともその8 割くらい、今解約すると70万円くらいの現金が引き出せるはず。最低限そのくらいの価値はあると思ってたのです。

ところが………。日本株式100%の運用で放置していたために、実際はその3 分の1、時価にして25万円ほどになってしまっておりました。

この保険契約だと、もう解約返戻金で「ウハウハ」を期待することはできません。でも終身の死亡保険金と割り切れば、最終的にわたしは生涯で約230 万円ほどを保険会社に払って、遺族に500 万円の死亡保険金を残すことができます。この低金利時代に高いパフォーマンスでの運用はもはや不可能といっていいでしょうから、わたしは潔く諦めて230 万円を保険会社に払い、この保険を墓場までもっていこうと覚悟をきめています。

これは「変額」で、さらに「自分で運用先を決めることができる保険」という少々特殊な例かもしれません。でも、わたし自身が教訓として学んだのは、「知らない」のがいかに怖いか。そして、知らないまま放置するといかに損をするのかということです。

もちろん、あなたにとっても他人事ではありません。たとえば自分の保険が「お宝保険」だと知らずに解約して、今の予定利率の商品に乗り換えてしまったら、あきらかに損をする可能性が高くなるのです。

あなたは、ご自身の入っている保険の時価が今いくらなのか、正確に把握していますか?

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セールストークでこんなに変わる

「売り手のセールストークによって、どんな商品でも、いかようにも見えてしまう」

実はもうひとつ、生命保険への加入を検討するときに、消費者の論理的な判断を妨げる重要な要素があります。それは「セールストーク」。生命保険とは「売り手のセールストークによって、どんな商品でも、いかようにも見えてしまう」商品であるということです。

これも、実例を出したほうがわかりやすいでしょう。

加入を検討するあなたの目の前に、2種類の生命保険が提示されたとします。どちらも、万一のときに2000万円の死亡保険金が払われる商品です。ここでは、35歳の男性を例にして、具体的な違いを検証してみましょう。

【保険に掛かる方の条件】
35歳、男性
保険金額:2000万円
既婚・子ども2人(息子5歳、娘2歳)
保険料払込期間:65歳まで

【提示された生命保険】
①定期保険
月額保険料:7100 円
掛け捨て・30年間保険料固定のタイプ
②終身保険
月額保険料:3万2520円
貯蓄性があるタイプ

さて、この条件で、65歳まで(30年間)に支払う保険料を比較すると、次の表のようになります。

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①は65歳までの期間限定で、2000万円の保障を取りたい場合の保険です。

この保険に入ると、月額7100円の払い込みが30年間続きますから、トータルの保険料は「月額7100円×12か月×30年= 255万6000円」となります。

保険料は安いですが、掛け捨ての保険ですから65歳までに亡くならなければ、255万6000円を保険会社に支払っておしまいです。65歳まで生存した場合、支払った保険金は1円も戻ってきません。

②は終身有効な保険で、亡くなったら2000万円の保険金が出る保険です。この保険に入ると、月額3万2520円の払い込みが30年間続きますから、トータルの保険料は「月額3万2520円×12か月×30年= 1170万7200円」もの金額になります。

ただし、この保険には貯蓄性があり、積み立て部分がありますので、66歳で解約すれば、解約返戻金として1451万8000円が戻ってきます。払い込んだ保険料に、281万円(25%)ものプレミアムが乗って戻ってくるということです。また、65歳まで保険金を支払えば終身有効ですから、解約しなければいつかは必ず2000万円が貰える保険になっています。

①の商品を売りたいAさんと、②の商品を売りたいBさんそれぞれのセールストークを比較

では、それぞれの保険にこのような特性があることを踏まえて、①の商品を売りたいAさんと、②の商品を売りたいBさん、それぞれのセールストークを考えてみます。

まず、①の商品を推すAさんの言い分です。

現実的に家計を考えて、月額3万円を超える保険料は負担が大きすぎないですか。今すぐは大丈夫かもしれませんが、これからお子さんが大きくなると学資資金も必要になりますし、このご時勢ですから年収が下がるということも考えられなくはありません。

それに何よりも終身保険の弱点は、今が超低金利時代ということです。②の商品は、66歳時点で解約すれば、一見281万円も上乗せされて戻ってくるいい商品に見えますが、これを年利で考えると1・4%程度に過ぎません。しかもそれを、30年間も続ける必要があるのです。それに65歳までに解約すると、元本割れしてしまいます。10年後に金利が倍になっていたら目も当てられませんよ。

今35歳ですよね。ご家族にとってはこれからが最もお金が掛かる時期ですから、貯蓄は保険と分けて考えることにして、保険料が安くて、やめたいときにやめることができる掛け捨てタイプがいいと思います。

それに、この商品は30年間保険料が7100円の固定で変わらない点も安心です。

いかがでしょうか?
35歳で、まだ子どもが小さくこれから養育費が掛かることを考えると、なかなか説得力のあるセールストークではないでしょうか。

では次に、②の商品を押すBさんの言い分です。

①の商品は保険料が月額7100円と、確かに②の商品より月に2万5000円も安いです。これからの家計を考えたら3万2000円の保険料は少々厳しいかもしれません。しかし、それでも②の商品を推している理由があるのです。

日本の男性が65歳まで生存する割合がどれくらいかご存知ですか。実は、約90%です。つまり、圧倒的多数の方は65歳まで生存するのです。

ということは、①の商品に10人が入ったら9人までが255万円を保険会社に没収されておしまいです。90%の確率で損をするのが①の保険ということです。

そして66歳までに解約した場合には、年利でいうと1・4%程度となりますが、今の日本では10 年長期国債の利回りが1%弱程度ですから、資金の運用と考えても相当に金利はいい部類です。これよりよい利回りの金融商品を国内で見つけるのは難しいでしょう。

解約しなければ死亡保険金の2000万円は必ずいつか遺族が貰えるわけですし、66歳で解約した場合の返戻金1451万8000円は老後資金としても使えます。もし娘さんがまだ未婚でしたら、結婚資金としても使えます。少し月額保険料は高いかもしれませんが、わたしはこちらの商品がオススメです!

いかがでしょうか? こちらも相対的な貯蓄性の高さを考えると、それなりに説得力がありそうです。

仮にあなたがAさんのいうことだけ、もしくはBさんのいうことだけを聞いていたら、どうお感じになるでしょう。どちらの言い分に対しても「うーん、なるほど。確かにそうだな」と思うのではないでしょうか。

実はこのセールストーク、どちらも正しいのです。それぞれが語っている商品の特徴にウソや誇張はありません。セールスパーソンの考え方によって、売りたい商品、推したい商品は変わって当然といえます。

保険のプロのなかでも「保険はそもそも多数が保険料を払って、少数の死亡保険金を受け取る人を支える仕組み。だから保険料の安い掛け捨てタイプがおすすめだ」という意見の人もいますし、「いや、そうではない。投資対回収の理論で言ったら必ず回収できる終身保険が有利だし、万が一のリスクを保障しながら資産を作れるメリットがある」という意見の人もいます。

どちらのメリットを選ぶのか。最終的にはあなた(消費者)が選ばなければいけないのです。だからこそ、どちらかを押しつけるのではなく、ふたつの考え方をきちんと説明してくれるセールスパーソンが理想です。

ふたつのメリットやリスクを聞いたうえで、ご自身の考え方に合うほうを選び、予算などに合わせて保険を組み立てること。それこそが、納得の保険選びへの第一歩です。

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保険は欲張るほどに損をする!

シンプルに考えると、生命保険の保障には4つの機能しか存在しません。

① 死亡保障=万が一のための保障
② 医療保障=入院等のための保障
③ 生存保障=長生きのための保障
④ 介護保障=要介護のための保障

では、これらの機能を持つ代表的な日本の保険商品について、ごく簡単に解説します。

①は言わずもがなですが、家計を担うご主人などに万一のことがあったときに、死亡保険金が払われる商品です。「期間限定」で遺族保障を買う定期保険(一般的に掛け捨て)タイプや、「一生涯」の遺族補償を買う終身保険(一般的に貯蓄性あり)タイプなどがあります。生命保険の原点ともいうべき機能をもっています。ちなみに、「貯蓄性あり」という商品は、「解約したら一定額の戻し金がある(解約返戻金といいます)」「満期金がある」というようなものを指します。

②は病気やけがなどで入院・手術をしたときに保険金がおりる商品です。「ネコとアヒルでおなじみのアフラックが主力としている商品」というと身近に感じられるかも知れません。日本の医療保険制度は、保険証を出せば医療費の一部を負担するだけで医療を受けることができる「国民皆保険制度」ですが、これを補完する機能を持ちます。医療保険、がん保険、三大疾病保障保険などがあります。さらに、掛け捨てタイプのもの、貯蓄性があるもの、定期のもの、終身のものなど、さまざまなバリエーションがあります。

③は将来的な年金資金など、まとまった資金があらかじめ必要なことが想定できる事態に備えて、所定のタイミングで年金や満期金がおりる商品です。個人年金保険などが代表的です。病気やけが、死亡といった突発的な出来事とは関係ないため掛け捨てでは意味がありませんから、貯蓄性があるタイプがほとんどです。

④は保険会社が規定する要介護状態になった場合に、一時金が支払われたり介護年金が支払われる商品です。日本には公的な介護保険制度があり、40歳以上は全国民が対象となりますが、これを補完する機能を持ちます。

このように分類して個別に考えると、それぞれの機能はまったく別の目的のための保障であることがよくわかると思います。

では、この4つの機能がわざわざセットになった商品をあえて買う必要がはたしてあるでしょうか。

「もちろん、4つの機能が全て含まれていて、全て終身有効で、貯蓄性もある保険がいい」と思われるかもしれませんが、そんな保険がもし実在するとしたら、保険料は月額で数十万円以上になると思われます。そもそも、それだけの保険料を払う経済力がある人なら、家族のために①の機能だけ備えた保険があれば、②〜④の保障は貯蓄で賄うことができる(あるいは、貯蓄で賄うほうが有利)と思われますから、そんなに高額な保険は不要でしょう。

ところが、いざ保険選びのシーンとなると、やはり人間ですから、漠然とした不安から「あれもこれも」と欲張ってしまいがちなのです。

実際に、①〜④すべての機能を有しているように見える保険商品は存在しています。ただし、注意しなければいけないのは、そういう幅広い保障を備えた保険では「主契約は①だけで②〜④は特約」という商品が一般的であるということです。

この場合、①を解約してしまう(あるいは銀行口座の残高不足等により契約が失効してしまったりする)と、②〜④の機能も無くなってしまいます。一般的に年を重ねるごとに人間はからだにガタがきます。ライフサイクルは皮肉なもので、年を重ねて子どもから手が離れ、保険料を支払ってまで突発的な事故などに対する①の保障を買う必要が少なくなるのと反対に、②〜④の保障については重要度が上がります。若いときから4 つの機能がセットになった生命保険に加入したことが、後年、かえってあだになってしまうことも考えられるのです。

保険という商品は目に見えないうえに、「なんとなくの安心感」を求めたり、「付き合い」や「義理」で加入するケースが非常に多いのが現実です。そのため、論理的に判断すれば不必要なものに毎年何十万円もの支払いをしている例が、本当にごく身近にある商品でもあるのです。

今、あなたや家族が入っている保険が本当に必要なのか、それとも単に無駄に毎年おカネを捨てているだけなのか、もう一度胸に手を当てて、論理的に考えてみてください。
 

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義理人情で500万円もの違いがつく!

興味をもってここまで読まれた方であれば、保険が金融商品であるといった程度の認識はすでにおもちでしょう。そして「金融商品(サービス)の価値はROI(費用対効果)だけではない。保険に加入するのは、営業担当者への信頼や、保険料を支払った分の安心感や満足感も買っている。だから、シンプルイズベストでは決してない」と思われた方もいらっしゃるでしょう。

もちろん、生命保険会社の社員が身内や知り合いにいたり、信頼できる営業マンが身近にいて、応援の気持ち(義理も大いにあると思いますが)から保険に加入される場合もあるはずです。わたしはそれを否定する気持ちはありません。むしろわたし自身、自分が生命保険業界に入った際には、友人や知り合いからの契約に大いに勇気付けられた一人です。保険契約に「お付き合い」といった要素が付き物であることを否定するものではまったくありません。

でも、業界の中にいて契約いただく方への感謝を痛感したからこそ、あえて提言しておきたいのです。

お付き合いや義理の代償が、トータルで高級車が1台買えてしまうほどの機会損失を招くと事前にわかっていて、それでもあなたは非合理的な保険を選択するでしょうか?

実際に存在している保険のプランを例にして、具体的な比較をしてみましょう。

【共通条件】
●被保険者  : 35歳男性
●保険種類  : 10年更新 定期保険
●死亡保険金 : 5000万円
●払込方法  : 月払

【比較結果】
A社
月額保険料 5650円
保険料10年累計 67万8000円

B社
月額保険料 1 万5450円
保険料10年累計 185 万4000円 

A社の保険とB社の保険。死んだら5000万円が支払われるというまったく同じ保障内容ですが、10年間の累計では支払う保険料が118万円もの違いになります。さらに、この保険を30年続けるとどうなるか。10年後、20年後の保険料が正確にわかるわけではありませんから、45歳時点、55歳時点で上記の保険に加入したとした保険料累計額を合算した推定値になりますが、ざっくりA社の保険料累計が約500万円となるのに対して、B社の保険料累計金額は1000万円を超えてきます。

お付き合いや義理でたまたまB社の生命保険に入ってしまうと、A社と比較して約500万円も多くのコストが掛かります。決して無視できない金額です。

さて、同じ保障内容の生命保険で、なぜこれほどコストの違いが出るのでしょう。

ひとつめの大きな違いは加入条件です。A社の商品は「非喫煙者優良体」といって被保険者を選ぶ商品だったのです。これは、1年以内にタバコを吸ったことがなく、BMIが一定の水準以下であるなど、健康状態に関する所定の条件を満たした人のみが加入できる保険です(リスク細分型商品といいます)。一方で、B社の商品はそういったリスク細分の条件がありません。

もうひとつは、保険料の構造です。保険料というのは、「純保険料」+「付加保険料」で決まります。

「純保険料」とは死亡保険金の支払いに充てられる金額で、「死亡率」と「運用利率」で決まります。これは生命保険の純粋な原価です。「死亡率」は統計データで決まり、「運用利率」は各社の運用利回りで決まります。このふたつは、日本国内の保険会社同士であるかぎりそれほど大きく変わりません。一方、「付加保険料」とは保険会社の経費や利益になる部分です。保険料が結果として大きく変わるのは各社の「付加保険料」に大きな違いがあるからと言われています。保険会社も営利目的の企業ですから当然といえば当然ですが、経費や利益は生命保険会社の都合であって、生命保険に加入する消費者からにはあまり関係のない要素です。

さて、あなたがA社の保険に加入できる健康状態で、あらかじめこうした知識をもっていたなら、いくら義理がある人からのすすめだとしても、はたしてB社の保険にわざわざ加入するでしょうか?

まったく同じ保障内容の保険でも、綿密に比較するとこれだけの違いが発生するのが日本の生命保険の実情です。生命保険で「損」をしないためには、まず、この事実を知ることがスタートといえるでしょう。

 

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最大のリスクは無知と無関心

買う=生命保険会社との契約である

国内大手生命保険会社の主力商品が、実に「わかりにくい」ケースをお示ししました。とはいえ、こうした商品は今の日本の大手生命保険会社の主力商品である以上、多くの日本人がこうした「わかりにくい」生命保険に加入しているのが現実です。そして、生命保険が「金融商品」であり、「買う=生命保険会社との契約である」ことから、消費者は商品内容についての説明を受けて、きちんとハンコを付いてサインして、契約手続きをするわけです。たとえ金融商品で損してしまっても、買ったからには消費者の責任になります。

また、契約する消費者にとって保険は加入することが目的ではなく、「支払われるべき時」にキチンと「保険金が支払われること」が目的です。でも、わたしの経験則ではありますが「あなたはどんな保険に入っていますか?」という質問に対して、正確に答えられる方はかなり少ないのが現実です。

そのうえ保険は「先にお代(保険料)を払い、商品の納入(保険金の請求)はずっと後」という非常に特殊な商品です。以上の事実を踏まえ、生命保険契約に関する消費者側の問題点を整理してみましょう。

【消費者側の問題点】
① 漠然とした不安からイメージだけで安易に契約する
② 契約内容についての理解が不足している
③ 費用対効果を考えない

どうですか? 問題点として挙げた内容はどれも、株や先物といったわかりやすい金融商品を購入するなら誰もが「それはダメ」と感じることばかり。でも、こと生命保険に関しては、とても多くの方がこんな簡単な過ちを犯しているということです。あなたは「自分は違う」と言い切れますか?

ではどうすればいいのでしょう?

まず「わからないものには手を出さない」というのがひとつのやり方です。

たとえばですが、『65歳までの払込、65歳までの保障、掛け捨て、死亡保険金2000万円』という商品だといかがでしょうか。ぐっとスッキリしてわかりやすくなりました。このようなわかりやすい保障内容であれば一般的に理解しやすいと思いますし、仮に忘れてしまったとしても書類を読み返せば保障内容を簡単に思い出せます。

ご参考までに、先ほど引用したシミュレートの例を言葉にしようとすると『年齢に応じて契約を見直しながら生涯にわたって保険金を払い続けて、主契約の死亡保険金150万円、ただし3大成人病と診断された場合は一時金が300万円、所定の成人病で入院した場合は日額2万円などの特約があり……』と、とても説明しきれず、わかりにくくなってしまいます。

『週刊ダイヤモンド』誌などのビジネス誌では、定期的に保険特集を組んで専門家が商品採点結果をランキングしています。実は、こういった雑誌で保険のプロにオススメされている生命保険商品でも、シンプルさが重要視されている場合が非常に多いのです。

特約の保障があれもこれも付いていると、当然ながらその分だけ保険料は割高になり、何の保障が付いているか自分でもちゃんと覚えていないという状況になりがちです。長いお付き合いになる生命保険だからこそ、「自分が理解できる範囲で保険と付き合う」ことが大切です。

また、保障内容をシンプルにすると「わかりやすい」だけではなく、それ以上に素晴らしいメリットがあります。それは「まったく同じ保障内容で比較したときに、どの保険会社の商品がいいのか」を比較しやすいことです。

実際に比較してみると、それこそ世間には知られていない「驚きの現実」を知ることもできるのです。

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あなたは自分の生命保険を説明できますか?

保険の内容本人が認識していたものと全く違っていたということもよくある

保険のコンサルタントであるわたしは、こんなご相談を受けることがよくあります。

「すみません………、実は今『○○生命』の保険に入っているのですが、もっと安い生命保険がありそうだと思って、見直したいのです………」
「わかりました。では、今の保障内容を教えていただけますか?」
「たしか入院保障が1日あたり1万円だったと思います。その他に死亡保障もセットされていたように思います」
「では、その保険はいつまで有効ですか? 終身タイプでしょうか、定期タイプでしょうか?」
「えっ? 保険にそんなタイプがあるのですか?」
「大きく分けて掛け捨てタイプと、貯蓄もできるタイプがあります。でも、覚えてらっしゃらないのであれば、保障内容が書いてある『保険證券』か『設計書』を見せていただけますか?」
「家のどこかには保管されているはずだけど………。どこにしまったか忘れてしまいました。家族構成や年収を話しますから、それでとりあえずサンプルのプランを作ってもらえませんか?」

どうでしょう? 自分が加入している生命保険の内容を説明できないこの相談者を、あなたは笑えますか?

さらに、保険の内容をうろ覚えのままお話しして、あとから改めて保障内容を確認すると、本人が認識していたものと全く違っていたということも珍しくありません。

今の日本人は、自分に一体いくらの保障が掛けられていて、そのためにいくらのお金を払っているのか、多くの人がほとんど興味を持っていないというおかしな状況になっているのです。

生命保険文化センターの『平成21年度 生命保険に関する全国実態調査』によると、1 世帯あたりの生命保険加入率は実に90・3%。加入件数は4・3件。月額保険料は3・8万円となっています。

1世帯あたり、実に年間で45万円もの保険料を払っていながら、その中身を理解していないのはとてもおかしなことだとは思いませんか。そして、実はとても多くの人たちが「生命保険で損をしている」のが現状です。「生命保険の見直し」は、あなたが想像する以上に、人生を大きく左右する「選択」といえるのです。

●生命保険の契約内容は難しくてよくわからない。
●自分の加入している保険が適切な内容なのか、専門家のアドバイスを受けたい。
●同じ保障で、もっと安い保険があるのではないだろうか。

年間50万円近くも払っている以上、このような疑問や要望が出るのは、あまりにも当然のこと。そして生命保険の選び方次第で、数十年のうちにはクルマや家が買えてしまうほどの金額の差が生まれてしまうケースがあるのです。

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保障の内容を理解していますか?

【資料01】の表をご覧下さい。これは国内大手生命保険会社の主力商品について、ごく一般的な商品構造を表したものです。

1-3-1

ごちゃごちゃしていて、一見するとたくさんの保障があるように見えます。

さらに、もう少し具体的な条件を明確にしたものが次に示す【資料02】【資料03】です。

1-3-2

1-3-3

【資料03】は、某生命保険会社の「総合保障型の商品」のインターネット保険料見積もりで、年齢と性別を入力することで誰でも簡単に入手できる情報です。やはりたくさんの保障が付いていて、一見すると「何か不測の事態が起こったときにも安心だろう」と思えます。

生命保険は「主契約」+「特約」という構造

はたして、本当に安心なのでしょうか。正しく判断するためには、生命保険という「商品」について、最低限の知識をもっておく必要があります。

まず、生命保険は「主契約」+「特約」という構造で組み立てられています。「主契約」とは生命保険のベースとなる部分で、通常は主契約のみで保険契約ができます。

そして「特約」とは主契約にオプション的に付加することで、保障内容をより充実させようという個別の目的をもって契約する部分です。特約のみでの契約はできません。

また複数の特約を主契約に付加することができます。

特約の落とし穴

主契約と特約という「部分」に注目して、さきほどの契約例を検証してみましょう。【資料02】の保険では、主契約の部分は終身の死亡保険金額150万円(うち介護保険金額100万円)のみ。
それ以外の部分は「特約」となっており、有効な期間が限定されています(最長80歳までが一般的です)。このケースでは当初10年間はだいたい月額保険料が2万円ほどですが、11年目以降は特約部分が「更新」となり、更新する年齢で月額保険料が再計算されて上昇していきます。

ただし、更新後の保険料がいくらになるかということは10年後にどの特約を継続するのか、またいつまで保険に入り続けるのかによって変わってきますので、今のタイミングで最終的にいくらになるか正確にはわかりません。保険料を合計いくら支払うことになり保険金がいくら支払われるのか、ということはこのシミュレートだけではわからないといえます。

つまり、生涯を通じて何百万ものお金を払うことになるにもかかわらず「費用対効果はわかりません」ということでもあるのです。ちなみに、この35歳男性が現在の特約を継続すれば、60歳までに払う保険料の合計は1000万円を超えてしまいます。

もっとそもそも論で言うと、この35歳男性が、このシミュレートを見ただけで「この保障が自らの生活保障として妥当な内容か」といったことや「他社と較べて保険料は妥当か」という点を判断するのはたぶん無理でしょう。

このケースでは高額の保障がたくさん並んでいるように見えますが、ほとんど特約。主契約では「第1保険期間満了時〜一生涯」で死亡のときに一時金は150万円となっているだけです。「パッケージ化されている商品を買えば、なんとなくたくさんの保障が付いていて安心そうだ」と思いきや、ほとんど病院のお世話にもならずにポックリ亡くなった場合だと、1000万円以上の保険料を支払った挙句に主契約部分の死亡保険金額150万円しか払われない、ということが起こりえるわけです。

もちろん、こういった商品内容を十分理解した上で、保険に加入する分には問題ない場合もあると思います。しかしながら、一般的に生命保険というのは、何十年もの長期間にわたる契約です。これだけ多くの保障内容を忘れずに覚えておくというのは、なかなか大変ではないですか?

そもそも、相当に保険契約に精通した人以外は、資料として引用した図表そのものが「わかりにくい」と感じるでしょう。実は「わかりにくい」ことは承知の上で引用しました。なぜなら、このように複雑でわかりにくい生命保険商品が主流になっているあたりに、「生命保険って面倒くさくてわかりにくい」というイメージが先行してしまっている大きな原因があることを、まずは理解していただきたかったからです。

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指切断の大事故!………でも保険金がおりない?

「こういう場合には保険金は支払われませんよ」という「例外」がたくさんある

いきなりですが、生命保険にまつわる少し怖いお話しをします。怖いといっても、保険金詐欺のような犯罪行為ではありません。契約に則ってきちんと手続きがされたのに「こうなってしまう場合がある」という具体例です。

もっとも、だからこそ余計に怖いと思われるかもしれませんが………。

ある男性が、友人のツテで医療保険に加入しました。
「万一の病気やケガのために入っておいてもいいかな」、「営業マンは古くからの友人だし、彼の役に立てるのなら」という感覚で契約したのです。ここまでは、よくある話でした。

ところがある日のこと、この男性が勤務先からの移動中に交通事故に巻き込まれ、右手薬指の第1関節から先を切断する大事故に逢ってしまいました。ちょうど爪のある部分を約1センチほど失って、落とした指は回収できませんでした。

ご本人やご家族の思いを察すると、本当にご不幸な出来事としか言いようがありません。

でも、その男性は「少し前に友人のツテで医療保険に入ったばかりだったのが、せめてもの救いだった」と気を強く持ち、友人の生命保険会社営業マンに連絡を取って事情を説明し、保険金の請求手続きをしたい旨を伝えたのです。

ところが、後日届いた生命保険会社からの回答は思いもよらないものでした。
「ご加入いただいた医療保険で手指の欠損に関して保険金が支払われるのは、親指であれば第1関節以上、そのほかの指であれば第2関節以上を欠損した場合になります。今回は薬指の第1関節までですから保険金が支払われる対象になりません。お気の毒ですが、保険金は支払われません」

これが生命保険会社からの正式な回答でした。

少し生命保険に詳しい方であれば誰でも知っていることですが、生命保険に加入していても「こういう場合には保険金は支払われませんよ」という「例外」がたくさんあるのです。

「どういう場合に保険金が払われるか?」生命保険のプロもすべて把握していない

保険金の支払いに関しては、保険会社側からするときちんと定義しないと、契約者の言いなりに保険金を払わないといけなくなってしまう可能性があります。そのため、約款という分厚い本(保険会社によってはCD−ROMになっている場合もあります)に契約内容がこと細かに定義されています。

まして医療保障や介護保障タイプの商品ですと、死んだら保険金が支払われる死亡保障の商品と違って、被保険者のからだの状態は千差万別。保険会社が不利な支払いが生じないように「保険金支払われない例外」が数多く設定されているのです。

指の切断事故のケースは一例ですが、たとえば医療保険を検証すると「どういう場合に保険金が払われるか?」は各社によって、さらに商品によってもバラバラです。すべてを詳細に把握している人は生命保険のプロを含めてほとんどいないでしょう。

ちなみにこのケースでは、薬指第一関節の切断で医療保険からの保険金は払われなかったとしても、事故を起こした自動車が加入している自賠責保険の対象になるでしょうから、そちらをあたる必要があります。さまざまなリスクをすべて自前で加入する保険でカバーしようという考え方に、そもそも無理があるともいえるでしょう。

生命保険は、基本的にトラブルに遭遇したときの経済的な不安を解消するためのものです。でも、そもそも日本は国民皆保険ですから5歳以上70歳未満の医療費は3割負担です。それに加え、自己負担分が高額になる場合には、高額療養費制度といって自己負担金額が一定額を超えた場合にその超えた金額を国が支給する制度があるのです。たとえば、1か月間に100万円の医療費が掛かったとします。通常の医療費負担は3割なので、30万円を負担する必要があるのかというと、そうではありません。高額療養費制度では、一定の自己負担限度額を超えた分の払い戻しを受けられるので、自分で支払う必要があるのはおおむね8万7000円だけ。残りの21万3000円は国が負担してくれます。

これは日本の健康保険の基本的な制度のひとつですが、とくに20〜30歳代の若年層では「知らなかった」という方も多いのではないでしょうか。

また、勤務先によっては福利厚生の一環で医療費の補助が支給される企業もあります。

「病気になったら大変」という漠然とした不安から加入したくなる医療保険。病気になった際の収入を補填したいという目的もあるでしょうが、本当に医療保険が必要な人というのは「実際に自己負担する月額約8万7000円が払えない人」と考えることもできるのです。

あなたは、国の健康保険制度や、自分が勤務する会社の福利厚生のシステムをきちんと把握して、理解していますか? とくに医療保険への加入を検討するなら、そうしたシステムを抜きにして論理的な判断をすることはできません。ご自身の年収や貯蓄額などもあわせて総合的に考えて「それでも本当にこの医療保険が必要か」ということを判断するべきなのです。

生命保険は安心を買うシステムのはずですが、実は「知らない」というだけで、このように「怖い」ことにもなってしまうのです。

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